情報機能素子科学研究室の髙橋崇典さん (博士後期課程1年) が第42回 (2020年度) 応用物理学会論文奨励賞を受賞
受賞概要

髙橋崇典さんが第41回応用物理学会論文奨励賞を受賞し、2020年9月8日~11日に開催された第81回応用物理学会秋季学術講演会において、受賞式と受賞記念講演が行われました。同賞は表彰年度の前々年と前年(2018 年と2019 年)に機関誌「応用物理」または「Japanese Journal of Applied Physics」、「Applied Physics Express」に発表された論文を対象とし、主たる著者が若手研究者(表彰年度4 月1 日での年齢が35 歳未満)である優秀な原著論文の第一著者に対して授与されるものです。本年度は推薦された12件の論文が査読・評価の対象となり、5名の受賞者が選考されました。
- 研究題目
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Hot carrier effects in InGaZnO thin-film transistor
- 研究者・著者
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Takanori Takahashi, Ryoko Miyanaga, Mami N. Fujii, Jun Tanaka, Kazushige Takechi, Hiroshi Tanabe, Juan Paolo Bermundo, Yasuaki Ishikawa, and Yukiharu Uraoka
受賞者コメント
この度は、応用物理学分野における大変栄誉ある賞をいただいたことを、大変光栄に感じております。また、私たちの研究成果を高く評価していただいたことは大変名誉なことであると実感しております。これもひとえに、共著者の皆さまのご指導の賜物であり、この場を借りて深く御礼申し上げます。本賞を励みに研究活動に邁進していく所存です。
受賞対象となった研究の内容
本論文は、酸化物半導体In-Ga-Zn-Oを用いた薄膜トランジスタ (TFT) における信頼性劣化現象について調査した結果になります。著者らは光学的手法であるエミッション顕微鏡による発光解析と電気的手法である伝達特性と容量-電圧特性の測定結果を解析することで、酸化物TFTにおけるホットキャリアの存在を明確化することに初めて成功しました。本研究によって得られる知見は、酸化物TFTの信頼性劣化現象の理解に繋がるだけではなく、本TFTの高性能化・高信頼性化、酸化物材料やデバイスの設計に指針を与えるものであり、今後、本論文の成果が学術的および産業的にも大きな貢献をもたらすものと期待されます。本論文はApplied Physics Express誌に掲載されています。
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