量子物理工学研究室の竹渕優馬さん(博士後期課程3年)、市場賢政さん(博士後期課程1年)、青木瑞晃さん(博士前期課程2年)、西川晃弘さん(博士前期課程2年)が応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ第10回研究会 兼 第26回次世代先端光科学研究会において講演奨励賞及び若手奨励賞を受賞
受賞概要
2023年4月6~7日に仙台およびオンラインにてハイブリッド開催された応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ第10回研究会 兼 第26回次世代先端光科学研究会において、量子物理工学研究室の西川晃弘さん(博士前期課程2年)が応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ 講演奨励賞を受賞しました。同賞は28件の発表から3件の優秀な発表に対し表彰されました。また竹渕優馬さん(博士後期課程3年)、市場賢政さん(博士後期課程1年)、青木瑞晃さん(博士前期課程2年)が次世代先端光科学研究会 若手奨励賞を受賞しました。同賞は28件の発表の中から5名の優秀者に授与されました。
【左から青木さん (M2)、市場さん (D1)、河口准教授、竹渕さん (D3)、西川さん (M2)】
受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント
講演奨励賞 西川晃弘さん(M2)
【研究題目・論文タイトル】
Eu添加Hf2O-Al2O3-SiO2ガラスのシンチレーション特性
【研究者・著者】
西川晃弘 (M2)、白鳥大毅 (東京理科大・助教)、加藤匠 (助教)、中内大介 (特任准教授)、河口範明 (准教授)、柳田健之 (教授)
【受賞対象となった研究の内容】
シンチレータとは電離放射線を紫外-可視光子に変換する蛍光体であり、組成の自由度や加工性に優れるガラスに着目しガラスシンチレータの開発を目指しました。先行研究でシンチレータ特性が評価されたSn:HfO2-Al2O3-SiO2ガラスのSnをEuに置き換えそのシンチレータ特性を評価しました。その結果、シンチレータの発光中心として適当なEu2+の発光が確認でき、先行研究を越える630 ph/MeVの発光量が得られました。
【受賞者コメント】
この度、講演奨励賞という栄えある賞を頂き、大変嬉しく光栄に感じております。ご指導くださった柳田先生をはじめとする教員方、先輩方に深く感謝を申しあげます。本受賞を励みに今後も研究活動に邁進していく所存でございます。
若手奨励賞 竹渕優馬さん(D3)
【研究題目・論文タイトル】
Dy添加MgGa2O4単結晶のドシメータ特性
【研究者・著者】
竹渕優馬 (D3)、加藤匠 (助教)、中内大介 (特任准教授)、河口範明 (准教授)、柳田健之 (教授)
【受賞対象となった研究の内容】
ドシメータ材料は放射線のエネルギーを蓄積する機能を有する蛍光体であり、個人被ばく線量計やイメージングプレートなどに応用されています。本研究では新規の高効率なドシメータ材料の開発を目的として、Dy添加MgGa2O4単結晶の作製およびドシメータ特性の調査を行いました。調査の結果、Dyを0.3%添加した試料が市販のドシメータ材料と同程度のX線検出性能を有することを明らかにしました。
【受賞者コメント】
このような栄誉ある賞を頂き大変光栄に感じております。日頃よりご助力いただいた皆様方に深く感謝申し上げます。本受賞を励みにこれからも研究に尽力していく所存でございます。
若手奨励賞 市場賢政さん(D1)
【研究題目・論文タイトル】
Eu添加YVO4単結晶の放射線誘起蛍光特性
【研究者・著者】
市場賢政 (D1)、竹渕優馬 (D3)、加藤匠 (助教)、渡辺賢一 (九州大・教授)、 中内大介 (特任准教授)、河口範明 (准教授)、柳田健之 (教授)
【受賞対象となった研究の内容】
シンチレータは放射線のエネルギーを即時に低エネルギーの光子に変換する材料であり、医療・宇宙物理・セキュリティ等多岐に渡る分野で利用されています。本研究では市販赤色蛍光体であるEu添加YVO4の単結晶化に成功し、発光量の定量化を行いました。1.0%Eu添加YVO4単結晶が市販品であるBi4Ge3O12の5.5倍となる44,000 ph/MeVの発光量を示すことを明らかにしました。
【受賞者コメント】
このような素晴らしい賞を賜り大変光栄でございます。日頃から熱心にご指導くださいます柳田先生をはじめとする教員方,先輩方に深く感謝を申しあげます。この賞を糧に今後も研究活動に邁進していきたいと思っております。
若手奨励賞 青木瑞晃さん(M2)
【研究題目・論文タイトル】
Tb添加CaGdAlO4単結晶のX線誘起発光特性評価
【研究者・著者】
青木瑞晃 (M2)、竹渕優馬 (D3)、中内大介 (特任准教授)、加藤匠 (助教)、河口範明 (准教授)、柳田健之 (教授)
【受賞対象となった研究の内容】
ドシメータ材料は放射線のエネルギーを蓄積する機能を有する蛍光体であり、個人被ばく線量計やイメージングプレートなどに応用されています。本研究ではTb添加CaGdAlO4単結晶の放射線照射時の発光特性について評価を行いました。その結果、TSL線量応答特性において0.1%Tb添加試料が実用品を超える1 μGyの低線量まで感度を有することが明らかになりました。
【受賞者コメント】
この度は極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ 第10回研究会にて若手奨励賞を頂き、大変光栄に存じます。日頃よりお世話になっております共著者の皆様に深く御礼申し上げます。本受賞を励みにこれからも研究に尽力していきたいと思います。
量子物理工学研究室のホームページはこちらをご覧ください。