1. ホーム
  2. Topics
  3. 教育・研究成果
  4. 物性情報物理学研究室の服部賢准教授が2022年度日本表面真空学会論文賞を受賞

物性情報物理学研究室の服部賢准教授が2022年度日本表面真空学会論文賞を受賞

受賞概要

公益社団法人日本表面真空学会では、論文賞・熊谷記念真空科学論文賞・会誌賞・奨励賞・技術賞の制度を設けております。
候補論文は会誌「表面と真空」・「e-Journal of Surface Science and Nanotechnology」を対象とし選定することとしております。
論文賞は、受賞年の前年度(1月〜12月)を含む過去2年間に本学会誌または本学会発行のe-Journal of Surface Science and Nanotechnologyへ掲載された原著論文が、表面・真空科学の進歩発展に特に大きく貢献したと認められる個人会員に授賞するものです。

この制度に従い、会誌等におきまして、論文賞候補の推薦を依頼し、それらの論文に関して厳正な審査を行いました結果、下記の論文に対して2022年度の論文賞を贈呈することに決定いたしました。



20230520服部先生SNS写真.jpg
【写真は受賞者、服部賢准教授(右)と福谷日本表面真空学会会長(左)。ハイブリッド授賞式のため、スクリーンに画面が映し出された状態での授与となった(2023年5月20日東京大学理学部小柴ホールにて)】


研究題目・論文タイトル

論文:Spatial Analytical Surface Structure Mapping for Three-dimensional Micro-shaped Si by Micro-beam Reflection High-energy Electron Diffraction

掲載号・頁:e-J. Surf. Sci. Nanotech. Vol. 19 (2021) pp. 13-19.


研究者・著者

受賞者:Sohei Nakatsukaa, Taishi Imaizumia, Tadashi Abukawaa,b, Azusa N. Hattoric, Hidekazu Tanakac, Ken Hattorid

所属:aInstitute of Multidisciplinary Research for Advanced Materials, Tohoku University, bInternational Center of Synchrotron Radiation Innovation Smart, Tohoku University, cThe Institute of Scientific and Industrial Research, Osaka University, dGraduate School of Science and Technology, Nara Institute of Science and Technology


受賞対象となった研究の内容

Si(110)表面上に人工的に設計・作製した立体的なマイクロロッド形状において、形状表面の場所に依存する表面構造をマイクロビームの反射高速電子回折を用いて研究した。その結果、マイクロロッドの上面や底面では予想通り(110)16×2ダブルドメイン構造、側面では{111}7×7構造であるものの、底面のマイクロロッド近傍では、{35 47 7}構造、さらには(110)16×2シングルドメイン構造が安定構造として出現することが分かった。

受賞者コメント

人工的に設計・作製した立体形状材料の形状制御や表面制御は、立体形状デバイスの応用にとり重要になってきております。従来の表面科学という基礎分野においては、いわゆる薄膜などの平坦な平面形状が中心で、立体形状という観点でその形状・表面に注目した研究はありませんでした。今回、私のグループが中心となり推進してきました立体形状に関する形状・表面の研究にスポットライトが当てられたのは、私たちにとっても大変嬉しいかぎりですが、表面科学にとっても一つのエポックになることを願ってやみません。



物性情報物理学研究室のホームページはこちらをご覧ください。