Research Topics

円偏光源を用いた不斉化学の定説•常識を覆す: Biotによる水晶や天然の有機分子の光学活性の発見から約200年の時を経て...

Toroid_1.jpgLaibing Wang, Yin Lu, Wei Zhang, Xiulin Zhu, Michiya Fujiki
Circularly Polarized Light with Sense and Wavelengths to Regulate Azobenzene Supramolecular Chirality
in Optofluidic Medium

It was a long journey since the time of Arago (1811), Biot (1812), Herschel (1820), Pasteur (1847), LeBel (1874), van’t Hoff (1896), Cotton (1895), Kuhn (1929), Calvin (1972), Kagan (1974), Inoue (1996), and Feringa (1996).

円偏光源の左右性のみならず円偏光源の照射波長も不斉生成物の左右性を決定する重要な要因であることをトランス-アゾベンゼン超分子集合体で証明しました。アゾベンゼンのトランス-シス異性化反応によるのではなく、トランス構造を保持したまま、円偏光による左右によじれたスリップスタック構造の相転移現象を利用しています。1811年Aragoが旋光計を発明し、水晶の旋光性を見出しました。続く1812-1815年 Biotは、右旋性と左旋性水晶を、天然有機物の光学活性を発見しました。
Journal of the American Chemical Society (ACS), 139, 13218-13226 (2017).LinkIconLINK TO

光化学の常識に挑戦する: Kasha則の破れ

Torus-Knot+2.jpgKasha則は、1950年Michal Kasha(発表当時は米国原子エネルギー省フェロー、後にフロリダ州立大学教授、El Sayed則(n-pi*軌道とpi-pi*軌道の項間系差は起こりやすい)を発表したMostafa El-Sayed(ジョージア工科大学教授)はKashaの弟子である)が発光過程の指導原理として提唱し、半世紀以上も光物理化学の教科書に記述されてきた理論です。本研究では、発光する不斉な高分子集合体やある種の不斉分子には適用できないことを不斉分光の実験と理論計算とから明らかにしたものです。半世紀以上にもわたる教科書や定説を覆したエポックメイキングな研究成果です。
Sang Thi Duong and Michiya Fujiki
The origin of bisignate circularly polarized luminescence (CPL) spectra from chiral polymer aggregates and molecular camphor: anti-Kasha’s rule revealed by CPL excitation (CPLE) spectra
Polymer Chemistry (RSC), 8, 4673−4679 (2017) LinkIconLINK TOLinkIconCoverPage

偏光を用いた光学活性な低分子・高分子・コロイド・微小構造体の創成と制御

goldenearth_2.png光子は電磁力を媒介する質量ゼロの素粒子ですが、直線運動量、角運動量、軌道角運動量を有しています。これらの運動量は物質とキャッチ ボールしながら相互作用し、伝搬していきます。一般に角運動量は円偏光、軌道角運動量は光渦(らせん光)と呼ばれています。本総説は、光子を含む素粒子の角運動量が物質と相互作用した結果、不斉な低分子•高分子 •コロイド粒子の発生、不斉分解、光学分割に関する研究を19 世紀後半に遡って概説しています。また光渦を光源とする不斉な微小構造の造形や不斉構造の計測、さらに生命不斉の起源と関連して、スピン偏極電子やニュートリノによる不斉分子の分解や発生、不斉チェレンコフ放射、超新星爆発直後のガンマ線バースト由来の円偏光放射現象、天の川銀河中心付近の分子雲に存在する不斉分子の検出などを紹介しています。

藤木道也:"偏光と物質のコラボレーション:不斉性を有する低分子・高分子・コロイド・微小構造体の創成と制御"
高分子論文集(高分子学会74, 114−133 (2017)LinkIconLINK TO

プレスリリース: 生命の起源説をヒントにして、らせん構造の転写実験に成功 ~左右不斉の分子が生命現象を担った謎の解明へ、紫外光を使った情報記録、半導体高分子の微細回路化へ道~LinkIconLinkLinkIconLink(月刊オプトロニクス)

ClownFish.jpg高分子創成科学研究室の藤木道也教授とノル・アズラ・アブダル・ラヒム女史(博士課程3年)は、常温常圧、無触媒で、らせん構造を非らせん化合物への転写実験に成功しました。らせん構造を持つ人工高分子(ポリシラン)を光分解性の不斉足場にして、らせん構造を持たない有機高分子(ポリフルオレン)と混合するだけで、2:1の平均組成を持つ超分子を形成し、ポリフルオレン分子がらせん構造に変わり、円偏光を吸収して青色の円偏光を発するという特徴を示しました。さらに、足場のポリシランを紫外光で分解しても、らせんポリフルオレンをそのまま保持していました。太古の地球で、左右どちらかの光学的な構造を持つアミノ酸などの不斉分子が生命現象を担うようになったという分子不斉による生命起源説にヒントを得た実験でした。一方、応用面では、今回のポリフルオレンなど「パイ共役高分子」といわれる半導体高分子とポリシランを混合するだけで、パイ共役高分子-ポリシラン複合材料が常温常圧、無触媒、わずか数秒で得られるため、今最も注目されている円偏光発光材料の製造プロセスやコストが大幅に削減できます。さらに紫外光で書込、紫外可視光で読込可能な情報記録媒体や、光リソグラフィーによる半導体高分子の微細パターンの直接形成が可能になります。本成果は、高分子科学のトップジャーナルの一つ、Polymer Chemistry(英国王立化学会, IF 5.7)にWeb版(2016年6月24日)として掲載され、同誌の研究ハイライトとして表紙(裏)に選出されました。日経産業新聞平成28年7月7日朝刊8面に掲載されました。
Nor Azura Abdul Rahim and Michiya Fujiki
Aggregation-induced scaffolding: photoscissable helical polysilane generates circularly polarized luminescent polyfluorene
Polymer Chemistry (RSC), 7, 4618−4629 (2016)LinkIconLink

理論から60年:発光性パイ共役高分子と球状シリカを用いて高分子の液相物理吸着現象の全体像が明らかに

DSCN2561.JPG高分子物理吸着研究は、1953年Frish, Simha, Eirichが表面近傍でランダムコイル構造の形態が変化するとの理論予測が契機となっています。高分子科学の教科書にも記載されていますが、分子論的観点による検証実験は極めて困難でした。1990年代になり、二つの球体間には長距離の引力的van der Waals(vdW)相互作用が働くとの理論が提示され、検証実験に注目が集まっています。この理論によれば、μmサイズの剛体球や鎖状高分子間の引力はr^–2の距離依存性を有します。vdW力は自然界に普遍的に存在する力であり、静電相互作用や重力と同じ距離依存性を持ちます。従って剛体球-剛体球間相互作用や剛体球-高分子間相互作用において重要な駆動力となると予想されます。本研究では、無電荷のポリ(di-n-オクチルフルオレン)(発光性パイ共役高分子)を用いて、球状シリカ表面におけるvdW吸着挙動を明らかにしました。この成果は、高分子-金属酸化物複合材料を液相吸着法で簡便作製するグリーンプロセスに発展できます。
Ayako Nakao and Michiya Fujiki
Visualizing Spontaneous Physisorption of Non-charged π-Conjugated Polymers onto Neutral Surfaces of Spherical Silica in Nonpolar Solvents
Polymer Journal (NPG), 47, 434-442 (2015).LinkIconLink

時空間キラリティーの光制御:分子の不斉情報を暗号化し、光検出により瞬時に暗号解読: Chemical Communications (RSC) (IF 6.7) に掲載

DSCN0868.jpg第2次世界大戦中、秘匿すべき軍事情報の音声アナログ信号の暗号化のために、パルスコード変調(PCM)によるデジタル情報通信方式(一般にグリーン・ホーネットとして呼ばれています)が米国電話電信会社(AT&T) Bell研究所で開発されました。それ以降情報通信の世界では、有線・無線を問わず、盗聴されやすいアナログ信号伝送から盗聴されにくいデジタル信号伝送へと発展し、情報の暗号処理と解読、そして種々の伝送方式が提案されてきました。1984年、Charles H. Bennett (IBM)とGiles Brassard (Université de Montréal)によって、二人の名前と提案した1984年をもじってLinkIconBB84と呼ばれる強力な量子暗号(AliceとBob)方式が提案され、小職の元勤務先のNTT でも活発に研究されていました。ごく最近、量子暗号を用いた高速・大容量・長距離コヒーレント光通信 (40 Gbit/sec, 480 Km)に成功したことは記憶に新しいと思います(2014年9月, 東北大学 電気通信研究所 で元NTTの中沢正隆教授ら)。これらの成果をもとに、情報とエントロピーの関係を考察し、時間反転対称性の破れ、時間の矢、非平衡開放系熱力学、フランク=コンドンの原理を考慮した量子暗号分子をあたらしく設計・合成し、光検出による暗号解読法を提案しました。
Pyrene Magic: Chiroptical Enciphering and Deciphering 1,3-Dioxolane Bearing Two Wirepullings to Drive Two Remote Pyrenes
Tomoyuki Amako, Kazuki Nakabayashi, Nozomu Suzuki, Sibo Guo, Nor Azura Abdul Rahim, Takunori Harada, Michiya Fujiki and Yoshitane Imai
Chemical Communications (RSC) 51, 8237−8240 (2015). LinkIconLink表紙を飾りました。LinkIconCoverPage

立体化学の常識に挑む: 回転する光の励起波長制御により円偏光発光性高分子の左右を逆転 ... Polymer Chemistry (RSC) (IF 5.3) に掲載

weakbosons.jpg19世紀後半、フランスのヨゼフ・ル・ベル(1874年)とオランダのヤコブス・ファント・ホッフ(1894年/1897年)は、化学物質を使わずに物理力の一つである円偏光という特殊光源(右回転と左回転がある)だけで光学異性体の左右を作り分ける手法を提案しました。今では絶対不斉合成と呼ばれています。1929年、ドイツのヴェルナー・クーンが左右どちらかの物質を選択に分解する最初の絶対不斉光分解実験に成功しました。それ以来多くの研究者たちは単一波長の円偏光源を用いた絶対不斉合成に挑んできました。いずれの研究も、円偏光源の回転方向の左右を変えて光学異性体分子やらせん高分子の左右構造を制御していました。歴史的に言えば化学的な不斉合成法が最初に報告されたのは、物理的な円偏光源による絶対不斉合成の概念の提案よりもずっと後の時代です。1894年ドイツのエミール・フィッシャーが(生物学的な発酵によらずに)化学的方法によって光学異性体ができる可能性を最初に論じたのが始まりです。1899年ドイツのマルクヴァルドとマッケンジーが鏡像異性体を動力学的に分割する速度論的光学分割という概念を提示し、つづく1904年マルクヴァルドがメチルエチルマロン酸のモノブルシン塩を脱炭酸したのちにブルシンを除去して光学活性(–)-α-メチル酪酸分子(収率10% ee)の合成に成功し、化学的な不斉合成と速度論的光学分割という二つの概念を証明しました。フィッシャー/マルクヴァルドの研究が、今日の化学的不斉合成法の基礎となっています。
 今回私たちは、らせん高分子の左右の作り分けは円偏光源の波長(エネルギー)で決定され、円偏光源の回転方向だけでは決められないことを発見しました。右回転する可視光照射からは右らせん高分子、右回転する紫外光照射からは左らせん高分子ができ、一方、左回転する可視光からは左らせん高分子、左回転する紫外光からは右らせん高分子ができました。らせん高分子のZINDO計算により、主鎖軸方向とそれと直交する方向では円偏光吸収の符号が逆であることに起因するためと提案しました。
Michiya Fujiki, Yuri Donguri, Yin Zhao, Ayako Nakao, Nozomu Suzuki, Kana Yoshida and Wei Zhang
Photon Magic: Chiroptical Polarisation, Depolarisation, Inversion, Retention and Switching of Non-photochromic Light-emitting Polymer in Optofluidic Medium. Polym. Chem., 6, 1627-1638 (2015) LinkIcon報道発表LinkIcon詳しくはこちら
毎日新聞(H27.3.4朝刊27面)、日刊工業新聞(H27.1.9朝刊25面)、日経産業新聞(H27.1.15朝刊10面)、化学工業日報(H27.1.20朝刊6面)、電子デバイス新聞(H27.1.22朝刊9面), LinkIconNanoTechJapanなどで取り上げられました。

 同様の円偏光の励起波長制御により生成物の左右性の反転現象は、2013年に私たちがアゾベンゼンを含むパイ共役高分子[1]で、2014年フランス/ドイツの研究グループがラセミ体のアラニン薄膜[2]で実験的に報告していましたが特殊な系でのみ発現する系と考え、一般性があるかどうか不明でした。
[1] M. Fujiki, K. Yoshida, N. Suzuki, J. Zhang, W. Zhang and X. Zhu, RSC Adv., 3, 5213 (2013).
[2] C. Meinert, S. V. Hoffmann, P. Cassam- Chenaï, A. C. Evans, C. Giri, L. Nahon and U. J. Meierhenrich, Angew. Chem., Int. Ed., 53, 210 (2014).
そしてごく最近、円偏光の励起波長によって生成物(ヘリセン分子)の軸不斉構造の反転合成例が報告されました。
[3] R.D. Richardson, M. G. J. Baud, C. E. Weston, H. S. Rzepa, K. Kuimova and M. J. Fuchter, Chem. Sci., 6, 3853 (2015). LinkIconCLICK HERE

Pacifichem2015 (Honolulu, Hawaii, USA, Dec 15-20, 2015), Technical Symposia

logo-pacifichem-2015.pngProf. Ben Zhong Tang(香港科学技術大学)LinkIconLinkProf. Bin Liu (シンガポール国立大学)LinkIconLink
とともにMacromolecular Session:
Aggregation Induced Emission: Materials and Applications (#444)を企画することになりました。2015年12月17日−20日の4日間です。世界中からAggregation Induced Emission(AIE)研究者たちが集うセッションです。成功裏に終了しました。Michiya. Ben, BinLinkIconLink

キラル化学ーその起源から最新のキラル材料研究までー(日本化学会編:化学同人) 2013-10 出版

iStock_000008777591XSmall.jpg藤木道也PartII,9章 らせん高分子と不斉の起源:キラル化学ーその起源から最新のキラル材料研究までー
日本化学会編 CSJカレントレビューシリーズ 第14巻、編集・監修: 八島栄次、門出健次、高田十志和、
化学同人2013年10月LinkIconLinkTo
1964年英国のヒッグス、ベルギーのエングラート、ブラウトら6人の理論物理学者らは、質量の起源はビッグバン直後に起こった鏡像対称性の破れによるとの仮説を提唱した。2012年、欧州合同原子核研究所(CERN)において質量を与えるヒッグス粒子(126 GeV)が検出された。一方パスツールは1860年宇宙に存在する何らかの不斉な力が生命不斉の起源であると言及した。1956年から1957年にかけてリー、ヤン、ウーらは、Co60核のβ崩壊過程において弱い核力による鏡像対称性の破れを理論と実験から証明した。さらに1980年代に原子が弱い核力により光学活性であることが理論と実験から証明された。分子や高分子でも鏡像対称性が破れているのだろうか?

鏡像対称性の破れ:テルペン分子キラリティー転写法による青色発光性光学活性高分子の発生

DSCN1464.JPGテルペン分子キラリティー転写法により、アキラルフルオレンビフェニル交互共重合体から青紫色の発光色を与える円偏光発光性高分子を無触媒で創成しました。
Michiya Fujiki, Yoshifumi Kawagoe, Yoko Nakano, Ayako Nakao,
Mirror-Symmetry-Breaking in Poly[(9,9-di-n-octylfluorenyl-2,7-diyl)-alt-biphenyl] (PF8P2) is Susceptible to Terpene Chirality, Achiral Solvents, and Mechanical Stirring
Molecules (MDPI), 18, 7035−7057 (2013)LinkIconFree DL

円偏光発光性超分子結晶の自然分晶 : 無触媒/ゼロ段階で不斉光機能物質を合成...Asian Journal of Organic Chemistryの表紙を飾る

bind_free125.jpgNaoya Taniguchi, Ryutaro Shimomaki, Tomoyuki Amako, Tomohiro Sato, Hayato Tokutome, Nobuo Tajima, Reiko Kuroda, Michiya Fujiki, and Yoshitane Imai
Preparation of a Spontaneously Resolved Chiral Fluorescent System Containing 4-(2-Arylethynyl)benzoic Acid
Asian Journal of Organic Chemistry (Wiley-VCH) 2, 681-687 (2013).
1848年パスツールが酒石酸ラセミ体から自然にD/L結晶に分かれる現象(自然分晶)を発見して今年で165年。フェネチルアミンラセミ体とアキラルジフェニルアセチレン誘導体をメタノール中で混合し1週間静置すると、青紫発光(蛍光量子収率:29-58%)で円偏光発光特性を有する超分子結晶の自然分晶現象が見いだされました。結晶解析により、CH/pi相互作用による2/1helix構造形成が寄与しています。研究ハイライトとして、Asian J. Org. Chem.の表紙(2013年8月号)を飾りました。LinkIconLink To
Willey (ChemistryView)でNewsとして紹介されました。LinkIconLink To

らせん高分子(ジアルキルポリシラン)を用いた精密実験と数理モデルにより光学活性反転現象を解析 ... J. Am. Chem. Soc. (IF 10.7) に掲載

bind_77.jpgNozomu Suzuki, Michiya Fujiki, Ruth Kimpinde-Kalunga, Julian R. Koe
Chiroptical Inversion in Helical Si-Si Bond Polymer Aggregates
Journal of the American Chemical Society (ACS) (2013) DOI: 10.1021/ja405570q LinkIconLink To
らせん高分子(ジアルキルポリシラン)凝集体の光学活性が側鎖基長と溶媒により反転する現象が見いだされました。鈴木望くん(筆頭著者:執筆当時D1学生)が提案した二量体モデルと励起子分裂理論を組合せた独自の数理モデルにより反転現象を解析しました。

世界初:溶媒キラリティ転写重合による緑色発光性らせん共役高分子の発生 ... Macromol. Rapid Commun. (IF4.9) に掲載

bind_107.jpgHyojin Kim, Daehoon Lee, Seul Lee, Nozomu Suzuki, Michiya Fujiki, Chang-Lyoul Lee, Giseop Kwak
Optically Active Conjugated Polymer from Solvent Chirality Transfer Polymerization in Monoterpenes
Macromolecular Rapid Communications (Wiley-VCH) 34, 1471-1479 (2013). LinkIconLink To
植物由来の不斉分子:α-pinene(光学純度87%)を溶媒にし、アキラル触媒(W-Sn, Rh)を用いてジフェニルアセチレンを重合すると、光学活性なポリジフェニルアセチレンが自然に生成してくることが見いだされました。|g|=3×10^−3 (385 nm)にも達します。溶媒キラリティ転写重合:Solvent Chirality Transfer Polymerizationと命名されました。 Gaussian03 (TD-DFT, 6-31G基底)計算とコットンCDスペクトル実験との比較から、Cis-Cisoid型らせん構造の形成が示唆されました。

世界初: 希薄溶液におけるパイ共役高分子の分子内CH/pi相互作用: Polymer Journal (NPG) 2013年10月号の表紙を飾る

bind_free049.jpgMakoto Taguchi, Nozomu Suzuki, Michiya Fujiki
Intramolecular CH/π interaction of Poly(9,9-dialkylfluorene)s in Solutions: Interplay of the Fluorene Ring and Alkyl Side Chains Revealed by 2D 1H-1H NOESY NMR and 1D 1H NMR Experiments
Polymer Journal (NPG) (doi:10.1038/pj.2013.16).LinkIconLink To
1977年西尾らによって提唱された低分子のCH/pi相互作用(仮説)はその後の理論と実験(主として結晶解析)により、概念として確立されてきました[1,2]。これまでに約900を越える論文にCH/pi相互作用が引用されています。一方パイ共役高分子に関する研究はこれまでに約3300ほど報告されてきたものの、希薄溶液中における分子内CH/pi相互作用の存在を示す検証実験は知られていませんでした。X線構造解析が可能な低分子と違い、溶液中で種々のコンホメーション構造を取るパイ共役高分子には分子内CH/pi相互作用の存在が疑問視され、もし存在したとしても有効な実験手段は知られていませんでした。今回私たちはパイ共役高分子/単量体のデルとしてポリフルオレン/フルオレンを選択し、H-H NOESY NMR/H-NMRにおける環電流誘起効果[3]/Conflex7による回転配座探索と高精度なMP2計算(6-311G(d))などによる検討を行いました。その結果ポリフルオレン/フルオレンの分子内CH/pi相互作用の存在を強く示唆する結果が得られました。本知見によりポリフルオレンのみならず、高効率な円偏光発光特性を与える高分子や超分子の設計と合成にはずみがつくことが期待されます
1. Kodama, Y., Nishihata, K., Nishio, M., Nakagawa, N. Tetrahedron Lett. 24, 2105-2108 (1977).
2. Takahashi, O., Kohno, Y., Nishio, M. Chem. Rev. 110, 6049-6076 (2010).
3. Johnson, C. E., Jr., Bovey, F. A. J. Chem. Phys. 29, 1012-1014 (1958).
高分子の分子内/分子間CH/pi相互作用に関する最新情報を提供してくださいました西尾元宏博士(CHPI研究所)に深く感謝いたします。

世界初:非平衡開放系を用いた絶対不斉合成 − 光学不活性なμmサイズの高分子粒子円偏光照射により不斉の発生/消失/反転/保持自在制御

bind_free016.jpgMichiya Fujiki, Kana Yoshida, Nozomu Suzuki, Jian Zhang, Wei Zhang, Xiulin Zhu
Mirror Symmetry Breaking and Restoration within μm-Sized Polymer Particles in Optofluidic Media
by Pumping Circularly Polarised Light
RSC Advances (RSC) 3, 5213−5219 (2013).LinkIconLink To
本報告は、(i) 生命ホモキラリティーの起源としてW. A. Bonnerが提唱した円偏光光源説, (ii) A. Oparinが提唱したコアセルベート説、(iii) L. OnsagerやI. Prigogineの非平衡散逸理論、(iv) Optofluidics を概念的に融合させ、質量ゼロ、スピン量子数±h/2πの円偏光でポンピングすることにより、散逸構造として不斉の発生/消去/反転/保持(短期/長期)がAbioticに可能であることを実験室レベルで実証しました。

光学活性ビナフチル光科学の新展開:円偏光発光符号のスイッチングを実現 ...Chemistry an Asian Journal誌(Wiley-VCH)の表紙を飾る

bind_09.jpgTakaya Kimoto, Nobuo Tajima, Michiya Fujiki, Yoshitane Imai
Control of Circularly Polarized Luminescence by Using Open- and Closed-Type Binaphthyl Derivatives
with the Same Axial Chirality
Chemistry an Asian Journal (Wiley-VCH), 7, 2836-2841 (2012).
近畿大、物材機構との共同研究です。軸性キラリティーが同じでありながらビナフチル環の二面体角だけで円偏光発光符号を正負にスイッチでき、かつ高い蛍光量子収率を与えるビナフチル分子システムが見いだされました。Chemistry an Asian Journal (IF 4.5) の表紙を飾りました。LinkIconここをクリック

2次元ケイ素高分子科学の新展開:酸素や水に極めて安定な紫外&可視発光性のケイ素高分子半導体を実現 ... Polymer Chemistryの表紙に

P1010305.JPGAir-stable poly(3,3,3-trifluoropropylsilyne) homo- and copolymers
Michiya Fujiki, Yuji Fujimoto, Anubhav Saxena, Takuma Kawabe, Giseop Kwak
Polymer Chemistry (RSC), 3, 3256-3265(2012) (研究ハイライトとしてcoverに採用)
藤本雄土氏(2008.3修士、現在トクヤマ)、Anubhav Saxena博士(元CREST研究員、現在Momentive Materials India)、川部琢磨博士(2008.3学位、現在ダイキン工業)、郭ぎそぷ先生(韓国慶北大学助教授、当研究室元助手)ととともに行った研究成果です。市販の出発原料からわずか1段階かつ高収率で得ることができます。1992年NTT時代に蒔かれた種が20年をかけてようやく結実しつつあるところです。今後さらなる発展が期待できます。Polymer Chemistryは、英国王立化学協会が2010年に創刊した高分子科学の分野で最も影響力があるIF=5.3を誇る学術雑誌です。
(参考文献)
1. Fujino, M., Hisaki, T., Fujiki, M., Matsumoto, N. Macromolecules, 25, 1079–1083 (1992). (CF結合を有する鎖状ポリシランの合成を報告)
2. Fujino, M., Hisaki, T., Matsumoto, N., J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 33, 2279-2283 (1995). (CF側鎖ポリシランのブロック重合性を報告)
3. Fujino, M., Hisaki, T., Matsumoto, N., Macromolecules, 28, 5017–5021 (1995). (CF側鎖ポリシランの電場誘起クロミズムを報告)
4. Kim, S.-Y., Saxena, A., Kwak, G., Fujiki, M., Kawakami, Y. Chem. Commun., 538–539 (2004) (CF結合を有するらせんポリシランの合成を報告)
5. Saxena, A., Fujiki, M., Naito, M., Okoshi, K., Kwak, G. Macromolecules, 37, 5873–5879 (2004). (微弱なCF/Si相互作用と増幅効果を報告)
6. Saxena, A. K. Okoshi, K., Fujiki, M., Naito, M., Guo, G.-Q., Hagihara, T., Ishikawa, M., Macromolecules, 36, 367-370 (2004) (CF側鎖ポリシランの反応性Si-H基の一段階形成を報告)
7. Saxena, A., Fujiki, M., Rai, R., Kim, S.-Y., Kwak, G. Macromol. Rapid Commun., 25, 1771–1775 (2004).(超高感度フッ素イオンセンシングを報告)
8. 藤木道也、らせんσ共役高分子:見えぬ世界の微弱な相互作用を捉える、増幅する、転写する、高分子、53巻, 938-941 (2004). CF/Si相互作用の解説論文
9. Saxena, A., Fujiki, M., Rai, R., Kwak, G. Chem. Mater., 17, 2181–2185. (2005) (高感度芳香族ニトロ化合物センシング能を報告)
10. Fujiki, M., Saxena, A., J. Polym. Sci., Part A, Polym. Chem., 46, 4637–4650 (2008) (招待論文, 極微弱なCF/Si相互作用の発見に至った秘話を報告)
11. Fukao, S., Fujiki, M. Macromolecules, 42, 8062–8067 (2009) (光学活性ポリシリンの合成を報告)
12. Kawabe, T., Naito, M., Fujiki, M. Macromolecules, 41, 1952-1960 (2008). (CF結合を有するポリシランブロック共重合機構を報告)
13. Fujiki, M., Kawamoto, Y., Kato, M., Fujimoto,Y., Saito, T., Hososhima, S., Kwak, G. Chem. Mater., 21, 2459-2466 (2009). (熱分解による可視発光特性を報告)
14. Fujiki, M., Kato, M., Kawamoto, K., Kwak, G., Polym. Chem., 2, 914–922 (2011).(ポリゲルミンシリンの緑色-赤色の二重発光性を報告)

鏡像対称性の破れ:リモネン誘起による緑色発光性の光学活性(左右らせん)ポリジフェニルアセチレンの発生に成功

iStock_000007195660XSmall.pngリモネンキラリティー転写法は、アキラルジフェニルポリアセチレンから円偏光発光性の光学活性ジフェニルポリアセチレンの簡便な発生を可能にしました。
Daehoon Lee, Young-Jae Jin, Nozomu Suzuki, Michiya Fujiki, Toshikazu Sakaguchi, Seog Kim, Wang-Eun Lee, Giseop Kwak
Solvent-to-Polymer Chirality Transfer in Intramolecular Stack Structure
Macromolecules (ACS), 45, 5379-5386 (2012).

祝ポスター賞(M2αコース鈴木 望くん): IACIS2012 (Int'l Assoc. Colloid & Interface Sci.) (2012, May13-18, Sendai)

Helical Polysilane Aggregates: Novel Side-Chain Length and Solvent Dependent (Chir)optical Properties
Nozomu Suzuki, Michiya Fujiki and Julian R. Koe LinkIcon詳しくはこちら

鏡像対称性の破れ:リモネン誘起による巨大な光学活性かつ強発光性のπ共役高分子円偏光度3-5%、蛍光収率75-88%)の発生に成功

Michiya Fujiki, Abd Jalil Jalilah, Nozomu Suzuki, Makoto Taguchi, Wei Zhang, Mohamed Mehawed Abdellatif and Kotohiro Nomura
Chiral optofluidics: Gigantic circularly polarized light enhancement of all-trans-poly(9,9-di-n-octylfluorene-2,7-vinylene) during
mirror-symmetry-breaking aggregation by optically tuning fluidic media
RSC Advances (RSC), 2, 6663-6671 (2012).
iStock_000007195660XSmall.pngリモネンキラリティー転写法は、光学不活性高分子から無触媒常温常圧短時間(10秒)で光学活性高分子の発生を可能にする、環境・資源・コストにやさしい画期的なグリーンプロセスです。使用した溶媒は再利用が可能です。野村琴広教授(首都大学東京)らが最近開発に成功した青色発光性高分子(all-trans-polyfluorenevinylene)を用いて、リモネンキラリティー転写法が適用可能な光学不活性高分子構造と光学活性溶媒に対する指導原理を明らかにしたものです。(S)-リモネンからは3-4%の円偏光度(蛍光量子収率75%), (R)-リモネンからは4-5%の円偏光度(蛍光量子収率88%)を与えます。 リモネンキラリティー転写法は、キラル側鎖基導入法に比べ、左右どちらの円偏光度でもおよそ1500倍の増幅効果があり、コスト面でも4桁以上の低減化が可能です。

鏡像対称性の破れリモネン誘起による光学活性ポリシランの発生と複数回の反転現象を発見

Yoko Nakano, Fumiko Ichiyanagi, Masanobu Naito, Yonggang Yang, Michiya Fujiki
Chiroptical generation and inversion during the mirror-symmetry-breaking aggregation of dialkylpolysilanes due to limonene chirality
Chemical Communications, 48, 6636-6638 (2012). (IF=6.19)
yingyang.jpg光学不活性ポリシランからリモネン(化学的不斉源)誘起によるポリシラン凝集体における光学活性の出現と光学活性の反転(1,3回)が見いだされました。中野陽子 博士2010.3, 学位論文)、一柳普巳子 さん(2006.3, 修士論文)、内藤昌信 特任准教授(当研究室, 助教)、杨永刚 蘇州大学教授当研究室, 元CREST博士研究員)、サイト管理人(藤木)らの成果です。
Chemical Communications誌は化学速報誌のなかでも最も大きな影響力を持つトップジャーナルの一つです。なお本論文は,
不斉化学の分野で世界的リーダーのLinkIconD. B. Amabilino 教授(バルセロナ大学) LinkIcon八島栄次 教授(名古屋大学)からの招待論文として ChemCommLinkIcon'Chirality' web themed issueとして出版されています。
本学のプレスリリースに紹介されています。LinkIcon詳しくはこちら
本成果は 読売新聞 (2012/3/27 朝刊38面)、朝日新聞 (2012/3/27 朝刊29面)、毎日新聞 (2012/4/10 朝刊20面)、奈良新聞 (2012/3/27 朝刊13面)、産経新聞 (2012/3/28 朝刊24面)、日経産業新聞 (2012/04/02 朝刊11面)、日刊工業新聞 (2012/04/13 朝刊20面) 、大阪日日新聞 (2012/03/29、朝刊25面)、愛媛新聞 (2012/03/27)や多くのポータルサイトで取り上げられました。

鏡像対称性の破れ:世界初. 撹拌方向誘起による温度応答性高分子ヒドロゲルと蛍光色素を用いて不斉構造の発生・固定・反転を実現

karakusa.jpgKunihiko Okano, Makoto Taguchi, Michiya Fujiki, Takashi Yamashita
Circularly Polarized Luminescence of Rhodamine B in a Supramolecular Chiral Medium Formed by a Vortex Flow
Angewandte Chemie International Edition, 50, 12474−12477(2011). (Frontisepieceに採択) (IF=12.73)
東京理科大学・岡野久仁彦先生、山下俊先生との共同研究成果です。温度応答性高分子ヒドロゲル[1]と時計回り・半時計回りで生じる渦を組合わせて生じる不斉構造の発生反転・消失の制御に成功しました。ローダミンB蛍光プローブとして用い、発光キラリティー(円偏光発光信号:Kuhn非対称性因子として規格化)して観測していますこの分野の先駆者の一人、スペイン バルセロナ大学のRibo先生の協力を得てコンゴーレッドを色素プローブにしたミューラー解析を行い[2]、最終確認をしています今から500年前レオナルド・ダ・ヴィンチは「乱流は単なる乱れた状態ではなく、渦から成る構造を持つ」との認識を持っていたようです。乱流は、唐草模様・墨流し・カルマン渦にも代表されるように、芸術から基礎科学・応用に至る広範な分野で膨大な研究が行われてきました.。一般に乱流は非常に複雑で、強い非線形性を持つ非平衡の動的現象です。近年極低温でボーズ・アインシュタイン凝縮を起こす量子凝縮相において量子化された回転する量子渦が実験的に見いだされました。ごく最近、量子渦と反量子渦の回転・相対停止運動も報告されました[3]。このように古典的な渦から量子的な渦まで新たな不斉物理、不斉化学・不斉材料科学の潮流が生まれようとしています[4,5]。本結果から、高分子のゾルゲル転移を用いてマクロな撹拌渦(Vortex)により生じる不斉な回転駆動(=一方向の回転トルク)[6] 分子の運動系にも誘起できることを示唆しています。今回の報告では付加・置換・脱離反応などの化学反応を伴いませんが、将来、不斉な動的回転駆動力を化学反応系に組み込み、光学異性体を簡便に合成する新たな手法に展開できるかも知れません[7]。
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物理系WEBニュースにも詳しく紹介されています。LinkIconPhysOrg.com
化学系WEBニュースにも詳しく紹介されています。LinkIconInternetchemistry.com
1. M. Yoshida, et al., J. Am. Chem. Soc., 2007, 129, 11039–11041.
2. K. Okano, O. Arteaga, J. M. Ribo, T. Yamashita, Chem. Eur. J. 2011, 17, 9288−9292.
3. Y. Yamamoto et al., Nat. Phys., 2011, 7, 129-133.
4. http://www.kobe-u.ac.jp/research/news/H23/sci/aw2011_08_18.htm
5. http://www.build-up.jst.go.jp/part/seika/1st/11.html
6. L. D. Barron, J. Am. Chem. Soc., 1986, 108, 5539-5542.
7. http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720111027eaai.html

蘇州大学より名誉教授号を授与される (授賞式: 2011.10.20)

DSC02096.jpgP1000168.JPGP1000133.jpg名誉教授号.jpg
朱秀林蘇州大学学長と小職
受賞講演:Learning from Nature's Force : Programmed Design of Phthalocyanine Supramolecular Polymers

光合成植物は太陽光から円偏光を利用しているか? 高効率円偏光発光高分子の発生実験から新説を提唱

Yoko Nakano, Michiya Fujiki
Circularly Polarized Light Enhancement by Helical Polysilane Aggregates Suspension in Organic Optofluids
Macromolecules, 44, 7511−7519 (2011).
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世界発:白色発光性光学活性πスタック共役ポリマー ... Chemical Communicationsに論文掲載

Kento Watanabe, Takeshi Sakamoto, Makoto Taguchi, Michiya Fujiki, Tamaki Nakano
A Chiral π-Stacked Vinyl Polymer Emitting White Circularly Polarized Light
Chemical Communications, 47, 10996−10998 (2011).
北海道大学・中野環教授チームとの共同研究成果です。

鏡像対称性の破れ:リモネンキラリティー誘起の光学活性な光異性化ポリマー

DSCN2092.JPGZhang, W., Yoshida, K., Fujiki, M., Zhu, X.
Unpolarized-Light-Driven Amplified Chiroptical Modulation Between Chiral Aggregation and Achiral Disaggregation of an Azobenzene-alt-Fluorene Copolymer in Limonene
Macromolecules, 44, 5105-5111 (2011) (IF=4.55)
リモネン誘起ポリマーシリーズ3報目です。アキラル光学不活性ポリマーからリモネン誘起による光学活性ポリマーの出現を報告しています。今回、光異性化するアゾベンゼン部位をポリフルオレン主鎖中に組み込んだ交互コポリマーを設計し、トランスーシス異性化に伴う光学活性の発生と消失を報告しています。JSPS研究員のZhang博士(現在、蘇州大学:副教授)、M2学生 吉田華奈さんらとともに行った研究成果です。
Macromolecules誌は高分子科学の分野でトップジャーナルです。

世界初:アキラルフタロシアニンから光学活性ナノファイバーのゼロ段階合成 ... 常温常圧収率100% 究極のグリーンケミストリー

CuPcwire.bmpZhang, W., Fujiki, M., Zhu, X.
Chiroptical nanofibers generated from achiral metallophthalocyanines induced by diamine homochirality
Chemistry - A European Journal, 17, 10628–10635 (2011). (IF=5.48)
1907年に見いだされたフタロシアニン(Pc)分子は近年光機能、電子機能の観点から再び注目を集めています。Pc超分子は、Nolte(オランダ)、Kobayashi(日本)、Hanabusa(日本)、Ohta(日本)、Simon(フランス)らによる先駆的な研究がなされていますが、本論文では、アキラルフタロシアニン分子とジアミン分子を常温常圧下液相で接触させしばらく放置するだけで、長さ数μmにも達する光学活性な超分子Pcポリマー(ナノファイバー)の生成を報告しています。本研究は、JSPS研究員のZhang博士(現在、蘇州大学:副教授)らとともに行った研究成果です。Chemistry - A European Journal は、欧州を代表する総合化学雑誌です。

当研究室(とサイト管理人が在籍していたNTT時代)におけるPc超分子に関する論文リストです。
・Tabei, H., Fujiki, M., Imamura, S., Direct Pattern Fabrication of Substituted Phthalocyanine Films, Jpn. J. Appl. Phys., Part 2: Letters, 24, 685 (1985). (IF=1.14)
・Fujiki, M., Tabei, H., Isa, K., New tetrapyrrolic macrocycle:α,β,γ-triazatetrabenzcorrole, J. Am. Chem. Soc., 108, 1532 (1986).(IF = 8.58)
・Fujiki, M., Tabei, H., Imamura, S., Direct patterning and electrical properties of Pc thin films prepared by Langmuir-Blodgett and spin cast techniques, Jpn. J. Appl. Phys., Part 1: 26, 1224 (1987).(IF=1.14)
・Fujiki, M., Tabei, H., Kurihara, T. Self-assembling features of soluble nickel phthalocyanines, J. Phys. Chem., 92, 1281 (1988).(IF=4.22)
・Fujiki, M., Tabei, H., Kurihara, T., In-plane dichroisms of phthalocyanine Langmuir-Blodgett films, Langmuir, 4, 1123 (1988).(IF=3.90)
・Fujiki, M., Tabei, H., Preparation and electrical properties of lightly substituted phthalocyanine Langmuir-Blodgett films, Langmuir, 4, 320 (1988).(IF=3.90)
・Rai, R., Saxena, A., Ohira, A., Fujiki, M., Programmed hyperhelical supramolecular assembly of nickel phthalocyanine bearing enantiopure 1-(p-tolyl)ethylaminocarbonyl groups, Langmuir, 21, 3957 (2005).(IF=3.90)
・Ishikawa, M., Fujiki, M., Naito, M., Highly organized phthalocyanine assembly onto gold surface through spontaneous polymerization, Chem. Lett., 36, 304 (2007).(IF=1.48)
・Zhang, W., Ishimaru, A., Onouchi, H., Rai, R., Saxena, A., Ohira, A., Ishikawa, M., Naito, M., Fujiki, M., Ambidextrous Optically active copper(II) phthalocyanine supramolecules induced by peripheral group homochirality, New J. Chem., 34, 2310 (2010).(IF=3.01)
・Zhang, W., Ochi, K., Fujiki, M., Naito, M., Ishikawa, M. Kaneto, K., Takashima, W., Saeki, A., Seki, S. Programmed high–hole–mobility supramolecular polymers from disk-shaped molecules, Adv. Funct. Mater., 20, 3941 (2010).(IF=6.99)

世界初: 可視発光ポリアセチレンのピエゾクロミズム:Nature Asia Materials のハイライトに

外部刺激に応答して吸収(発光)波長・強度が変化する現象を一般にクロミズムと言います。熱(サーモクロミズム)、光(ホトクロミズム)、溶媒(ソルバトクロミズム)、溶媒蒸気(ベイポクロミズム)、酸化還元(エレクトロクロミズム)、圧力(ピエゾクロミズム)、イオン(イオノクロミズム)、pH(ハロクロミズム)、磁場(マグネトクロミズム)、摩擦(トリボクロミズム)が知られています。同様の外部刺激に対して光学活性の変化(変旋光)も知られています。今回、韓国慶北大学高分子学科:郭ぎそぷ先生(当研究室・元助手)率いる研究チーム(韓国慶北大学、韓国GIST、福井大学、NAIST)により、可視発光性を示す液晶性ポリアセチレンが圧力印加により緑色発光から赤色発光へ、溶媒にさらすともとの緑色発光に戻るという大変興味深い現象が見いだされました。圧力誘起液晶相転移に伴い主鎖pi-pi*発光波長が変化することを示した最初の高分子と位置づけることができるでしょう。LinkIcon詳しくはこちら
W.-E. Lee, C.-L. Lee, T. Sakaguchi, M. Fujiki, M. & G. Kwak,* Piezochromic fluorescence in liquid crystalline conjugated polymers.,
Chem. Commun. 47, 3526–3528 (2011).(IF=5.34)
参考: 液晶性ポリアセチレンに関するこれまでの成果は,
1. Lee, W.-E., Kim, J.-W., Oh, C.-J., Sakaguchi, T., Fujiki, M., Kwak, G. Angew. Chem., Int. Ed., 49, 1406–1409 (2010). (IF=10.88)
2. Kwak, G., Minaguchi, M., Sakaguchi, T., Masuda, T., Fujiki, M. Macromolecules, 41, 2743–2746 (2008).(IF=4.55)
3. Kwak, G., Minaguchi, M., Sakaguchi, T., Masuda, T., Fujiki, M.
Chem. Mater., 19, 3654–3661(2007). (IF=5.05)
4. Kwak, G., Fujiki, M., Sakaguchi, T., Masuda, T. Macromolecules, 39, 319–323 (2006). (IF=4.55)

生体分子の“左右非対称”の謎を解く...パリティ(丸善出版)2011年5月号に掲載

parity201105.jpg生命活動を担う有機分子の対称性の破れの由来は? らせん構造の相転移を示すいくつかの光学活性高分子において,最近,弱い鏡像対称性の破れが報告されました。19世紀,パスツールの時代から科学者たちを悩ませ続けてきた,生命を担うアミノ酸や糖がもつ,片手構造性の謎を解き明かす扉が開かれるかもしれません。
(解説)生体分子の“左右非対称”の謎を解く:らせん構造カイラリティと鏡像対称性の破れ 藤木道也

世界初:赤色発光性ゲルマニウム高分子を創成 ... Polymer Chemistry に論文採択

DSCN3002.JPGGreen-and-Red Photoluminescence from Si–Si and Ge–Ge Bonded Network Homopolymers and Copolymers,
Fujiki, M., Kato, M., Kawamoto, Y., Kwak, G.
Polymer Chemistry, 2011, 2, 914–922.
液状の不燃性n-ブチルトリクロロゲルマニウムから一段階合成で得られた可溶性ゲルマニウム骨格高分子(ポリゲルミン)の赤色発光性が見いだされました。同族体である可溶性シリコン骨格高分子(ポリシリン)は緑色発光性や青色発光性であることはすでに報告されていました[1,2]。n-ヘキシルトリクロロゲルマニウムから得られるポリゲルミンは緑色発光を示すとされていました[3]。当研究室:加藤雅彦氏(2007.3修士、現在、大日本スクリーン製造)、川本義樹氏(2006.3修士、現在、古河ケミカルズ)、韓国慶北大学:郭ぎそぷ先生ととともに行った研究成果です。Polymer Chemistryは、英国王立化学協会が2010年に創刊した最先端の高分子化学を掲載する学術雑誌です。
(参考文献)
1. Fujiki, M., Kawamoto, Y., Kato, M., Fujimoto,Y., Saito, T., Hososhima, S., Kwak, G. Chem. Mater., 21, 2459-2466 (2009).
2. Furukawa, K., Fujino, M., Matsumoto, N., Macromolecules, 23, 3423-3426 (1990).
3. Kishida, H., Tachibana, H., Matsumoto N., Tokura, Y. Appl. Phys. Lett., 65, 1358–1360 (1994).

炭素ナノチューブの特定キラリティー認識・可溶化に成功 ... J. Am. Chem. Soc. に論文採択

Rational Concept to Recognize/extract Single-walled Carbon Nanotubes with a Specific Chirality
Ozawa, H., Fujigaya, T., Niidome, Y., Hotta, N., Fujiki, M., Nakashima, N.
Journal of the American Chemical Society, 133, 2651–2657 (2011). (IF = 8.58)
九州大学大学院応用化学部門:中嶋直敏教授チーム との共同研究の成果です。単層炭素ナノチューブ(SWNT)には多くのキラリティーが存在します。九大チームは、当講座:堀田直佑氏(2004.3修士、現在、日本ゼオン)が合成した可溶性光学活性ポリフルオレンを用い、SWNTの特定キラリティーの選択的認識・可溶化の指導原理を見いだしたものです。応用に向けて大きな前進となることが期待されます。

M1学生(修士・博士一貫コース)の研究成果が報道発表に選ばれ、新聞掲載に

ayako.jpg中尾亜矢子さん(M1、αコース)らの研究成果が、第19回ポリマー材料フォーラム((社)高分子学会主催)において、180件近いポスター発表の中から注目すべき研究成果の8件の一つに選ばれました。(社)高分子学会(東京)において、本人自ら記者会見を行い、電波新聞(2010年11月24日朝1面)に掲載されました。LinkIcon詳しくはこちら
第19回ポリマー材料フォーラム(2010, 12/02–12/03, 名古屋)
・1PB06 発光性パイ共役高分子 ーセラミックス複合体......○中尾亜矢子、河越義史、藤木道也

リエントラントサーモトロピックポリシラン液晶を発見 ... Liquid Crystals に掲載

Okoshi_LC.jpgOkoshi, K., Hagihara, T., Fujiki, M., Watanabe, J.
Anomalous thermotropic liquid crystalline phase behaviour in poly[n-decyl-(RS)-2-methylbutylsilane]s with narrow molecular weight distributions, Liquid Crystals, 37, 1183-1190 (2010).
分子量分布が狭い剛直らせんポリシランが特異なサーモトロピック液晶性を示すことが見いだされました。一般に液晶は高温では等方相に至るのが常識とされていましたが、本系では温度上昇に伴って、スメクティックA相ー等方相そしてさらに高温でネマティック相が再出現します。本成果は、大越研人博士(東工大:特任准教授、現在、千歳科学技術大学・准教授)、萩原隆裕氏(2004.3, 修士課程修了、現在 三菱製紙)、藤木道也(NAIST)、渡辺順次博士(東工大:教授)らが行った共同研究成果です。Liquid Crystals(impact factor:1.45(2009))は、液晶の物理と化学を専門とする学術雑誌で、液晶に関する重要な論文が多く掲載されていることで知られています。
[参考文献]
1. Okoshi, K.; Kamee, H.; Suzaki, G.; Tokita, M.; Fujiki, M.; Watanabe, J. Macromolecules 2002, 35, 4556–4559.
2. Okoshi, K.; Saxena, A.; Fujiki, M.; Suzaki, G.; Watanabe, J.; Tokita, M. Mol. Cryst. Liq. Cryst.2004, 419, 57–68.
3. Okoshi,K.; Saxena,A.; Naito, M.; Suzaki, G.; Tokita, M.; Watanabe, J.; Fujiki,M. Liq. Cryst. 2004, 31, 279–283.
4. Okoshi, K.; Suzuki, A.; Tokita, M.; Fujiki, M.; Watanabe, J. Macromolecules 2009, 42, 3443–3447.
5. Okoshi, K.; Suzuki, G.; Kamee, H.; Tokita, M.; Magoshi, J.; Watanabe, J. Jpn. J. Appl. Phys.2002, 41, L720–L722.
6. Oka, H.; Suzaki, G.; Edo, S.; Suzuki, A.; Tokita, M.; Watanabe, J. Macromolecules 2008, 41, 7783–7786.
7. Watanabe, J., Kamee, H., Fujiki, M., Polym. J. 2001, 33, 495-497.

らせんポリシランにおける鏡像対称性の破れ ... Symmetry に掲載に

polySi.jpgFujiki, M., Mirror Symmetry Breaking in Helical Polysilanes: Preference between Left and Right of Chemical and Physical Origin, Symmetry, 2, 1625-1652 (2010) OpenAccessです。LinkIcon詳しくはこちら
From elemental particles to human beings, matter is dissymmetric with respect to mirror symmetry. In 1860, Pasteur conjectured that biomolecular handedness— homochirality—may originate from certain inherent dissymmetric forces existing in the universe. The present paper reports comprehensively an inequality between six pairs of helical polysilane high polymers, presumably, detectable by (chir)optical and achiral Si-/C-NMR spectra, and viscometric measurements.

高ホール移動度フタロシアニン超分子ポリマーを創成 ... Adv. Funct. Mater. に掲載に

ttbPcAlF.jpgZhang, W., Ochi, K., Fujiki, M., Naito, M., Ishikawa, M. Kaneto, K., Takashima, W., Saeki, A., Seki, S.
Programmed High–hole–mobility Supramolecular Polymers from Disk-shaped Molecules,
Advanced Functional Materials, 20, 3941-3947 (2010). (IF=8.49)
1907年に見いだされたフタロシアニンは、レーザープリンター感光体、追記型情報記録材料に使用されています。近年では光機能・電子機能材料としての応用が期待されています。本研究では、tert-butyl基を側鎖に導入することにより溶解性を高め、フタロシアニン環中心金属をAluminium, 配位元素をFとすることにより1次元/2次元ナノシート構造の自発的形成を可能にしたものです。分子でありながら高分子のように振る舞います。その結果、高いホール移動度(0.3 cm^2/Vsec以上)かつ10^-3 S cm^-1の暗伝導度を示します。常温・常圧下、大面積・薄膜化が容易であるため、FET, 太陽電池、光電変換素子材料、追記型情報記録材料としての応用が期待できます。本研究は、現在JSPS研究員のZhang Wei博士(現職;蘇州大学:副教授)、修士課程修了・越智謙次氏(現在、TDK)、博士課程修了・石川正明博士(現在、日本分光)、本講座の元助教・内藤昌信博士(現在、本学:環境フォトニクス研究G・主任研究員)、九州工業大学・金藤敬一教授、高嶋授准教授、大阪大学・関修平教授、佐伯昭紀助教とともに行った研究成果です。Advanced Functional Materials (Wiley–VCH)は、先端機能材料研究が掲載される原著論文の中で最も権威ある学術雑誌の一つとして知られています。

鏡像対称性の破れリモネンキラリティーによる緑色円偏光発光性共役高分子の一段階合成に成功

iStock_000008777591XSmall.jpg
Limonene magic: noncovalent molecular chirality transfer leading to ambidextrous circularly polarised luminescent π-conjugated polymers, Kawagoe, Y., Fujiki, M., Nakano, Y. New Journal of Chemistry, 34, 637-647 (2010).

リモネンの魔法:New Journal of Chemistry の最新ニュースに(リモネン誘起による鏡像対称性の破れ(第1報)
Limonene Magic:New J. Chem. 誌の論文ダウンロード数で第5位に (2010年5月度)

iStock_000010776130XSmall.jpgオレンジ、レモン、ペパーモントなどから採取される精油の主成分であるリモネン(代表的なテルペン類)を溶媒として光学不活性パイ共役高分子から光学活性高分子微粒子を簡便に調製することに世界で始めて成功したものです。使用したリモネンは減圧蒸留により再利用可能であることも証明しました。河越義史くん(2010.3, 修士、現在 タイカ工業)、中野陽子さん(2010.3, 学位(理学))とともに行った研究成果です。New Journal of Chemistry (IF 3.01)は、英国王立化学協会から発行されている超分子化学・超分子材料科学を専門にした学術雑誌です。LinkIconMore

鏡像対称性の破れ:オレンジオイルをらせん誘起溶媒にした青色円偏光発光性共役高分子の一段階合成に成功 

  鏡像異性体ポリフルオレン微粒子:Polymer Chemistry (2010年4月号)のCoverPageに掲載
PolymChem2010_04.jpgAmbidextrous Circular Dichroism and Circularly Polarised Luminescence from Poly(9,9-di-n-decylfluorene) by Terpene Chirality Transfer, Yoko Nakano, Yang Liu and Michiya Fujiki, Polymer Chemistry, 1, 460–469 (2010).
ポリフルオレンは電界発光素子材料としてこの20年間最もよく研究されてきたπ共役高分子の一つです。私たちは、環境・エネルギー・資源・安全・短工程・リユース・応用という観点から、オレンジ、レモン、ペパーモントなどから採取される精油の主成分であるテルペン類に着目しています。本研究では、リモネンやピネンを溶媒として光学不活性ポリフルオレンから光学活性ポリフルオレン微粒子の簡便調製に成功し、また、(S)/(R)-リモネンの体積比を制御することにより、光学活性ポリフルオレンの発生・増幅・反転制御に世界で始めて成功したものです。中野陽子さん(2010.3, 学位(理学)取得), Yang Liu博士(中国科学院:蘇州)とともに行った研究成果です。本論文は、18th Iketani Conference (2008, October, Awaji, Hyogo)にて,中野陽子さん(受賞当時:博士後期課程2年)がOutstanding Student Poster Awardを受賞していた研究成果であり、欧米の高分子化学の分野においてもその意義が広く認められたものです。Polymer Chemistryは、英国王立化学協会が2010年に創刊した最先端の高分子化学を掲載する学術雑誌です。LinkIconMore

鏡像対称性らせんフタロシアニン超分子ポリマー ... New J. Chem. に掲載

PolymChem2010_04.jpgAmbidextrous Optically Active Copper(II) Phthalocyanine Supramolecules Induced by Peripheral Group Homochirality,
Zhang, W., Ishimaru, A., Onouchi, H., Rai, R., Saxena, A., Ohira, A., Ishikawa, M., Naito, M., Fujiki, M.
New Journal of Chemistry, 34, 2310−2318 (2010).

1907年偶然に見いだされたフタロシアニンは、青色・緑色の顔料・染料としての用途のみならず、レーザープリンター感光体、触媒作用を利用した消臭剤、CD-Rなどの追記型情報記録材料に使用され、近年では高度な光機能・電子機能材料への応用が期待されています。本研究では、分子でありながら高分子のように可溶性でかつ加工性に富むフタロシアニン超分子の創成に成功したものです。フタロシアニン超分子は、Nolte(オランダ)、Kobayashi(日本)、Hanabusa(日本)、Ohta(日本)、Simon(フランス)らによる先駆的な研究が知られていましたが、本研究ではナノファイバー・ナノサークル・ナノドット構造の制御が、フタロシアニン溶液濃度や溶液温度、中心金属の選択によって実現できることを世界で始めて示しました。側鎖キラリティーの選択により、右あるいは左のらせん性を有した超分子構造が簡便に形成できます。本研究は、現在JSPS研究員のZhang博士(蘇州大学:副教授)、元CREST研究員Rai Roopali博士・Saxena Anubhav博士(現在、GE)、JSPS研究員だった大平昭博博士(現在、FC-Cubic技術研究組合)、石丸慧氏(2007.3修士、現在、ステラケミファ)、石川正明博士(2007.3学位、現在、日本分光)、本講座の元助教・尾之内久成博士(現在、日東電工)、本講座の元助教・内藤昌信博士(現在、本学:環境フォトニクス研究G・主任研究員)とともに行った研究成果です。

ポリシランにおける鏡像対称性の破れ:Weak Bosonから人工らせんへ ... Chemical Record に掲載

weakbosons.jpgMirror Symmetry Breaking of Silicon Polymers – From Weak Bosons to Artificial Helix,
Fujiki, M., The Chemical Record, 9, 271-298 (2009)LinkIcon詳しくはこちら

From elemental particles to human beings, matter and living worlds in our universe are dissymmetric with respect to mirror symmetry. Since the early 19th century, the origin of biomolecular handedness has been puzzling scientists. Nature's elegant bottom-up preference, however, sheds light on new concepts of generating, amplifying, and switching artificial polymers, supramolecules, liquid crystals, and organic crystals that can exhibit ambidextrous circular dichroism in the UV/Visible region with efficiency in production under milder ambient conditions. In the 1920s, Kipping, who first synthesized polysilanes with phenyl groups, had much interest in the handedness of inorganic and organic substances from 1898 to 1909 in his early research life. Polysilanes—which are soluble Si-Si bonded chain-like near-UV chromophores that carry a rich variety of organic groups—may become a bridge between animate and inanimate polymer systems. The present account focuses on several mirror symmetry breaking phenomena exemplified in polysilanes carrying chiral and/or achiral side groups, which are in isotropic dilute solution, as polymer particles dispersed in solution, and in a double layer film immobilized at the solid surface, and subtle differences in the helix, by dictating ultimately ultraweak chiral forces at subatomic, atomic, and molecular levels.

トピックス/展望記事: ケイ素高分子の真空熱分解によるフルカラー発光性シリコンと結晶シリコンの作製

fig_PL.jpgSi系材料は私たちの生活を豊かにしてくれる基幹材料の1つである。例えば、結晶シリコン(c-Si)は現代の半導体産業の中核を担う材料であり、石英ガラスは高度情報通信ネットワーク社会を支える通信用光ファイバー材料に使用されている。これらSi系材料は過去50年以上にわたり最もよく研究されてきた無機物である。大気中で取扱い可能な可溶性有機シリコン高分子を固体ソースとして用いたフルカラー発光性Si/ SiO2階層構造体と微結晶シリコン(nc-Si)の構築について解説・展望した。LinkIconMore

鎖状有機ポリシランは熱分解により炭化ケイ素になることが知られていた。しかしながらネットワーク状有機ポリシリンは熱分解条件・酸素濃度の制御により、二次元Si面がSi-O-Si構造でインターカレートした階層構造に変化してフルカラー発光性を示すとともに、酸素不在下では微結晶シリコンとなることが見いだされた。政府は2020年までに1990年比で25%の温暖化ガス排出削減目標を掲げた。低炭素化社会の早期実現のため、安全性・省エネルギー・資源有効利用・コスト・生産性に配慮した革新的な製造プロセスの確立が求められる。今回、大気中で取扱いできる可溶性Si高分子固体をシリコンインクとすることで短工程でバンドギャップを450nm−1127nm(1.1−2.8eV)と広範囲に制御できるため、太陽電池や液晶TV用TFTなどの大面積Si薄膜デバイスが印刷法や塗布法で簡便作製が期待できる。(社)高分子学会・会誌:2009年11月号に LinkIconMore

青色発光性の環状半導体高分子の研究成果 ... 日刊工業新聞掲載

光ナノ高分子に関するLiu Yang博士(現在、中国科学院、蘇州バイオナノ研究所、副教授)、村尾貴憲くん(2005.3修了)、中野陽子さん(博士後期課程2年)、内藤昌信助教、藤木道也教授らの研究成果が2008年9月29日(月)付け日刊工業新聞(25面)で紹介されました。ソフトマターであるπ共役高分子を用いて環状ナノ構造とナノドット構造の作り分けが簡便にでき、微小レーザーや発光ダイオードなど100nmサイズの微小青色光源への発展が期待できます。
Yang Liu, Takanori Murao, Yoko Nakano, Masanobu Naito, Michiya Fujiki, Polyfluorene nano-rings and nano-dots on mica surfaces: evaporation-induced polymer self-assembly and photoluminescence properties of the assemblies, Soft Matter, 4, 2396-2401 (2008).

著書出版:Advanced Nanomaterials (K. E. Geckeler, H. Nishide, eds) (Wiley-VCH)

ISBN: 978-3-527-31794-3
Chapter 5; Helical Polymer-Based Supramolecular Films
Akihiro Ohira, Michiya Fujiki, and Masashi Kunitake
Nature’s elegant bottom-up fabrication of hierarchical superhelical assemblies over a wide range of scales has inspired the development of functional advanced materials from efficient approaches. In natural systems, hierarchical helical architectures, such as the double helix of DNA, the triple helix of collagen, and the α-helical coiled-coils of myosin and keratin on the molecular level, are ubiquitous. ... LinkIconMore

招待論文:弱い相互作用と生命ホモキラリティーの起源 ... J. Polym. Sci., Part A. Polym. Chem. のハイライトに

JPSCover.jpegPowerOfForce.jpg
藤木道也教授とAnubhav Saxena博士(元CREST研究員)が共同で執筆した招待論文:
A. Non-classical Forces: Seemingly Insignificant But a Powerful Tool to Control Macromolecular Structures, Fujiki, M. and Saxena, J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 46, 4637-4650 (2008)
がMaterials Views (Wiley Publishers) 2008年8月号にThe Power of The Forces としてハイライト紹介されました。LinkIconMore
英文学術雑誌の表紙を飾りました。この論文では、これまで知られることのなかった0.001 kcal/molという非常に微弱なCF/Si相互作用の発見に至った裏話、相互作用の階層構造性とホモキラリティーについてまとめています。
Michiya Fujiki, Anubhav Saxena,
Non-classical Forces: Seemingly Insignificant But a Powerful Tool to Control Macromolecular Structures,
J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 46, 4637-4650 (2008). LinkIconMore

世界初: 円偏光発光性シリコン高分子 ... Macromolecules に論文掲載

Fukao, S., Fujiki, M. Circularly Polarized Luminescence and Circular Dichroism from Si–Si-Bonded Network Polymers,
Macromolecules, 42, 8062–8067 (2009).

ポスター賞:コアセルベートにおける高分子キラリティーの発生と反転

nakano.jpg18th Iketani Conference (2008, October, Awaji, Hyogo)において,中野陽子さん(受賞当時:博士後期課程2年)がOutstanding Student Poster Awardを受賞しました.同国際会議には,2000年ノーベル化学賞受賞者のAlan J. Heeger教授(University of California at Santa Barbara)など世界的な研究者らが参加し,共役高分子・共役超分子の自己組織化とその電子応用・光応用について活発に議論が行われました。
Y. Nakano, Y. Liu, M. Fujiki,
Generation and Switching of π-Conjugating Polymer Chirality in OrganocoacervateLinkIconMore

著書出版:弱い相互作用と生命ホモキラリティーの起源

不斉自己増殖反応の発見で世界的に著名な東京理科大学・硤合憲三教授が編集された著書 : Amplification of Chirality (Springer : ISBN: 3540778683)が2008/07/09に出版されました。この中で、藤木教授が長年研究を進めてきた、生命ホモキラリティーの起源かららせん構造の発生と増幅・スイッチ、相互作用の階層構造性について,
Helix Generation, Amplification, Switching, and Memory of Chromophoric Polymers
という章を執筆しまとめています。LinkIconMore

ポリシランゲルの論文がPolymer Journal のCoverPageを飾る

080417_pj0804_cover_kawabe_pj0804.gif川部琢磨くん (2008.3学位取得)、内藤昌信助教、藤木道也教授らの下記の論文が英文学術雑誌の表紙を飾りました。
Takuma Kawabe, Masanobu Naito, Michiya Fujiki
Polysilane Organogel with Hierarchical Structures Formed by Weak Intra-/Inter-chain Si/FC and van der Waals Interactions,
Poymer Journal, 40, 317-326 (2008).LinkIconMore

ハイライト紹介:発光性ポリアセチレン液晶

郭起燮 元助手(現在 韓国慶北大学、水口真司くん(07/03博士前期課程修了)、藤木道也教授、増田俊夫京都大学・名誉教授らの研究成果がアメリカ化学会heart cutに研究ハイライト(2007年)として紹介されました。LinkIconMore
Giseop Kwak, Masashi Minakuchi, Toshikazu Sakaguchi, Toshio Masuda, Michiya Fujiki, Ultrahigh Molecular Weight Poly(diphenylacetylene) bearing n-Octadecylsilylene Moiety: Smectic Liquid Crystallinity and Unexpected Inversed Optical Anisotropy, Chemistry of Materials, 19, 3654-3661 (2007).

ハイライト:発光性ポリアセチレンナノファイバー

郭起燮 元助手(現在 韓国慶北大学)、深尾智くん(07/03博士前期課程修了)、藤木道也教授らの研究成果がアメリカ化学会heart cutに研究ハイライト(2006, April 24)として紹介されました。LinkIconMore
Giseop Kwak, Satoshi Fukao, Michiya Fujiki, Toshikazu Sakaguchi, Toshio Masuda, Nanoporous, Honeycom-structured Network Fibers Spun from Semi-flexible, Ultrahigh-Molecular Weight, Di-substituted Aromatic Polyacetylenes: Super-hierarchical Structure and Unique Optical Anisotropy, Chemistry of Materials, 18, 5537-5542 (2006).

発光性ポリエステル・ポリアミドの成果 ... 化学工業日報に掲載に

郭起燮 元助手(現在 韓国慶北大学)の成果が2007年5月7日付け化学工業日報(7面)で広く紹介されました。
1. Giseop Kwak, Michiya Fujiki
Colored and Luminous Aliphatic Polyester via One-Pot Intra- and Intermolecular Knoevenagel Reaction, Macromolecules, 37, 2021-2025 (2004).
2. Giseop Kwak, Akiko Takagi, Michiya Fujiki, Preparation and Properties of Luminous Network Aliphatic Polyester Film via Thermally Reactive Processing, Macromolecules, 38, 4169-4175 (2005).LinkIconMore

青色発光性シグマ・パイ共役ポリマー研究 ... 学術雑誌の表紙に

郭起燮 元助手(現在 韓国慶北大学)、高木朗子さん(2005年3月博士前期課程修了)、藤木道也教授らの下記論文がMacromolecular Rapid Communications誌の表紙を飾りました。 LinkIconMore
Giseop Kwak, Akiko Takagi, Michiya Fujiki, Energy Transfer from Locally Excited pi* to Charge Transfer Ground States in a Silylene–pai Hetero-junction Polymer, Macromolecular Rapid Communications, 27, 1561-1564 (2006).

ポスター賞受賞:第11回ケイ素化学協会シンポジウム ... 発光性ケイ素セラミクスの成果で

061110_SiSympo_kato.jpg2006年11月10-11日にかけて桐生市市民文化会館で開催された第11回ケイ素化学協会シンポジウム(主催:ケイ素化学協会)において,加藤雅彦くん(受賞当時:博士前期課程2年)がポスター賞を受賞しました。同シンポジウムは国内外から毎年約200人の参加者を得て、有機・無機ケイ素化合物、ケイ素ポリマー、ケイ素以外の14族元素化学関連の研究成果を発表・議論する場として知られており、学生の優れた発表に対してポスター賞を授与しています。
発表題目:青、緑、赤、近赤外発光性Si-Ge薄膜(○)加藤雅彦、川本義樹、川部琢磨、藤木道也

国内受賞:シグマ共役らせんポリシランの構造・物性・機能相関

080308_naistgakujutu_fujiki.jpg2008年3月8日本研究科大講義室において平成19年度NAIST学術賞授賞式が開催され,藤木教授が受賞しました。受賞対象となった研究テーマは、
シグマ共役らせんポリシランの構造・物性・機能相関に関する研究です。 LinkIconMore

海外受賞:シグマ共役らせんポリシランの構造・物性・機能相関

060425_CReedaward_fujiki.jpg2006年4月25日藤木道也教授が、Rensselaer Polytechnic Institute (Troy, NewYork), Department of Chemistry and Chemical Biologyより11th Reed Lecture Awardを受賞しました。受賞対象となった研究は、
Silicon magic: The state-of-the-art: Helical polysilanes directed nanoscience and nanotechnology
です。LinkIconMore