奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科
グリーンデバイス研究室〔中村研究室〕
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(by Excite)

学生向けの解説

当研究室は主に「有機エレクトロニクス」について研究しています。有機EL有機トランジスタなどの有機エレクトロニクスは、今後10年、20年にわたって発展が期待されています。学会レベルでは極めて盛んに研究成果が発表されており、例えば応用物理学会学術講演会における17の分野のうち、有機・バイオエレクトクス分野の発表が最も多く、最大の分野(全体の約15%)となっています。みなさんの研究者・技術者としての人生はまだまだ先が長いですから、これから発展する分野に関わった経験は今後活きてくるでしょう。

すでに技術的に成熟した分野(みなさんが一般向けの新聞やニュースで見かけるのはもうビジネスとして成り立っている技術的にはほぼ完成したものが多いと思います。)では、一人の人間が貢献できる範囲はごく限られたものになります。一方、発展途上の分野なら、一人の人間が多くのことに関わることができ、得られるものも多いでしょう。

そのほかにこの研究室を選ぶ理由として考えられるのは、次のような点でしょうか。

  • 材料の応用に関わる研究なので、努力と運次第で世間をあっと言わせる新発見に出会うかもしれない。
    材料の物性というものは、実験的に発見した後なら物理的にその仕組みを説明することはできますが、因果関係の複雑さから発見されていないものを予測することは困難です。まず、多様な自然現象を「見つける」のです。皆さんが発見し、切り開いた新技術に世界が注目するようになることも十分あり得ます。
  • 材料・物性・デバイスの研究に関わる様々な経験を積むことができる。
    技術的に未成熟な分野であるからこそ、どうすればデバイスとして使えるか、どのように評価するかが定まっていません。そのぶん、いろんなことを広く知る必要があります。電子デバイスに関わる応用研究のジェネラリストとしての素養を得ることができます。
  • テーマによっては、デバイスとして実際に働くものまで自分の手で作ることができる。
    有機半導体デバイスの特徴の一つとして、作製に要する時間が短いことが挙げられます。例えば、有機太陽電池や有機トランジスタでは、デバイス作製が1日で終わることも多く、デバイス作製から評価まで一人で担当する場合がほとんどです。トップページの「お知らせ」の中でも、先輩が開発したいくつかのデバイスの動作例を見ることができます。
  • テーマによっては、オリジナル評価装置を自分の手で作ることができる。
    世界唯一の評価法や評価装置を独自に開発することは、当研究室の強みの一つです。装置設計、電子工作、計測器制御、プログラミングなどが好きな人も大歓迎です。

得られるものが多いということは、すなわち入ってから学ばなければならないことも多いということです。それに加えて実験系の研究室の常でどうしても研究のための拘束時間は長くなりがちです。しかし、そこから得られた知識や経験は、将来、研究・開発の仕事(有機エレクトロニクスとは限りません)に就いたときに、陰に陽に必ず役にたつはずです。

参考資料

これから入学を考えている人も、遠慮無く事前研究室見学に来て下さい。アポイントをとってからであれば、いつでも歓迎します。
また、中村のblogもありますので、一度覗いてみてください。

FAQ(主に修士修了で就職を考えている人向け)

(博士学位取得まで考えている人は別次元の質問があるでしょうから、個別に相談に応じます。)

Q 有機エレクトロニクスって本当に実用化されるのですか?

A 有機EL(OLED)ディスプレイはすでに実用化されています。有機EL照明や有機太陽電池も、そろそろ市場に出始めています。有機トランジスタを使ったフレキシブルディスプレイやフレキシブル回路などの「プリンテッドエレクトロニクス」も実用化研究が盛んに行われています。この手の将来予測は難しいですが、ヨーロッパやアメリカでは様々なベンチャー企業が頑張っています。日本ではベンチャー企業(特に初期投資が必要な製造業系のベンチャー)が育ちにくいというハンデがありますが、そのかわり大企業が社内ベンチャー的に新規事業を立ち上げるべく研究を続けています。

Q 有機エレクトロニクスの研究室の修士卒はやっぱり就職してからも有機エレクトロニクスの研究・開発をやるのでしょうか?

A 日本では、良きにつけ悪しきにつけ、修士卒の細かい専門性についてそこまで期待されていません。この研究室の修士修了OB・OGを見渡すかぎり、企業で有機エレクトロニクス関連の研究・開発を続けている人はせいぜい2割くらいでしょうか。一方、博士修了OB・OGは、ほとんどの人が有機エレクトロニクス関連の研究を続けています。基本的に、修士卒に期待されているのは研究室で技術系の仕事に対する基礎的なトレーニングを積んでいることですので、就職後はその基本姿勢を技術系の様々な分野で活かすことになります。

Q 研究は忙しいですか?

A まっとうなレベルの研究室(学会でよく目にし、ときおり新聞や雑誌で研究が紹介されるようなところ)なら、どこでも忙しくないなんてあり得ないと思います。大学院の時代に得るものはその人の研究者・技術者人生における貴重な財産の一つですから、要求レベルが高いことは自分にとって良いことだと思いませんか?もちろん、研究室での滞在時間は、当人の要領にも大きく依存します。