ご支援、深く感謝いたします。

日本学術振興会:科学研究費補助金

藤木道也(代表)課題番号16H04155:波長選択的円偏光照射による円偏光発光性高分子の発生と制御(基盤研究B)

研究期間: 2016.4-2019.3

藤木道也(代表)課題番号26620155:微小球を用いた超長距離フェルスター共鳴エネルギー移動システムの構築(挑戦的萌芽研究)

研究期間: 2014.4-2017.3

終了:藤木道也(代表)課題番号23651092:フォトクロミック分子系を用いた不斉の発生と増幅システムの構築(挑戦的萌芽研究)

研究期間: 2011.5-2014.3

円偏光光源による光学活性分子系の発生と増幅制御(光学収率100%)に挑戦する。もし成功すれば実用的な不斉光合成手法を提示できる。
1. W. Zhang, K. Yoshida, M. Fujiki, X. Zhu, Unpolarized-Light-Driven Amplified Chiroptical Modulation Between Chiral Aggregation and Achiral Disaggregation of an Azobenzene-alt-Fluorene Copolymer in Limonene, Macromolecules, 44, 5105-5111 (2011).
2. Michiya Fujiki, Kana Yoshida, Nozomu Suzuki, Jian Zhang, Wei Zhang, Xiulin Zhu
Mirror Symmetry Breaking and Restoration within μm-Sized Polymer Particles in Optofluidic Media by Pumping Circularly Polarised Light, RSC Adv. 3, 5213-5219 (2013).

終了:藤木道也(代表)課題番号22350052:パリティー非保存説による絶対らせん合成と機能(基盤研究B)

研究期間: 2010.4-2014.3

パリティー非保存性の弱い核力は中性子−電子間に働く弱中性電流(自発的なループ電流)として、すべての原子・分子・高分子の左右を区別するとされている。1980年代に、いくつかの原子蒸気から光学活性信号が検出され、原子の弱中性電流の存在が実証された。一方、不斉分子・らせん高分子も弱中性電流のため左右非対称との理論が1980年代より示されてきたが左右エネルギー差が微少であるため実験的検証が遅れていた。本研究は円偏光分光(吸収・発光)による精密測定解析を容易にするシグマ共役・パイ共役高分子を用い、(1)弱中性電流説に基づく左右の微小な偏りが普遍的に検出できることを実証し、(2)微少な偏りからホモキラルならせん高分子が希薄溶液・微粒子・薄膜として発生・増幅していくシナリオを描き、(3)それらの知見に基づき円偏光発光性を示すらせん高分子群を設計構築する。
(参考)
1. Fujiki, M. Mirror Symmetry Breaking in Helical Polysilanes: Preference between Left and Right of Chemical and Physical Origin, Symmetry, 2, 1625-1652 (2010).
2. Fujiki, M. Mirror Symmetry Breaking of Silicon Polymers – From Weak Bosons to Artificial Helix, The Chemical Record, 9, 271-298 (2009).
3. Y. Nakano, M. Fujiki, Circularly Polarized Light Enhancement by Helical Polysilane Aggregates Suspension in Organic Optofluids, Macromolecules, 44, 7511−7519 (2011).
4. K. Okano, M. Taguchi, M. Fujiki, T. Yamashita, Circularly Polarized Luminescence of Rhodamine B in a Supramolecular Chiral Medium Formed by a Vortex Flow, Angew. Chem. Int. Ed. 50, 12474-12477 (2011). (Press Release).
5. W. Zhang, K. Yoshida, M. Fujiki, X. Zhu, Unpolarized-Light-Driven Amplified Chiroptical Modulation Between Chiral Aggregation and Achiral Disaggregation of an Azobenzene-alt-Fluorene Copolymer in Limonene, Macromolecules, 44, 5105-5111 (2011).
6. Y. Nakano, F. Ichiyanagi, M. Naito, Y. Yang, M. Fujiki, Chiroptical generation and inversion during the mirror-symmetry-breaking aggregation of dialkylpolysilanes due to limonene chirality, Chemical Communications, DOI: 10.1039/C2CC17845A) (2012). (Press Release).
7. Takafumi Kinuta, Nobuo Tajima, Michiya Fujiki, Mitsuo Miyazawa, and Yoshitane Imai
Control of Circularly Polarized Photoluminescent Property via Dihedral Angle of Binaphthyl Derivatives
Tetrahedron (Elsevier) (2012/03/31, accepted)

終了:藤木道也(代表)課題番号21655041:円偏光レーザービームの旋回光圧によるらせん高分子の創成(挑戦的萌芽研究)

研究期間: 2009.4-20011.3

円偏光を用いた不斉光源によるらせん高分子の絶対不斉合成に挑戦する。集光した円偏光が放つ旋回光放射圧によりらせん高分子を発生・トラップさせ、微結晶成長反応とレーザーアニールによる円偏光発光高分子の創成に挑戦する。ファントフォッフによれば、二重井戸構造にある左右らせん構造間の自由エネルギー差はない。しかしながら小さな障壁(2-3kcal/mol)を持つ場合トンネル過程により左右らせん構造が時間とともに揺動する(フントのパラドックス(1927年)と呼ばれる)。円偏光フォトンの持つ運動量によりらせん構造の左右性を制御し、微少な会合体の形成に伴いホモキラル結晶が成長することが予想する。本研究は、質量ゼロのフォトンの持つ運動量とコヒーレンス性によって左右らせん高分子を創成するという世界初の実験である。またフントのパラドックスである左右らせん構造の量子力学的揺動現象を世界に先駆けて観測できる。もし円偏光誘起によって、らせん高分子が創成できれば、光学活性高分子の新しい創成法を提示できる。
(参考)
1. Y. Nakano, Y. Liu, M. Fujiki, Ambidextrous Circular Dichroism and Circularly Polarised Luminescence from Poly(9,9-di-n-decylfluorene) by Terpene Chirality Transfer, Polymer Chemistry, 1, 460–469 (2010).
2. Y. Kawagoe, M. Fujiki, Y. Nakano, Limonene Magic: Noncovalent Molecular Chirality Transfer Leading to Ambidextrous Circularly Polarized Luminescent π-Conjugated Polymers, New Journal of Chemistry, 34, 637-647 (2010).
3. Wei Zhang, Michiya Fujiki, Xiulin Zhu, Chiroptical Nanofibers Generated From Achiral Metallophthalocyanines Induced by Diamine Homochirality, Chemistry - A European Journal (DOI: 10.1002/chem.201100208).
4. Wei Zhang, Kana Yoshida, Michiya Fujiki, Xiulin Zhu
Unpolarized-Light-Driven Amplified Chiroptical Modulation Between Chiral Aggregation and Achiral
Disaggregation of an Azobenzene-alt-Fluorene Copolymer in Limonene, Macromolecules, 44, 5105-5111 (2011).

終了:藤木道也(代表)課題番号16655046:分子パリティ保存・非保存に関する検証実験(萌芽研究)

研究期間: 2003.4-2006.3

1.弱い核力は自然界を支配する基本的な4つの力の一つであり、素粒子、原子を左右非対称(パリティ非保存)にする。近年、分子についてもパリティ非保存性の理論が報告されているが、理論的にキラル分子間のエネルギー差は10^<-15>J/molと極めて小さく、これまで観測に成功していない。本研究では、不斉基を含まないポリシランを用い、重元素効果による増幅効果、溶媒蒸発過程での非平衡開放系などの相乗効果による分子パリティ非保存性の増幅検出を試みた。
2.旋光度と純度が等しい(S)-または(R)-リモネンにポリシランを0.5%(wt/wt)の濃度で溶解させ、その溶液を石英基板上、23-25℃で自然蒸発させた。(S)-体、(R)-体について交互に10回ずつ実験を行った。キャスト膜を回転させCD符号の逆転がないことを確認した。
3.リモネンのキラリティに誘起され、ポリシラン主鎖に左右どちらか一方向に偏ったらせん構造が膜中に発生した結果、主鎖由来の励起子CD信号が290nmと310nm付近に観測された。しかしながら実験ごとにその符号と強度が大きく変動した。非対称因子g値(=Δε/ε)に換算し平均を取ると、(s)-体からのg値は(R)-体のそれより約2倍大きく現れた。分子パリティ非保存性検出の再現性をさらに追求していく。

(参考)
1. 藤木道也, "らせんσ共役ポリシラン-見えぬ世界の微弱な相互作用を捉える、増幅する、転写する" 高分子, 53, 938-941 (2004).
2. 藤木道也, "らせんが語りかける世界 : 自然界の左右非対称性を解き明かす糸口となるか?" 現代化学, 17-23 (2006.6).

終了:藤木道也(代表)課題番号16205017:ナノサークル・ナノロッド共役分子の設計・創成と新奇物性・機能創出(基盤研究A)

研究期間: 2004.4-2008.3

新奇な光・電子・磁気デバイス構造を視野に入れて、(1)ナノサークル・ナノロッド構造形成の要因解明、(2)所定の固体基板上に配列固定化手法の確立、(3)構造、光・電子物性、機能の相関解明と分子設計手法の確立を目的とした。検討対象として、ポリシラン、ポリフルオレン、フタロシアニンとした。
(1)フッ化アルキルらせんポリシランから、CF/Si相互作用によって、マイカ基板上に直径300-500nm 高さ2nm程度の巨大な環状・らせん構造の形成を確認し、サークル構造形成性と分子量の関係を明らかにした。フッ化アルキル側鎖基を持たないらせんポリシランからも、マイカ基板上に直径300-500nm 高さ2nm程度の巨大な環状構造の形成を確認した。分子量のみでロッド構造とサークル構造の創り分けができた。
(2) 長鎖n-アルキル側鎖ポリフルオレン希薄溶液から、マイカ基板上に直径300-500nm 高さ2nm程度の巨大なサークル構造の形成を確認した。展開溶媒中の水分量と分子量・側鎖基長・ポリマー濃度で決定されることを明らかにした。マイカ基板に担持したポリフルオレンサークル構造とスピンコート薄膜の光物性測定(77K)から、サークル構造は急峻な発光特性を与えることを見出した。
(3)アルキルアミド基4置換体のCuフタロシアニン希薄溶液をマイカ基板上にキャストすることにより、直径100nm 高さ2nm、幅40nm程度の超分子環構造ならびにエンタングルしたナノロッド構造を自発形成した。
(4)OH基を2個有する可溶性ケイ素フタロシアニン(ttbPcSi(OH)2)が金基板上で自発的に縮重合し、基板表面に対して垂直配向したナノロッド状1次元フタロシアニンを与えることをAFM,UV-vis,IR,QCM測定より明らかにした。H-会合による著しいpai-pai*吸収スペクトルの顕著なブルーシフト化を観測した。 

(参考)
1.藤木道也: "機能性ポリシランを用いた分子ワイヤ“ 進化する半導体"  NTS出版 (2006)
2. Liu Y., Murao, T., Nakano, Y., Naito, M., Fujiki, M. Polyfluorene nano-rings and nano-dots on mica surfaces: evaporation-induced polymer self-assembly and photoluminescence properties of the assemblies, Soft Matter, 4, 2396-240 (2008).

終了:藤木道也・野村琴広(代表)JSPS整理番号 HT20104 平成20年度ひらめき★ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ

開催報告LinkIconLinkIconプログラム概要

文部科学省:特定領域研究

終了:藤木道也(代表)課題番号17067012:弱い相互作用による超構造の設計と超機能化(特定領域446: 代表 赤木和夫)

研究期間: 2005.4-2009.3

1.研究目的
シグマ共役高分子・パイ共役高分子の超階層構造化と革新機能化へ向け、(1)階層的高分子場による弱い相互作用の検出・増幅・固定、(2)特異なトポロジー構造制御と物性・機能相関解明、(3)弱い相互作用によって構築されたポリシランから発光性シリコンセラミック変換の可能性を明らかにする。

2. 研究経過
2-1. 非古典的な弱い相互作用をシグマ共役・パイ共役高分子材料システム構築の設計概念に予めプログラムすると、高分子、金属、セラミクスそれぞれ単独では実現が困難であった、分子情報→分子情報変換(発生、転写、増幅、記録、反転、消去)、分子情報→電磁場変換(分子→光・電子・熱)、ケイ素高分子→セラミックス物質変換の可能性を示してきた。
2-1.CH/π相互作用による発光性高分子複合体の設計と発光イメージング薄膜・ファイバー化強誘電性非発光性高分子/蛍光分子、発光性高分子/蛍光分子、発光性高分子/発光性高分子などの複合膜を作製し、誘電率の温度変化と発光スペクトル挙動・発光分子構造・配向構造相関を解明し、感熱性多色発光機能薄膜、蛍光イメージング薄膜・多孔質電界紡糸ファイバーへと発展させた。
2-3. 弱いCH/Si間相互作用による発光性シリコン超階層構造体として、可溶性2次元有機ケイ素高分子(ポリシリン)のCH/Si相互作用とSi-C結合の熱解裂反応の精密制御により2〜3次元的階層構造を持つ可視-近赤外域で発光する新規シリコン材料創成に成功した。

このように、弱いCH/π,CH/Si,CH/FC相互作用をキー概念として材料設計した発光性高分子複合体が、高精細発光イメージング、感熱発光機能を有することを明らかにした。これらの成果はACSのHeartCutとしての研究ハイライト、Macromol.Rapid Commun.の表紙に掲載されるなどの対外的評価を得た。ケイ素骨格からなる種々の2次元、2.5次元構造の可溶性有機ケイ素高分子ならびに発光性シリコン超階層構造体の構築に成功した。

参考:
藤木道也: "環状構造を持つ発光高分子ー常温・常圧で作製(奈良先端大が新手法開発)日刊工業新聞 2008年9月29日(月)(25面)

科学技術振興機構

終了:藤木道也 (代表) CREST: らせん協調ハイパー高分子の創成と構造・物性・機能の相関

研究期間 : 1998.12-2003.11
研究領域:分子複合系の構築と機能
研究統括 : 櫻井英樹(東北大学名誉教授)
研究概要:
 私たちは、らせん性シグマ共役高分子=光学活性ポリシランが右巻⇔左巻らせん 転移(らせん反転と略)を示すことを見いだしました。この発見をもとに高速・可 逆のらせん素子としての基本特性の把握やらせん反転を示す他のらせん状高分子 (ポリチオフェン,ポリイソシアネート,シゾフィランなどの多糖類)や低分子系 の探索と新機能デバイスの可能性を探ることを研究の目的としています。ここで外 場として、物理場(熱,電位)と化学場(水,液晶,種々の有機溶媒)、単結晶界面 などを用いています。これらの研究を遂行するため、大阪大学、立命館大学、熊本 、九州工業大学、東京工業大学を中心とする研究者たちと情報交換しながら協 同研究を進めました。さらに国内の他大学(例えば,東海大学)や米国のポリテクニック大学との連携を深めながら研究の展開を行いました。 らせん反転を示すジアルキルポリシランの創製と反転物性制御、分子動力学的な理解、熱や良溶媒・貧溶媒組成で光学活性をスイッチしたり、メモ リーできるアルキルアリルポリシランの創製とスイッチ・メモリー物性制御、分子構造に関する考察、熱やキラル置換基の数や導入率でらせん反転を示すジアリルポリシランの創製と反転物性制御、􏰀高速で熱履歴のない可視・近赤外用光学フィルターとして有望な、らせんジアルキルポリシランを用いた熱誘起コレステリック液晶の発見、キラルアルキル置換ポリチオフェンとアキラルアルキル置換ポリチオフェンの混合比のみで光学活性の反転を示すポリチオフェン複合体の創製と反転物性制御、2種類の光学活性らせんポリシラン(剛直性と半屈曲性)の持続長の決定ならびに紫外吸収・円二色信号の分子量依存性の測定、半屈曲性セルローストリス(フェニルカルバメート)の分子特性解析、稀薄溶液から準濃厚溶液中における半屈曲性ポリヘリシルイソシアネート鎖の絡み合いに関する分子特性解析、電位印加によるAu単結晶上でのα-デキストリン分子の一次元・二次元自己組織化、電位印加によるAu単結晶上でのフラーレン分子の二次元配列化、などに関しまして大きな進展が見られました。今後、稀薄溶液中でのらせん(光学活性)反転の精密制御、実用を視野 に入れたと固体薄膜やゲル分散でのらせん(光学活性)反転制御、基本物理量であるらせん性高分子の特性解析、固体基板上での分子配向・配列・結晶性の制御などに関しまして、さらなる成果が期待されます。

終了:藤木道也 (分担) CREST: 半導体ナノ高分子と電極接合に関する革新技術開発

研究期間: 2003.12-2007.11
戦略領域:高度情報処理・通信の実現に向けたナノ構造体材料の制御と利用
研究統括:福山秀敏東京大学名誉教授(現、東京理科大学・教授)
研究題目:精密分子設計に基づくナノ電子デバイス構築
研究代表:田中一義(京都大学)     

研究概要
金属や電子構造を考慮した半導体高分子の分子設計と創成、接合手法の開拓により、単分子電子デバイスを構築することを目的とする。そのため、(1) 剛直棒状ケイ素高分子、パイ共役高分子の精緻設計・構造制御と創製・高純度精製、(2) 微細加工装置ならび表面加工技術を駆使した半導体高分子・電極間の電極接合に関する要素技術研究を行う。

財  団

終了:藤木道也 (代表) : 積水化学 H21年度 自然に学ぶものづくり研究助成プログラム

助成期間: 2009.10 - 2011.9
助成団体:(株)積水インテグレーテッドリサーチ
研究題目:生命ホモキラリティーの起源に学ぶ、環境・エネルギー・資源に配慮した非古典的手法による円偏光発光性らせん高分子の設計と構築 

研究概要
 自然界を支配する対称性として電荷(C:物質と反物質)、パリティ(P:右と左)、時間(T:過去と未来)が知られ、2008年度ノーベル物理学賞は、南部博士の「素粒子における自発的対称性の破れ」、小林・益川両博士の「CP対称性の破れの起源」という二つの対称性の破れに関する理論に対して与えられた。一方化学の世界では、パスツールの時代より不斉分子の左右対称性の破れについて長年議論されてきた。1956-7年Lee, Yang, Wu, Ledermanらは物質を支配する四つの基本力(重力、電磁力、強い核力、弱い核力)のうち弱い核力が素粒子を左右非対称にすることを理論・実験より明らかにした。弱い核力はすべての原子・分子・高分子に存在しそれらの左右を区別するとされてきた。本研究では、生命ホモキラリティーの起源に学ぶ、環境・エネルギー・資源に配慮した非古典的手法による円偏光発光性らせん高分子の設計と構築を目指していく。 LinkIcon積水化学工業へGO
(参考)
1. Fujiki, M. Mirror Symmetry Breaking in Helical Polysilanes: Preference between Left and Right of Chemical and Physical Origin, Symmetry, 2, 1625-1652 (2010).
2. Nakano, Y., Liu, Y., Fujiki, M. Ambidextrous Circular Dichroism and Circularly Polarised Luminescence from Poly(9,9-di-n-decylfluorene) by Terpene Chirality Transfer, Polymer Chemistry, 1, 460–469 (2010).
3. Kawagoe, Y., Fujiki, M., Nakano, Y. Limonene Magic: Noncovalent Molecular Chirality Transfer Leading to Ambidextrous Circularly Polarized Luminescent π-Conjugated Polymers, New Journal of Chemistry, 34, 637-647 (2010).
4. Wei Zhang, Kana Yoshida, Michiya Fujiki, Xiulin Zhu, Unpolarized-Light-Driven Amplified Chiroptical Modulation Between Chiral Aggregation and Achiral Disaggregation of an Azobenzene-alt-Fluorene Copolymer in Limonene, Macromolecules, 44, 5105-5111 (2011).
5. Yoko Nakano and Michiya Fujiki, Circularly Polarized Light Enhancement by Helical Polysilane Aggregates Suspension in Organic Optofluids, Macromolecules, in press (2011).

終了:藤木道也 (代表) : 第31回(財)日本板硝子材料工学助成会

助成期間: 2009.4-2010.3
助成団体:(財)日本板硝子材料工学助成会
研究題目:可溶性ケイ素高分子の真空熱分解による多結晶シリコンの低温形成とRGB発光体への応用 

研究概要
 結晶シリコン(c-Si)は電子デバイス材料の主流である.しかしながら間接遷移バンド構造 (Eg=1.1eV)のため非発光性であり,可視発光材料としては適さない.現在GaNを用いた青色LEDが実現したがGaは高価で希少な元素である.希少元素や有害元素を使うことなく,地殻中に豊富に存在するシリコン(と酸素・微量のドーパント)だけで通信用石英系光ファイバーから電子機能・発光機能シリコンデバイスまでを実現できれば,産業上重要な基幹技術になりうる. 可視発光シリコン研究が隆盛になったのは, Canhamの室温可視発光性ポーラスシリコン(por-Si)の報告(APL 1990, Nature 1991, JAP 1997)であり5500回ほど引用される画期的な成果となった.しかしながらpor-Siは酸素・水分に対する安定性に欠け,デバイスには不向きであるため, 現在ナノクリスタルシリコン(nc-Si)に注目が集っている.そのような背景の中,ポリシリンと呼ばれるケイ素骨格ネットワーク状高分子の合成と可視発光特性が1990年頃から2005年まで数件報告されてきた.ポリシリンは,有機トリクロロシランのナトリウム重縮合法により収率約50%で得られ,可溶性高分子である. 原料の有機トリクロロシランは,自然発火性や爆発性がなく,大気中で取扱いができる液状物質である.当研究Gでは約20年間有機ケイ素高分子の合成に有機ジクロロシランのナトリウム重縮合法を採用してきた.有機ケイ素系高分子はセラミクスの前駆体として注目され,鎖状ケイ素系高分子のポリジメチルシランやポリカルボシランは400-900℃でβ-炭化ケイ素(β-SiC)に物質変換できることが1975-2000年に確立し,上市化されている.
 本研究では,可溶性ポリシリン誘導体の真空加熱分解(藤木が考案し,その有効性を当研究Gの学生らが実証)により, 危険なシランガスを使用することなく,(1)安全・低環境負荷プロセスによる結晶シリコン(薄膜・ナノ微粒子)の低温形成,(2)可視・近赤外発光性シリコン系セラミクスの設計に関する要素技術を確立することにある.そこで,
1. 熱分解開始温度の低温化
2. 大気暴露に対し長期安定性(1ヶ月以上)の付与
3. 発光波長(400-700nm(可視)と1300-1550nm(光通信))の制御
を到達目標に掲げた.

(参考)
1. Fujiki, M., Kawamoto, Y., Kato, M., Fujimoto, Y., Saito, T., Hososhima, S., Kwak, G.
Full-Visible-Spectrum Emitters from Pyrolysis of Soluble Si-Si Bonded Network Polymers,
Chemistry of Materials, 21, 2459 (2009):
2. Fukao, S., Fujiki, M.
Circularly Polarized Luminescence and Circular Dichroism from Si–Si-Bonded Network Polymers
Macromolecules, 42, 8062–8067 (2009).
3. Fujiki, M., Kato, M., Kawamoto, K., Kwak, G.
Red and Green Photoluminescence from Ge–Ge and Si–Si Bonded Networks: A Comparative Study of Soluble Model Polymers as Multilayered Inorganic Ge- and Si-sheet Precursors
(to be submitted)
4. Fujiki, M., Fujimoto, Y., Saito, T., Kato, M., Kawabe, T., Saxena, A., Kwak, G.
Blue Photoluminescence from Fluoroalkylated Si-Si Bonded Network Polymers: Long-term Water- and Oxidation-proof Abilities
(in preparation).
5. ヘテロ元素の特性を活かした新機能材料(監修:中條善樹:シーエムシー出版):藤木道也(分担執筆):第10章ポリシリン (2010年8月発刊)(ISBN978-4-7813-0263-8)
6. 藤木道也, 高分子, 2009年11月号, 805–808.
7. 藤木道也, ケイ素化学協会誌, 2009年, 26巻, 13–16.
8. 藤木道也, 第19回ポリマー材料フォーラム(高分子学会, 名古屋国際会議場, 2010年12月2-3日).

終了:藤木道也 (代表) : H21年度NAIST支援財団

助成期間: 2009.4-2010.3
助成団体:NAIST支援財団
研究題目:自発的対称性の破れによる円偏光発光性らせん高分子の創成 

研究概要
 自然界を支配する対称性として電荷(C:物質と反物質)、パリティ(P:右と左)、時間(T:過去と未来)が知られ、2008年度ノーベル物理学賞は、南部博士の「素粒子における自発的対称性の破れ」、小林・益川両博士の「CP対称性の破れの起源」という二つの対称性の破れに関する理論に対して与えられた。一方化学の世界では、パスツールの時代より不斉分子の左右対称性について長年議論されてきた。1956-7年Lee, Yang, Wu, Ledermanらは物質を支配する四つの基本力(重力、電磁力、強い核力、弱い核力)のうち弱い核力が素粒子を左右非対称にすることを理論・実験より明らかにした。さらに弱い核力はすべての原子・分子・高分子に存在しそれらの左右を区別するとされてきた。本研究では、
(1)Z0ボソン由来の電子−中性子間に作用するパリティ非保存性「弱中性電流」に基づく左右の微弱な偏りを共役高分子により10−20桁程度増幅検出すること
(2)らせんの発生・増幅・反転機構を明らかにすること
(3)化学的不斉源なしに円偏光発光性高分子を設計・創成すること
を到達目標に掲げた。
 その知見を、素粒子、原子、分子、高分子、生命へと続く物質の階層構造性の普遍的原理の理解ならびに光機能高分子の高効率設計や環境に優しい物質創成に繋げていく。

(参考)
1. Fujiki, M. Mirror Symmetry Breaking in Helical Polysilanes: Preference between Left and Right by Chemical and Physical Origin, Symmetry, 2, 1625 (2010)
2. Fujiki, M. Mirror Symmetry Breaking of Silicon Polymers – From Weak Bosons to Artificial Helix., Chem. Rec., 9, 271 (2009)
3. Nakano, Y., Liu, Y., Fujiki, M. Ambidextrous Circular Dichroism and Circularly Polarised Luminescence from Poly(9,9-di-n-decylfluorene) by Terpene Chirality Transfer.
Polym. Chem., 1, 460 (2010).
4. Kawagoe, Y., Fujiki, M., Nakano, Y. Limonene Magic: Noncovalent Molecular Chirality Transfer Leading to Ambidextrous Circularly Polarised Luminescent π-Conjugated Polymers. New J. Chem., 34, 637 (2010).
5. 藤木道也, 鏡像対称性の破れと物質の階層構造性 −次代の機能物質科学に向けて,
シーエンス、Vol. 9 (NAIST支援財団)(2010, 印刷中)