NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 ~光ナノサイエンス~

光情報分子科学研究室の野々口斐之特任助教が第28回井上研究奨励賞を受賞

光情報分子科学研究室の野々口斐之特任助教が財団法人井上科学振興財団「第28回井上研究奨励賞」を受賞しました.同賞は,理学,医学,薬学,工学,農学等の分野で過去3年の間に博士の学位を取得した35歳未満(医学・歯学・獣医学の学位については37歳未満)の研究者で,優れた博士論文を提出した若手研究者に対し授与されます.

カルコゲナイド系半導体ナノ結晶の量子閉じ込め効果と光誘起電子移動に関する研究

野々口 斐之

受賞にあたりまして,ご推薦くださいました磯貝彰学長,ご指導くださいました河合壯先生,中嶋琢也先生,スーパーバイザーボードの先生方,先輩,学友の皆様,ならびに本研究に関わった全ての方々に心よりお礼申し上げます.これは私が2006年4月から2009年9月までNAISTにて取り組んだ博士論文研究を評価していただいたものです.この賞ではNAISTの教育研究水準が高く評価されたものと思いますし,これに微力ながら貢献できたことを大変嬉しく思います.これを励みに,今後とも本学の教育研究,学生教育に精一杯取り組んでまいります.

ナノメートルサイズの半導体の結晶,すなわち半導体ナノ結晶は,古典的な無機半導体でありながらそのサイズに依存した様々な量子物性を示すエキゾチックな材料として1990年代から活発な研究が進められてきました.特にカルコゲナイド系半導体ナノ結晶については有機金属化学的手法による容易な合成法が知られており,高発光性が達成されることから広く研究されています.その一方,基礎的な物理化学現象については未だ十分な解明がなされていません.
本研究ではカルコゲナイド系半導体ナノ結晶の一例として比較的発光性が高いCdTeナノ結晶を取り上げ,発光現象と光誘起電子移動特性に着目しました.具体的には,120 K以下における発光量子収率がほぼ100%であるCdTeナノ結晶/イオン液体複合系の開発,励起子の分裂構造とそのサイズ依存性の定量的な実証,光誘起電子移動速度とCdTeナノ結晶の分裂した励起準位のスピン多重度の相関の解明,光重合反応型のイオン液体フォトポリマーの開発,CdS/CdTeナノ結晶における電荷分離発光と直接遷移発光の切り替えなどに成功しました.
従来,ナノ結晶材料の性能を改善するために,結晶性の向上や界面活性剤の探索が行われています.これに対し,本論文のアプローチはイオン液体をマトリクスとして用いることによってナノ結晶材料を強発光化(φ~100%)させたことであり,界面の化学プロセスを最適化することによってナノ材料の励起電子状態の測定を実現した点は当該分野の専門家からも独創的なブレークスルーと認識されました.

 

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