データ駆動型化学研究室
教員・キャッチフレーズ
教授(兼任):浦岡 行治
特任教授:船津 公人
准教授:宮尾 知幸
特任助教:Swarit Jasial
研究室URL:http://www-dsc.naist.jp/data-driven_chemistry/
データ駆動型化学でものづくりのイノベーションを!
研究を始めるのに必要な知識・能力
基礎的な機械学習の知識があり、およびいくつかのプログラミング言語を使えることが望ましいですが、必須ではありません。有機化学、創薬化学、材料化学、化学工学のいずれかの分野に関する知識があることが有益な研究につながります。
研究室の指導方針
データ駆動型化学の研究を通して、実用的な課題へのデータ解析、モデリング、そしてそれらを通した新規材料設計などを行い、データ駆動型化学の応用性を身をもって体験してもらう教育を実施したいと考えています。オープンで積極的な議論ができる研究室を目指して行きたいと考えています。
この研究で身につく能力
化学の諸問題をデータサイエンスの視点で解決する実践的能力が身につきます。これに伴って化学データの解析法、化学構造のコンピュータ上での取り扱いなど、新しい化学研究のための基礎および応用力が身につきます。
修了生の活躍の場
化学系企業等では今まさにデータ駆動型化学を定着させようとしています。したがって、社内でのデータ駆動型サイエンスの中核的な人材として位置づけられる活躍をするものと思います。
研究内容
化学および化学工学に関わる予測と設計に関する諸問題を、ケモインフォマティクス(化学情報学)を武器に、シミュレーションを通して解決する研究を行います。ケモインフォマティクスとは、コンピュータを利用した情報処理技術を基盤として、化学に関する様々な問題の解決を目指す比較的新しい研究分野で、様々な課題に対して実用的な成果を挙げています。 我々人類を取り巻く環境(化学システム)の良好な改善と最適化は、一つ一つの構成要素や要素技術の最適化によって実現できる訳ではありません。多くの場合、目的の達成には構成要素や要素技術間のトレードオフの問題が出てくるからです。この解決は、分子レベル、マクロレベルの構造情報、制御情報および物質の安全性など、化学の様々な情報およびツールを互いに連携・統合させ、総合的に評価することによってはじめて実現されます。データ駆動型化学研究室ではこのような視点から、実社会への貢献を念頭に新規材料設計・分子設計および化学製造プラントの監視と制御など、まさにコンピュータによってしか取り組めない斬新なアイデアと研究成果を世の中に発信し続けていきます。化学システム設計に寄与する知的情報基盤の構築にも取り組んでいます。化学情報との関わり方が、化学研究のスタイルを変えつつあります。化学分野におけるビッグデータへの取り組みも始まりました。データ駆動型化学研究室はその先頭に立つ研究室です。
研究設備
一人一人にゆとりのある大きさの机とデスクトップPCに加え、深層学習やシミュレーション用の研究室専用計算機サーバーがあります。またケモインフォマティクス解析やシミュレーションのためのライブラリやソフトウェアも準備しています。学生の皆さんが必要とする計算機環境などは十分に手当てする予定です。
研究業績・共同研究・社会活動・外部資金など
ケモインフォマティクス、化学工学関係の著名な論文誌に200報を超える論文を掲載しています。また、企業や大学(海外含む)との共同研究も大変に盛んで、先端的な課題をともに解決しています。有機合成のためのAI手法開発を目的として、学術変革領域研究A:デジタル有機合成(21A204)(R 3―7年度)のA03班計画班に参画しています。