NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学領域 ~光ナノサイエンス~

ナノ高分子材料研究室の信岡宏明さん(博士前期課程2年)が第8回CSJ化学フェスタ2018において優秀ポスター賞を受賞

2018年10月23日(火)~25日(木)にタワーホール船堀(東京都)にて開催されました第8回CSJ化学フェスタ2018において、ナノ高分子材料研究室の信岡宏明さん(博士前期課程2年)が、「優秀ポスター発表賞」を受賞しました。本学会では、1)最先端の化学と化学技術に関する産学官の交流深耕による化学、化学技術及び産業の発展への寄与とイノベーション強化、2)化学の成果と未来に向けた化学の貢献努力の社会への発信という二つの趣旨のもと、約3,000名が参加したものです。本賞は、「学生ポスター発表」に対して、①研究に対して発表者が十分に寄与していること、②質疑応答に優れていること、③独自性が認められ今後の発展が期待できること、の3つの観点から審査され、8分野1,032件の発表に対して、184件が選出されました。

アルデヒドを利用したエステルフリー型トリメチレンカーボネート誘導体の新合成法

信岡宏明・網代広治(特任准教授)

この度、第8回CSJ 化学フェスタにおいて優秀ポスター発表賞を受賞することができ大変光栄に存じます。今回の受賞にあたり、網代特任准教授をはじめとするナノ高分子材料研究室の皆様に厚く御礼申し上げます。今回の受賞を励みにより一層研究に邁進し、医用材料応用に貢献していく所存です。

【緒言】

ポリトリメチレンカーボネート(PTMC)は、生分解性を有し毒性の低いジオールと二酸化炭素に分解することから医療材料への応用が考えられている。しかし、多くのPTMC 誘導体は側鎖にエステル結合を有するため分解時に酸性化合物が産出し、体内では炎症源となりうる可能性が否めない。一方我々はこれまでに、PTMC側鎖にエーテル結合で直接機能性置換基の導入を検討してきた。しかし、一級アルコール由来の置換基のように限られた構造しか導入できないのが現状であった。

本研究では、エステルフリー型PTMC誘導体の多様性を高めることを目的とし、種々のアルデヒド化合物を出発物に利用した新規合成法を考案したので報告する。

【実験】

モノマーの合成はScheme 1 の合成経路で行った。また、使用した各アルデヒド化合物をFigure 1に示した。ポリマーの合成は、2,2-Dimethyl-1-propanolを開始剤とし、DBU を触媒として行った。

 

 

【結果・考察】

Scheme 1 において反応が進行したのは芳香環を有するアルデヒドのみであった(Figure 1a, 1b, および 1c)。この結果からScheme 1のジオール合成のステップでは芳香性のアルデヒドが適していることがわかった。また、ジオール合成ステップにおける収率はそれぞれ、58 % (Figure 1a)、54 % (Figure 1b)、7 % (Figure 1c)であったことから、芳香環の電子密度が反応の進行に影響していることが示唆された。

なお、バニリン由来のTMC誘導体(Figure 1b)をモノマーとして重合すると、分子量が6,000 程度のポリマーを得ることができた。

 

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