NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 ~光ナノサイエンス~

グリーンナノシステム研究室

教員 & 連絡先
教員准教授: 松井 文彦
キーワード表面・界面,光電子回折分光,原子構造,局所電子状態
連絡先TEL:0743-72-6017
研究室URLhttp://mswebs.naist.jp/LABs/matui/index-j.html

異種の固相が相接する界面領域では,異方的な構造歪みや特殊な組成分布により,光熱起電力(太陽電池・温度センサー)や磁性・整流作用など新奇機能・物性が現れます.当研究室では,非破壊・原子サイト選択的な光電子回折分光法を始めとする諸分析法や分析器を開発し,局所物性の発現機構解明に取り組み,界面現象を応用した機能性物質・デバイス開発で鍵となる知見の発掘を目指します.「光・界面局所物性サイエンス」をキーワードに研究室・大学の垣根を越えた共同研究を大切にし,展開していきます.こうした研究活動を通じて高度な専門知識と課題発見・提案能力を兼ね備えた研究者・技術者を育成していきます.

局所電子物性を原子レベルで解析する独自の手法:光電子回折法(図1,2)に関わる様々な現象発現機構を解明し,手法の信頼性確立に力を入れています.最近ではエネルギー損失電子角度分布に現れる「ネガコントラスト模様」や共鳴Auger電子回折模様の円二色性発現を発見しました.これらは光電子回折の理解を深めるカギとなるとともに新たな分析法開発のヒントになります.

光電子回折・ホログラフィーや光電子分光測定のための新たな小型・高エネルギー分解能の表示型分析器開発を行っています.原子構造解析にとどまらず,表面組成深さ分析や他の測定装置・測定手法との組み合わせによる複合解析が可能になります.

上記の手法・分析器による物性評価を軸に,機能性材料・実デバイス界面:グリーンナノシステムの局所電子物性の発現機構の解明(図3)に取り組みます.学内外のグループとの共同研究を通じて,新奇材料開発サイドに有用な知見をフィードバックし,グリーンサイエンスの推進を支えます(図4).

・SiCベースのパワーデバイスやグラフェンデバイス:界面の原子構造・電子状態を解析し,ヘテロ構造作製プロセスにフィードバック

・アモルファス薄膜の深さ分解組成解析

・鉄多結晶やポリシリコン表面:顕微回折分光による微細構造評価

・磁性薄膜:原子層分解磁気構造解析法を発展させ,垂直磁気スイッチングの制御を目指す

 

1:[左]グラファイトの光電子放出角度分布。[右]ホログラフィー法で再生した実空間の原子配列

図2:Ni極薄磁化膜からのAuger電子回折角度分布と原子層別電子

図3:回折分光法による界面の局所電子状態解析

図4:[共同研究]局所電子物性解析によるグリーンナノシステムの評価と開発

1. S. Roth, F. Matsui, T. Greber, J. Osterwalder, “Chemical Vapor Deposition and Characterization of Aligned and Incommensurate Graphene/Hexagonal Boron Nitride Heterostack on Cu(111)”, Nanoletters (2013) dx.doi.org/10.1021/nl400815w.

2. 松井文彦, 松下智裕, 大門寛, 固体物理 48, (2013) 1月号 pp.13-21, 「エネルギー損失過程と逆光電子回折現象」

3. 松井文彦, 松下智裕, 大門寛, 放射光(放射光学会誌) 25, (2012)9月号 pp.292-300,「光電子回折の新展開:回折分光による局所電子状態プローブ」

4. F. Matsui, T. Matsushita, H. Daimon, “Photoelectron diffraction and holographic reconstruction of graphite”J. Phys. Soc. Jpn., 81 114604 (2012) .

5. F. Matsui, M. Hashimoto, T. Matsushita, K. Goto, N. Maejima, H. Matsui, Y. Kato, H. Daimon “Negative Photoelectron Diffraction Replica in Secondary Electron Angular Distribution”J. Phys. Soc. Jpn., 81 013601 (2012).

6. F. Matsui, N. Nishikayama, N. Maejima, H. Matsui, K. Goto, M. Hashimoto, T. Hatayama, T. Matsushita, Y. Kato, H. Daimon “Site-Specific Stereograph of SiC(0001) Surface by Inverse Matrix Method”J. Phys. Soc. Jpn. , 80 013601 (2011).

7. F. Matsui, T. Matsushita, H. Daimon “Stereo Atomscope and Diffraction Spectroscopy — Atomic Site Specific Property Analysis”J. Elecctron Spectrsc. Relat. Phenom. 178-179 221-240 (2010).

8. F. Matsui, T. Matsushita, Y. Kato, F. Z. Guo, M. Hashimoto, K. Inaji, H. Daimon, “Atomic-layer resolved magnetic and electronic structure analysis of Ni thin film on a Cu(001) surface by diffraction spectroscopy” Phys. Rev. Lett., 100 207201 (2008).

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