光機能素子科学研究室
教員・キャッチフレーズ
教授:太田 淳
准教授:笹川 清隆
客員准教授:田代 洋行
助教:春田 牧人
特任助教:竹原 浩成
研究室URL: https://mswebs.naist.jp/LABs/pdslab/index-j.html
本研究室では、新しい構造や機能を備えた光機能素子(デバイス)を創り出し、バイオメディカル分野を中心とした新しい応用展開を探求しています。光エレクトロニクスをベースにしながら、多様な分野にまたがる研究を、異分野の研究グループとの活発な共同研究によって進めています。我々のチームで新しい研究分野に挑戦したい、アクティブな諸君の参加を心待ちにしています。
研究を始めるのに必要な知識・能力
エレクトロニクスが研究の軸になりますが、どのような理系分野からでも習得してもらえる研究室のトレーニングプログラムを準備しています。何より、そして唯一必要なのは工学研究への興味と学ぶ意思です。
研究室の指導方針
配属学生諸君全員にCMOS光集積回路設計にチャレンジしてもらい、CMOSエレクトロニクスの基礎を身につけてもらいます。そのうえでテーマごとに異なる取り組みを行ってもらいます。テーマは各人の興味と特性、希望を考慮して決定します。テーマごとに担当教員が継続的にサポ ートしながら、すべてのテーマについて教員チーム全員が参加して指導しています。学生諸君の自主性を尊重し、独創的なアイディアが出てきたら、積極的に取り入れて進めます。
この研究で身につく能力
テーマによらず、全員に光エレクトロニクス、特にCMOS光センサデバイスの設計・評価の能力を身につけてもらいます。そのほかはテーマごとに、半導体プロセス技術、バイオ向け光デバイスの実装技術、イメージセンサシステムの構築や評価、バイオ研究者との共同実験による実証実験を習得してもらいます。さらにどの研究テーマでも、指導教員や研究室内外の共同研究者とのコミュニケーション能力を高めてもらい、チーム研究の経験を積んでもらう体制になっています。
修了生の活躍の場
修了生の大半は、主要電機メーカーを中心とした企業に就職し、技術職に就いています。一部はコンサルタントやマネジメントを業務とする企業に就職しています。研究分野、および研究室で身につく能力が産業界のニーズとマッチするため、博士後期課程修了生についても大手エレクトロニクスメーカーの研究部門への就職が最も多くなっています。
研究内容
本研究室では、高度情報化社会・超高齢化社会で中心的役割を担う画像情報を高速かつ柔軟に処理するための新しい光機能性の物質科学と素子機能創成の研究開発を目指しています。研究項目の具体例は以下の通りです。
- 人工視覚システムの研究開発
・視覚再生を目指した人工視覚デバイスに向けた高密度な刺激を可能とする電極材料およびCMOS-LSIによる超小型制御チップの開発(図2)。 - 脳内埋込バイオメディカルフォトニックデバイスの研究開発
・脳神経活動や神経伝達物質の光刺激や計測に向けた脳内埋込デバイス(図3)。具体的には超小型イメージセンサ、電気化学的手法を組み合わせたマルチモーダルセンサ、光刺激用刺入型デバイスなど。 - スマートイメージングシステムの研究開発
・システム・オン・チップ技術に基づく高機能なCMOS制御イメージセンサおよびその応用システム。具体的には、高感度偏光変化量イメージング、電界イメージング、近赤外光によるカラー化イメージングなど。


図2:人工視覚システム


研究設備
- フォトニックデバイス作製・評価設備:DRIE、RIE、抵抗加熱蒸着装置、スパッタ装置、パリレンコーター、アッシャー、ワイヤーボンダー(ウェッジ,ボール)、フリップチップボンダー、レーザー加工機、レーザーリペア、マスクアライナー(密着、両面、縮小投影)、UV照射装置、SEM。
- フォトニックLSI設計・評価設備:EWS、LSI設計CAD、デバイスシミュレータ(SPECTRA)、光学シミュレータ(ZEMAXなど)、半導体パラメータアナライザ、データジェネレータ、ロジックアナライザ、ネットワークアナライザ、マニュアルプローバ、蛍光顕微鏡、電気生理実験設備、細胞培養設備等。
研究業績・共同研究・社会活動・外部資金など
- 共同研究:ヒューストン大学、台湾国立交通大学、モントリオール理工科大学、京都大学(医学)、大阪大学(医学、薬学)、熊本大学(薬学)、名古屋市立大学(薬学)、(株)ニデック、ほか
- 日本学術振興会第125、131、174委員会
- 応用物理学会、電気学会、映像情報メディア学会、電子情報通信学会、IEEE(米国電気学会)ほか