NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学領域 ~光ナノサイエンス~

ナノ構造磁気科学研究室

准教授:細糸 信好
助教:重城 貴信

研究室URL:  http://mswebs.naist.jp/LABs/hosoito/index.html

放射光X線を用いたナノ構造磁性の研究

固体物理、X線回折、磁性などの基礎知識が必要です。講義や研究室のゼミで学ぶことができます。研究を進める上では何かを明らかにしたいという熱意と好奇心が重要です。

本研究室では放射光X線を利用してナノ構造磁性薄膜の磁性を研究しています。研究に必要な基礎知識と実験技術を身につけた後、研究テーマを提案します。具体的な内容については学生の発想を優先して研究を進めます。研究室での報告会で他の学生や教員の助言や意見を聞くことにより、研究内容を深めていきます。

磁性をはじめとする固体物理の知識と実験技術が取得できます。放射光実験は測定時間が限られるため、事前の十分な準備に加えて、現場で実験の進行状況を判断して臨機応変に対応することが求められます。また、多人数で協力して実験を進めるため、測定の意図を実験協力者に説明すること、説明された内容を理解することが求められます。このような経験を通じて、計画を達成するために必要なスキルを身につけることができます。

多くの修了生は機械・材料系の企業に就職しますが、研究機関に就職する人もいます。

研究内容

放射光を用いた共鳴X線磁気散乱法を主要な実験手法として、ナノ構造磁性膜を構成する強磁性層だけでなく非磁性層も含めた磁気構造を元素選択的に明らかにし、得られた磁気構造に基づいて、ナノ構造磁性膜が示す様々な磁気特性の発現機構を明らかにします。
また、得られた知見に基づいて、新奇な特性を示すナノ構造磁性膜を設計し作製します。
具体的には以下のような研究を行っています。
非磁性層伝導電子の誘起磁性
強磁性層に接する非磁性層の伝導電子には磁性が誘起されます。非磁性層の誘起磁性は間接交換結合、垂直磁気異方性、間接交換バイアス効果など、強磁性層が示す磁気物性に重要な役割を果たします。共鳴X線磁気散乱法の元素選択性を利用して非磁性層の磁性を明らかにすることにより、これらの現象の発現機構を明らかにします。元素選択的なベクトル磁化過程
ナノ構造磁性膜は複数の磁性層、非磁性層から構成されます。ナノ構造磁性膜の磁気特性を理解するには、非磁性層を含む構成層ごとの磁化過程を、磁場に平行な磁化成分だけでなく直交磁化成分も含めて明らかにすることが必要です。共鳴X線磁気散乱を用いてナノ構造磁性膜のベクトル磁化過程を明らかにします。
交換バイアス膜の界面磁性
反強磁性層に接した強磁性層は磁化曲線が磁場方向にシフトすることがあります。これを交換バイアス効果と呼びます。共鳴X線磁気散乱を用いて、交換バイアス効果の発現の鍵を握る反強磁性層の界面数原子層の磁性を明らかにします。また、交換バイアス効果の温度変化を測定し、その発現と消滅過程を明らかにします。放射光を利用した磁性測定技術開発
放射光X線を用いてナノ構造磁性膜を研究するには、微弱な共磁気散乱を効率良く測定すること、測定結果を定量的に解析することが重要です。必要となる測定技術、解析手法を開発します。

Au L3吸収端共鳴X線磁気散乱により決定されたFe/ Au(001)多層膜中のAu層の磁気構造。(a)Fe磁化平行状態、(b)Fe磁化反平行状態

電子ビーム加熱超高真空蒸着装置、マルチターゲット・スパッタリング装置、温度可変(低温、高温)振動試料型磁気測定装置、磁気抵抗測定装置、放射光実験用小型電磁石。

1.Depth Profile of Induced Magnetic Polarization in Cu Layers of Co/Cu(111)Metallic Superlattices by Resonant X-ray Magnetic Scattering at the Cu K Absorption Edge, S. Uegaki, A. Yoshida, and N. Hosoito,J. Phys. Soc. Jpn. 84, 034704-1-7(2015).
2.Induced Spin Polarization in the Au Layers of Fe/Au Multilayer in an Antiparallel Alignment State of Fe Magnetizations by Resonant X-ray Magnetic Scattering at the Au L3 Absorption Edge, S. Amasaki, M. Tokunaga, K. Sano, K. Fukui, K. Kodama, and N. Hosoito,J. Phys. Soc. Jpn. 84, 064704-1-8(2015).
3.Perpendicular Magnetic Anisotropy and Induced Magnetic Structures of Pt Layers in the Fe/Pt Multilayers Investigated  by Resonant X-ray Magnetic Scattering, M. Lee, R. Takechi, and N. Hosoito,J. Phys. Soc. Jpn. 86, 024706-1-10(2017)

研究室紹介

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