NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 ~光ナノサイエンス~

凝縮系物性学講座の大門教授が社団法人日本表面科学会学会賞を受賞

2010年5月22日,凝縮系物性学講座の大門教授が,社団法人日本表面科学会「学会賞」を受賞しました.同賞は,表面科学の発展に特に顕著な貢献があったと認められる個人研究者を表彰するものです.

放射光二次元光電子分光の開発

このたびは表面科学会学会賞という大変栄誉ある賞を戴き,誠に光栄に存じています.表面科学会は私の本業の表面科学の学会ですので,他の賞にはない嬉しさを感じています.
私はこれまで素晴らしい指導者や仲間に恵まれてまいりました.大学院時代は物理化学の朽津先生に電子散乱を教えていただき,物性研の村田先生には表面科学と光電子分光を教えていただくとともに,黎明期の放射光を使用する機会を与えていただきました.東大理学部物理の井野先生にはRHEEDを教えていただくとともに,その時に発明した新しい2次元分析器の実現を支援していただきました.菅先生には筑波のPFや兵庫県のSPring-8を多くの優秀な学生さんと利用する機会を与えていただきました.これらの先生方のご指導とご支援なくして今日の自分はあり得ませんので,この場をお借りして感謝申し上げます.またNAISTに来てからは,優れた研究環境と支援,および多くのスタッフや共同研究者と学生さんの協力に恵まれて研究が大きく花開きました.これらの方々のご支援にも心よりお礼申し上げます.
表面科学会学会賞という表面科学者にとっての最高の賞を戴きましたので,今後は後進の育成に一層の力を入れたいと思っておりますが,研究のほうもまだまだやりたいことが多いため,これで安心することなく,表面科学会学会賞の名に恥じぬような良い研究を進めていきたいと存じます.今後ともご指導,ご支援のほどよろしくお願い申し上げます.

 「二次元表示型球面鏡分析器」を発明し,それを用いて固体表面の原子構造・電子状態について「放射光二次元光電子分光の研究」を強力に推進し,独自の領域を切り拓いた.発明した分析器では,特定のエネルギーをもつ荷電粒子の放出角度分布を,±60°という広い角度範囲にわたって二次元的に表示することができ,従来の分析器に比べると数千倍効率が高い.この性能が従来より格段に優れていることを数々の実験によって実証した.
直線偏光放射光を励起光として価電子バンドからの二次元光電子パターンを測定すると,その強度分布の異方性から,そのバンドを構成する電子軌道の種類が特定でき,さらにその軌道の結合状態が解析できることを明らかにした.
円偏光励起の二次元光電子パターンを上記の分析器で観測し,前方散乱ピークが軌道角運動量に従って回転することを発見した.さらに,この前方散乱ピークの回転現象を利用して,原子配列の立体写真を撮る手法を発明した.左右円偏光を用いて一組のパターンを測定すると,右目および左目から対象物を見た視差に対応した像となり,原子配列を10億倍に拡大して直視できる立体写真となることを導いた.

凝縮系物性学講座のホームページはこちらをご覧ください.

トピックス

  • Youtube 物質創成科学研究科・オフィシャルチャンネル
  • 大学へのアクセス・問合せ

ピックアップコンテンツ

  • 新領域を切り拓く光ナノ研究者の養成
  • ITP 若手研究者インターナショナルトレーニングプログラム
  • ナノテクノロジープラットフォーム 分子・物質合成プラットフォーム
  • グリーンフォトニクス研究プロジェクト
    • 年間予定表
    • 物質創成科学研究科 公式Facebookページ