情報機能素子科学研究室の藤本裕太君(博士前期課程2年)が2015 International Workshop on DIELECTRIC THIN FILMS FOR FUTURE ELECTRON DEVICES – SCIENCE AND TECHNOLOGY –(IWDTF)において,Young Paper Awardを受賞
受賞概要

2015年11月2-11月4日にMiraikan, National Museum of Emerging Science and Innovation, Tokyo, Japanにて開催された2015 International Workshop on DIELECTRIC THIN FILMS FOR FUTURE ELECTRON DEVICES – SCIENCE AND TECHNOLOGY –(IWDTF)において,情報機能素子科学研究室の藤本裕太君(博士前期課程2年)がYoung Paper Awardを受賞しました.同賞は,発表者55 件の中から5名に贈られました.
- 研究題目・論文タイトル
Characterization of Thermoelectric Properties of Amorphous InGaZnO Thin Film
- 研究者・著者
藤本 裕太(M2), 上沼 睦典(助教), 石河 泰明(准教授), 浦岡 行治(教授)
受賞者コメント
この度は熱電分野における大変栄誉ある賞をいただき,大変光栄に思います.この度,2015 International Workshop on DIELECTRIC THIN FILMS FOR FUTURE ELECTRON DEVICES – SCIENCE AND TECHNOLOGY –(IWDTF)において,私たちの研究内容を高く評価していただいたことを大変光栄に感じております.今回の受賞に関しまして,浦岡教授を始めとして,石河准教授,上沼助教,及びご指導いただきました情報機能素子科学研究室のスタッフの方々と,研究室の皆様に,この場を借りて深く御礼申し上げます.本研究で行った熱電デバイスへ向けてのa-InGaZnOの熱電特性評価とその理論解析手法への着目が高く評価され受賞に至ったのだと思います.本賞を励みに,今後とも日本の物質科学の発展に貢献していきたいと思います.
受賞対象となった研究の内容
熱電変換素子はエネルギーの最終形態である熱を利用することから,非常に汎用性が高い電力供給源として期待されています.最近では、膨大に存在する室温廃熱の回収として室温度域で活躍する新規材料が必要とされており,我々はa-IGZO(a-InGaZnO)薄膜の熱電デバイス応用について検討を行っています。a-IGZOは,透明・フレキシブル性・キャリア濃度の制御性が良いなどの特長を持ち,薄膜トランジスタ分野においてはフレキシブルエレクトロニクスなどへの応用が研究されています.このa-IGZOが熱電変換材料として利用できれば,透明フレキシブル熱電素子やセンシング素子などへの応用が可能であると考えられます.本研究は,キャリア密度制御によるa-IGZO薄膜の熱電特性についての評価を報告したものです.その結果として,成膜時の酸素流量比におけるキャリア密度制御のみで,これまでの報告よりも大幅な熱電性能の向上に成功しました.さらに,理論解析手法によりa-IGZOの熱電特性について解析し,フレキシブル熱電素子への実現のための新たな知見となりました.
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