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学術変革領域研究(A)「超秩序構造が創造する物性科学」

本学術変革領域研究の対象である「超秩序構造」とは、ドーパントや空孔・空隙によって形成される特異ナノ構造体を指します。具体例として、点として見なされる格子欠陥ではなく異種元素や空孔による複合欠陥、また、アモルファス中でもトポロジカル的なオーダーを示すナノスケール原子配列などが考えられます。このようなナノスケール秩序、すなわち「超秩序構造」は、「完全秩序」と「完全無秩序」との間に存在する中間的な構造状態としても捉えられます。「超秩序構造」は結晶やアモルファスに高機能性を付与する重要な鍵因子、つまり、材料機能性の宝庫となりうるため、その構造を高度に制御することにより無限の可能性を創出できます。本研究領域では、「超秩序構造」の観測・理解・制御の研究に取り組むことで、新しい材料設計のアプローチを開拓し、高機能材料を探索します。

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放射光を利用した光電子ホログラフィー

機能性材料を作製する際には、母材に微量な元素を添加(ドーピング)したり、表面に原子を吸着・堆積する手法がよく用いられます。これらの添加した原子が形成する原子配列構造は物性に大きく関わっていますので、原子構造の可視化が材料開発の鍵となります。しかし、従来の測定法だけでは見ることはできません。当研究室では材料科学に技術革新をもたらすべく、この微量な添加原子の構造を可視化する実験装置を開発し応用する研究を行っています。大型放射光施設SPring-8や大強度陽子加速器施設J-PARCなどの外部研究機関を利用しつつ研究を進めます。

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原子分解能ホログラムからの立体原子像再生理論研究

原子分解能ホログラフィーは、光電子ホログラフィーに加えて、蛍光X線ホログラフィーや中性子ホログラフィーなどがあります。ドーパントの周囲の原子配列をこれらのホログラムに記録することができます。この研究室では機械学習と散乱の量子論を組み合わせて、原子分解能ホログラムから立体原子配列を再生するオリジナル理論を研究しています。ドーパントの周囲の立体原子配列を可視化し、先端材料の機能発現機構を解き明かす研究をします。

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逆格子空間マッピングによる表面構造解析

ディスプレイやレーザー、太陽電池等に幅広く応用されつつある量子ドットは、結晶相・サイズ・配向・歪みの評価や制御が重要です。ところが既存のX線回折や顕微測定による実験・解析は煩雑で時間を要とするという問題があります。そこで本研究室では複数枚の反射高速電子回折(RHEED)透過パターンから三次元逆空間マップを作成する方位角スキャンRHEED法を提案し、結晶相・配向との一致度を簡便かつ短時間で探索するアルゴリズムを開発します。

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走査トンネル顕微鏡・低速電子線回折・質量分析による原子構造解析

電子励起で分子化学反応を誘導する制御機構とMOS技術との融合は、夢の触媒反応デバイスを目指す基本概念です。本研究室では、これまでにMOS(Fe/wet-SiO2/Si)構造やMOS(Ti/wet-SiO2/Si)構造へのゲート電圧印加によって生成したホットな電子・正孔キャリアの、金属ナノ薄膜層への注入による電子励起脱離に成功しています。MOSによる電子励起脱離機構解明の鍵の一つとして絶縁酸化膜中の欠陥密度が挙げられることから、現在、様々な手法で絶縁酸化膜を改質したMOS構造のゲート電圧印加脱離の挙動について研究しています。

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電子分光と発光分光による電子状態解析

電子状態は、物性の発現機構や、固体デバイス特性を明らかにするうえで基本となる情報です。本研究テーマでは、低次元構造閉じ込めや歪み、電子格子相互作用などによって、電子状態がどのように変わるかを、角度分解光電子分光と計算から明らかにします。また、電子状態に影響を与える、欠陥や歪みを定量的に調べるために、深さ分解発光分光測定や、超高真空ラマン測定などの新しい測定手法の開発を進めます。

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結晶表面に吸着した原子の動的過程

結晶表面に吸着した原子は、表面上を動いたり、結晶に取り込まれたりさまざまに動きます。本研究テーマでは、結晶表面に異種原子を供給したときに、原子がどのように動くか、電子回折などの実験手法を用いて明らかにします。

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新しいホログラフィー実験装置の開発

新たな物理を観測するためには独自の実験装置開発が必須ですが、着想から設計・開発・実装までには幅広い知識が必要となります。多彩なバックグラウンドをもつメンバーとの共同作業を通してお互いに知識を交換しあうことでオールラウンダーな人材育成を目指します。現在、阻止電場型電子エネルギー分析器をベースとした光電子ホログラフィー装置や軟X線蛍光ホログラフィー装置の開発を計画中です。

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