奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科「組織的な大学院教育改革推進プログラム」








カリキュラム

履修プロセスの概念図

博士前期課程では以下の知識,能力を習得します.

  1. 共通の学力プラットホーム
    広範囲の物質科学の研究を遂行するための基礎として量子力学,固体物理学,量子化学,有機化学を学び,さらに,電子構造に基づく物性物理学または分子構造に基づく分子化学を学びます.
  2. 先端物質科学に関する知識
    融合領域への視野を広げさせるため,他分野を含めた先端物質科学の動向,研究手法,物質科学の先端応用分野の知識を習得します.
  3. 問題解決能力と課題解決のための研究技術
    修士論文研究を通して,研究を行う上で遭遇する問題を解決するのに必要な能力・技術を養います.
  4. 研究交流に必要となる能力
    社会の変化に柔軟に対応して活躍するために,プレゼンテーション能力や討論能力,国際的に活躍するための英語力,適正な倫理感を養います.

博士後期課程では,前期課程で養われた能力に加え,以下の知識,能力を習得します.

  1. 自立した研究者に必要な広い視野と専門分野の深い学識
  2. 自立した研究者として,研究を推進するための課題設定能力,問題発見能力
  3. 研究計画の立案,研究費申請,研究の実施,成果の報告と評価を適切に行う研究経営能力
  4. 国際的に活躍するための英語によるプレゼンテーション能力,コミュニケーション能力
  5. 研究室や研究グループを運営するための企画力,指導力

体系的な教育課程

博士前期課程で行われる講義群は,基礎科目,専門科目,一般科目に分類されています.基礎科目は,共通の学力プラットホーム形成のための光ナノサイエンスコアI-IV(必修),物質科学の先端融合領域の研究を遂行するために必要な専門基礎(物性・デバイス系では電子構造に基づく物性物理学,化学・バイオ系では分子構造に基づく分子化学,選択必修),さらに深い理解を促す現代量子力学特論,現代有機化学特論など専門分野にかかわる科目から構成されており,段階的に学ぶことができるようになっています.これらの基礎科目の履修を通じて形成された周辺分野を含めた基礎学力に基づき,第2セメスター以降,物質科学の先端融合領域を講義する専門科目群を受講します.

専門科目では各研究グループにより示されるモデル履修科目をもとに学生が知識や興味に沿って選択しますが,特定の専門分野の講義のみならず周辺分野や異分野の講義も受講します.この他,適正な倫理観や科学と技術あるいは社会とのかかわりに関する視野を養うため,一般科目として,科学技術と倫理,科学技術政策と知的財産が必修科目として用意されています.

博士論文研究指導における2コース制

博士論文研究を通した教育をより充実させるため,高度な専門性と柔軟な思考能力を備え,自学・自修の精神を持った先端研究者の育成をめざすαコースと,複眼的視野と幅広い技術を身につけた融合領域の開拓を担う先端研究者の育成をめざすπコースの 2 コース制を採用しています.αコースでは前後期課程一貫の研究指導を行い,πコースでは前後期課程で異なる指導教員から複数分野の研究指導を行います.博士前期課程で修了する学生は別途σコースと位置づけています.

グローバル化に対応する英語力とプレゼンテーション能力の養成

前期課程の一般科目では,外国人専任教員による物質科学英語初級を必修としています.この科目は1クラス 15 名以内の少人数対話型指導となっています.年2回 TOEIC 受験を義務付けられており,英語力養成の自己評価が可能です.後期課程では,外国人専任教員による物質科学英語上級,国際学会での発表練習や発音訓練,海外での国際学会での発表や数ヶ月の海外研究機関での研究活動など派遣支援制度が用意されており,その一部は単位として認められます.後期課程学生に対しては,国際スーパーバイザーによる中間審査を行っています.

学位授与への教育プロセス管理

博士後期課程進学希望の学生(αコース,πコース)には,他研究室ならびに他分野の教員を含む教員4名以上からなるスーパーバイザーボードが組織されています.スーパーバイザーは年2回の中間審査を行い,各学生の博士論文の研究進捗状況を適宜把握し,適切な指導,アドバイスを与えるとともに,議論を通してプレゼンテーション能力や討論能力,広い視野や学識等教育プログラムに沿った涵養すべき能力の習得度を評価します.各スーパーバイザーは,これら指導の内容を,当該学生ならびに主指導教員に,専用のWebサイトで報告することとしています.Web上で報告書を開示することで学生,教員は随時閲覧が可能となります.この報告書は各学生のカルテのようなものであり,前期課程1年次より一人の学生を複数のスーパーバイザーが継続して評価し学位の質を保証するとともに円滑な学位取得を促進しています.αコースは修士論文を廃止し,博士学位の1ステップという位置づけの特別課題研究を課して,早期進学・学位授与を促進しています.特別課題研究の内容と質はスーパーバイザーボード/特別課題研究審査委員が厳格に評価しています.また博士論文審査委員会は,スーパーバイザーボードとは独立に組織され,他グループの教員が委員会を主宰することで客観性を高めています.さらに,事前学位審査制度と学外学位論文審査委員の導入により一層の学位審査基準の明確化を行います.

教育方法の工夫

光ナノサイエンスコア科目では,すべての講義において,学生の十分な理解を促すため主担当教員以外の担当教員が演習を行う等,きめ細かく指導し,TAがサポートしています.専門基礎科目では,全ての科目がアドバンストクラス(AC)とエレメンタリークラス(EC)の並列開講になっており,習熟度により選ぶことができます.これまでの複数教員制を進化させた,スーパーバイザーボード制を導入しています.合宿形式で行われる秋期中間審査会は,学生が企画する口頭発表による融合ゼミナールとスーパーバイザーとの議論を中心としたポスター発表により構成されています.融合ゼミナールでは,博士後期課程の学生は英語での発表が義務付けられているほか,学生の評価による講演賞の授与を行っています.

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