有機半導体・有機エレクトロニクス・エナジーハーベスティング

Electronics on Any Surface!
2007年以来、私たちはこのビジョンのもと、エレクトロニクスの成立基盤そのものを拡張する研究に取り組んできました。

従来のエレクトロニクスは、平坦で剛直な基板上に構築されることを前提として発展してきました。しかし、分子性材料が持つ安定した閉殻構造、柔軟性、自己組織化、界面特異性といった性質を活用すれば、電子機能はガラスやシリコンに限らず、紙、繊維、生体表面を含む多様な「表面」へと展開できる可能性があります。私たちは、この発想に基づき、IoTという概念が広く認識される以前から、より本質的かつ広がりのある枠組みとして "Electronics on Any Surface" を提唱してきました。 丸めて持ち運べる電子デバイス、着ることでエネルギーを生み出す布、動きに応じて柔軟に形を変える太陽電池などは、その一端にすぎません。重要な点は、こうした機能が分子間相互作用、ヘテロ界面構造、電荷・励起子ダイナミクス、振電相互作用といった基礎物理に深く根ざしている点にあります。

本研究室では、物性物理、電子工学、表面科学、高分子科学、物理化学を基盤として、有機系材料に特有の階層的構造と多体相互作用を理解し、そこから新しいデバイス原理を創出することを目指しています。すなわち、分子スケールの物理や化学からマクロな機能発現に至るまでを連続的に捉える学理の構築そのものが研究対象です。 有機トランジスタ、有機太陽電池、フレキシブル熱電変換素子などを対象に、基礎物性の解明からデバイス機能の実証までを一体的に推進し、エレクトロニクスの適用領域を根本から拡張することを目指して研究を進めています。

さらに、未踏領域における現象解明のために、既存手法では到達できない物理量を取得する独自の評価装置を開発しています。測定技術の創出と現象理解を相補的に進めることで、世界的にも独自性の高い計測・解析基盤を形成しています。

既存の枠組みに収まらない物理現象を探究したい人、材料・界面・デバイス・計測を横断して新しい学理を切り拓きたい人にとって、挑戦的で創造性の高い研究領域です。

当研究室に配属を考えている学生の方へ

物理/応用物理、電気電子工学、機械工学、化学/応用化学、材料科学など、様々な学科で学んだ学生が配属しています。入学前に全てを習っている必要はありませんが、当分野の研究を理解するには、M1の間に以下のレベルの基礎科目が自習できることを必須条件とお考えください。

研究室紹介

紹介記事

紹介ムービー

前回2020年5月の「受験生のためのバーチャルオープンキャンパス」のために制作した研究室紹介ムービーがYouTubeにアップされています(研究室名は旧名称の「有機固体素子科学研究室」です)。興味のある方はご覧下さい。

「布状熱電変換素子」のデモムービーをYouTubeにて公開しました。

更新情報・お知らせ

  • 中村教授が書いたCNT/タンパク質ナノ複合材料研究に関する解説を含む"Thin Film and Flexible Thermoelectric Generators, Devices and Sensors"がSpringer Nature社から出版されました。
  • 有機薄膜成長のバイブルとなるべき教科書「分子の薄膜化技術」がコロナ社から出版されました。
    1980年代から90年代にかけて、有機エレクトロニクスの基礎となる有機薄膜成長の学理が日本でも盛んに研究されていました。その中心的メンバーであった当時の若手〜中堅研究者が集結し、その知識を後世に伝えるべく共同執筆した教科書です。有機エレクトロニクスに関わる人は是非読んで下さい。
  • 中村教授が監修した「フレキシブル熱電変換材料の開発と応用」ハンドブックがシーエムシー出版から刊行されました。
  • 千葉大学G-COE「有機エレクトロニクス高度化スクール」の成果をまとめた大学院レベルの教科書として、Springerから"Electronic Processes in Organic Electronics"が出版されました。