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機能有機化学研究室の黒崎澪さん(博士後期課程3年)、加納春華さん(博士後期課程2年)が、第53回構造有機化学若手の会 夏の学校においてポスター賞およびポスター講師賞を受賞

受賞概要

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2022年8月10日から8月12日に東京大学にて開催された、「第53回構造有機化学若手の会 夏の学校」にて、機能有機化学研究室の博士後期課程3年黒崎澪、博士後期課程2年加納春華がそれぞれ「ポスター賞」および「ポスター講師賞」を受賞しました。同賞は、構造有機化学の研究に携わる学生と若手研究者を中心に研究成果の発表、議論を通して交流し、優秀な講演を行った学生を表彰することで、その成果を称えることを目的として、授与されるものです。本年度は、ポスター発表した93名のうち12名が受賞しました。

【写真左より 黒崎さん、加納さん】


研究題目・論文タイトル

(黒崎)一連の4,10-直接結合型環状ピレン多量体の合成と構造変換

(加納)コラニュレンケージの合成

研究者・著者

(黒崎)黒崎澪、山田容子、荒谷直樹

(加納)加納春華、藤木道也、山田容子、荒谷直樹

受賞者コメント

(黒崎)このような栄えある賞に選出していただき、大変光栄に存じます。山田先生、荒谷先生をはじめとした先生方、ご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます。

(加納)このようなすばらしい賞に選出していただき,大変うれしく思います。共同研究としてご協力いただいた藤木先生や、ご指導いただきました山田先生と荒谷先生,いつもお世話になっている研究室のメンバーに深く感謝申し上げます。これからも研究がんばります。

受賞対象となった研究の内容

(黒崎)芳香族炭化水素で形成する大環状分子は特異な構造をもつナノカーボンであり、有機エレクトロニクス材料への応用も期待されています。本研究では、5,9-ジヨードピレンのカップリング反応により、複数の異性体を有する一連の4,10-直接結合型環状ピレン多量体を合成し、巨大なナノカーボンリングを単離することに成功しました。また、加熱によって構造異性体の対称性が変化することを明らかにし、その熱力学的特性を解析しました。

(加納)内部に空洞を持つ共有結合性ケージ状化合物は、ゲスト分子を内部に安定に封じ込めることができ、超分子よりも剛直であることから、注目されている分子です。今回私はコラニュレン二分子をつなぎ合わせることで、コラニュレンケージ (c-cage) の合成に成功しました。1H NMRと単結晶X線構造解析の結果、c-cageには反応溶媒に用いたDMFが1分子内包されていることが分かりました。また、熱重量測定から、400度以上に加熱しても取り込まれたDMFが抜けないことがわかりました。光学分割したc-cageは円偏光発光を示し、有機物としては大きな異方性因子 (g = 0.01) をもつことを明らかにしました。


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