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量子物理工学研究室の市場賢政さん(博士前期課程1年)、伊藤豪汰さん(博士前期課程2年)、岡崎魁さん(博士前期課程1年)が応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ第4回研究会(第20回次世代先端光科学研究会)において講演奨励賞および若手奨励賞を受賞

受賞概要

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2021年11月1-2日に別府にてハイブリッド開催された応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ第4回研究会(第20回次世代先端光科学研究会)において、量子物理工学研究室の、市場賢政さん(博士前期課程1年)が応用物理学会研究グループの講演奨励賞を、伊藤豪汰さん(博士前期課程2年)、岡崎魁さん(博士前期課程1年)が次世代先端光科学研究会からの若手奨励賞を受賞しました。同賞は27件の発表の中から各3名(計6名)の優秀者に授与されました。

【写真左から河口範明准教授、岡崎魁さん、市場賢政さん、伊藤豪汰さん】

研究題目・論文タイトル

・(市場)Tb添加Mg2SiO4単結晶の放射線誘起蛍光特性

・(伊藤)Ce添加CsCl-SrCl2-ZnCl2ガラスの作製および放射線誘起蛍光特性

・(岡崎)Bi4Ge3O12:Er3+単結晶の光学及びシンチレーション特性

研究者・著者

・市場賢政 (M1), 竹渕優馬 (D1), 木村大海 (D3), 加藤匠 (助教), 中内大介 (特任助教), 河口範明 (准教授), 柳田健之 (教授)

・伊藤豪汰 (M2), 木村大海 (D3), 白鳥大毅 (D2), 中内大介 (特任助教), 加藤匠 (助教), 河口範明 (准教授), 柳田健之 (教授)

・岡崎魁 (M1), 福嶋宏之 (D2), 中内大介 (特任助教), 小野田大地 (M2), 加藤匠 (助教), 河口範明 (准教授),柳田健之 (教授)

受賞者コメント

(市場)このような栄えある賞を賜り大変嬉しく感じております。ご助力くださった柳田先生をはじめとする先生方、先輩方に深く感謝を申しあげます。本受賞を励みに今後も研究に邁進していきたいと考えております。

(伊藤)このような素晴らしい賞を賜り大変嬉しく感じております。本受賞を励みに今後も研究に邁進していきたいと思います。ご助力くださった先輩方、先生方に感謝するとともに,今後も研究活動に励みたいと考えております。

(岡崎)この度は若手奨励賞を賜り、誠に光栄に存じます。日頃からご指導いただきました柳田教授をはじめとする先生方、先輩方にこの場を借りて深く御礼申し上げます。今回の栄えある受賞を励みとし、今後も研究活動に精進して参ります。

受賞対象となった研究の内容

(市場)ドシメータ材料は放射線によるエネルギーを蓄積し、その後光や熱などの外部刺激を加えることで発光が生じる物質です。このため、ドシメータ材料は主に個人被ばく線量計やイメージングプレートなどに用いられています。本研究では、不透明セラミックスと比較して光読み取り効率が高い単結晶に着目し、Tb添加Mg2SiO4単結晶の作製および特性の評価を行いました。その結果、同試料が個人被ばく線量計として実用化されているTb添加Mg2SiO4セラミックスより高い発光強度を有することを見出しました。

(伊藤)シンチレータの材料形態は主に単結晶が用いられてきましたが、ガラスは単結晶と比較すると生産コストが低いことや成型性が高いなどの産業的な利点があります。現在実用化されているガラスシンチレータは軽元素で構成された中性子計測用のみであり、X・γ線計測を目指した重元素ガラスシンチレータの開発が求められています。本研究ではCeを添加した20CsCl-20SrCl2-60ZnCl2ガラスを作製し、Ce濃度変化に伴うシンチレーション特性への影響を明らかにしました。

(岡崎)シンチレータは電離放射線を吸収し、即発的に無数の光子に変換する蛍光体であり、放射線計測器として多岐に渡る分野で利用されております。これまで主に紫外-可視領域に感度を有する光検出器に適した発光を示すシンチレータが開発されてきましたが、近年の光検出器の多様化や高線量場モニタリングなどへの優位性から近赤外発光を呈するシンチレータの開発が注目を集めております。本研究では、実効原子番号の観点からX線やγ線の計測に優位性を持つBi4Ge3O12単結晶に長波長領域の発光を示すErの添加に成功し、可視-近赤外領域のシンチレーション特性を明らかにしました。


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