NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 ~光ナノサイエンス~

凝縮系物性学講座 松岡弘憲君が第16回ゲートスタック研究会において服部賞を受賞

2011年1月21日から23日にかけて開催されたゲートスタック研究会 -材料・プロセス・評価の物理- (第16回研究会)において,凝縮系物性学講座の松岡弘憲君(博士前期課程2年)が服部賞を受賞しました.本研究会は,応用物理学会 薄膜・表面物理分科会/シリコンテクノロジー分科会共催によるもので,ゲートスタックを中心として半導体デバイス全般に渡る産・官・学の第一線の研究者が,基礎から応用までを理論と実験の両面から議論し,本分野の発展に貢献することを目的としています.
服部賞は,特に優秀と認められ,その知見が広く半導体産業に貢献すること大であると評価された発表に授与されます.

Electronic Structure and Effective Masses in Ge(110) Surface by High-resolution Angle-resolved Photoelectron Spectroscopy

(発表者)松岡弘憲(M2)
(主な共著者)武田さくら(助教), 大門寛(教授)

大変名誉ある賞を頂きとても光栄に思います.また,熱心かつ丁寧なご指導をいただいた大門寛教授,武田さくら助教をはじめとする本講座の教員・学生の皆様,ならびに共同研究者の半導体理工学研究センター(STARC)の吉丸正樹氏,副指導教員の超高速フォトニクス講座,黄晋二准教授に心より感謝します.特に,共著者の森田誠さん(D3),田畑裕貴さん(M2)には装置の保守や解析など多くの面で助けて頂きました.また山口樹さん(M2),坂田智裕さん(M1)には実験の補助をして頂きました.彼らの惜しみない協力なくして本受賞は実現し得えませんでした.心より感謝致します.

従来,半導体デバイスのキャリア有効質量はサイクロトロン共鳴による算出が主流であり,それは結晶面内で平均化された値でしか求めることができませんでした.バンド構造から直接求めることができれば任意の結晶方位毎の有効質量がわかり,これはチャネルエンジニアリングには欠かすことのできない重要な情報となり得えます.
本研究で用いたGe(110)という表面は次世代トランジスタ材料として高く期待されているにも関わらず,その物性は未解明な部分が多いのが現状です.今回の研究ではGe(110)表面におけるバルクバンドの観測に世界で初めて成功し,その有効質量がSiに比べ優れていることを実験的に証明しました.
また,今回Ge(110)表面における反転層中のバンド分散を測定することで新奇な物性を観測することにも成功しました.この測定は(110)表面内に存在するすべての対称軸において成功し,これより結晶方位毎の有効質量の異方性を明らかにすることができました.

凝縮系物性学講座のホームページはこちらをご覧ください.

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