NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 ~光ナノサイエンス~

光機能素子科学研究室の竹原宏明特任助教が第13回有機分子・バイオエレクトロニクス分科会奨励賞を受賞

2015年9月15日、研究推進機構の竹原宏明特任助教(光機能素子科学研究室)が第13回有機分子・バイオエレクトロニクス分科会奨励賞を受賞しました。同賞は、応用物理学会有機分子・バイオエレクトロニクス分科会より、有機分子エレクトロニクスおよびバイオエレクトロニクス分野の進歩向上に貢献すると期待される優れた若手研究者に対して送られるものです。

Lab-on-a-brain: Implantable micro-optical fluidic devices for neural cell analysis in vivo”, Scientific Reports 4, 06721 (2014).

Hiroaki Takehara*, Akira Nagaoka*, Jun Noguchi, Takanori Akagi, Haruo Kasai and Takanori Ichiki, (*equal contribution)

この度は、第13回有機分子・バイオエレクトロニクス分科会奨励賞を頂戴し大変光栄に思います。本受賞にあたり、東京大学大学院工学系研究科の一木隆範准教授、同医学系研究科の河西春郎教授をはじめ、共同研究者の皆様に感謝いたします。今回の受賞を励みとし、今後もより一層研究活動に精進して参ります。

本研究では、マウスの頭部に搭載可能なマイクロオプト流体デバイスを用い、マウスの脳の神経細胞の観察と、脳への試薬の直接投与を可能にする新たな研究手法「ラボ・オン・ブレイン」を世界で初めて開発しました。「ラボ・オン・ブレイン」のコンセプトは、マウスの頭部に小さな実験室を作ることを目指した埋め込み型のマイクロ集積化システムです。

脳機能の解明や脳疾患の治療法開発のためには、生きた脳で神経細胞を解析する必要があります。しかし、生きた脳に対して不用意に実験操作を加えると、脳は容易に損傷し本来の機能が失われてしまう可能性があります。そこで本研究では、マウスの頭部に搭載可能なマイクロオプト流体デバイスを用い、脳を保護して恒常性を維持しながら、光学顕微鏡による神経細胞の観察や試薬の直接投与といった実験操作を可能としました。本手法を用いることで、脳機能に密接に関わる神経細胞のスパインシナプスのわずかな構造変化を、53日間の長期にわたり観察することが可能となりました。さらに、脳組織に対して光解離性試薬であるケイジドグルタミン酸を投与し、レーザー光により可塑性刺激を繰り返し与えたところ、任意のスパインシナプスに対して形態変化を生じさせることに成功し、その変化が数日以上持続することを世界で初めて確認することができました。本手法は、脳に直接試薬を投与しながらレーザー光により神経細胞に刺激を与え、神経細胞の形態変化を長期的に観察することを可能としました。このことは、神経細胞の形態変化と動物の行動を関連付ける研究を可能とし、モデルマウスを用いた脳疾患研究に有用な可能性があります。本研究で開発した新たな研究手法である「ラボ・オン・ブレイン」は、記憶や学習機能といった脳機能の解明と、神経細胞の形態異常に起因する脳の機能不全疾患の治療法開発への貢献が期待されます。

 

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