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奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構 研究推進部門・物質創成科学研究科 ナノ高分子材料研究室

TEL. 0743-72-5508

〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916-5

研究内容RESEARCH 

研究概念

高分子間相互作用による高性能化,機能化

高分子材料では、構造を制御すると、高分子間相互作用が効果的に発現して高い性能や機能が発揮されます。そのため高分子材料では、「分子設計」「高分子構造制御」「高分子間相互作用」「高性能化・機能化」という4つのステージが重要です。本研究室では、分子レベルでモノマーを設計し、高分子合成およびナノ構造制御を通じて、機能性高分子材料の創出を行います。
<目指す高性能や機能性の例> ナノ粒子・ナノ薄膜化、高強度材料、耐熱性材料、両親媒性、ガスハイドレート防止能、蓄熱材、選択的接着性、ドラッグデリバリー、分解速度制御、抗血栓性、感熱応答性、pH応答性、光応答性、抗菌性、抗炎症性、細胞接着性など


サブグループ

(A)合成高分子材料グループ

 汎用性の高分子材料を使って、新たな機能性を複数付与したり、力学的強度や耐熱性を制御することを目指します

モノマー分子設計と高分子合成

 【A1】 難水溶性化合物を効果的に担持回収できるオイルゲルについて、ポリスチレン骨格を利用した化学架橋による新しい材料創製を目指しています。有機溶媒には、ポリスチレンを溶解させることが知られている植物由来化合物のリモネンを利用し、低分子化合物との相互作用する部位をスチレンの共重合体として導入します。経皮吸収製剤用基剤や環境汚染物質回収材料として期待しています。
 【A2】 ジオールとジイソシアネート化合物から合成されるポリウレタンについて、それぞれの化学構造や高分子構造を工夫することで、刺激応答性などの複数の機能性を付与したり、高分子物性の高性能化を図ります。例えば感熱応答性を利用した、生体適合性を有するアクチュエータの創製を目指しています。


(B)生分解性高分子材料グループ

 生分解性高分子を使って、特定の病状をターゲットとした機能性を付与することを目指します

ハイドロゲル表面のみにポリイオンコンプレックス層を導入したsPICゲル

 【B1】 加水分解しても酸性有機化合物が生成しないように、生体適合性の高い機能性高分子材料の創出を目指します。トリメチレンカーボネート(TMC)の側鎖にエーテル結合を介して種々の機能性置換基を導入することで新規モノマーを合成し、これをTMC誘導体と共重合させることで、治療をターゲットとしたゲル材料創出を目指します。
 【B2】 加水分解しても酸性有機化合物が生成しないように、生体適合性の高い機能性高分子材料の創出を目指します。トリメチレンカーボネート(TMC)の側鎖にエーテル結合を介して種々の機能性置換基を導入することで新規モノマーを合成し、これをTMC誘導体と共重合させることで、治療をターゲットとした薄膜材料創出を目指します。


(C)両親媒性高分子材料グループ

 両親媒性高分子材料を使って、機能性材料創出を目指します

ナノサイズの粒子やファイバーの構造化

 【C1】 天然ガスは、低温で高圧条件下に曝されると、水と一緒に結晶化して、ガスハイドレートを生成します。これがパイプラインの内部で生じると爆発などの危険性があるため、ガスハイドレード生成防止剤の開発は重要です。水にも油にもなじむ両親媒性のN-ビニルアミド誘導体を分子レベルで設計し、これをガスハイドレート生成阻害剤としての応用を試みています。THFハイドレートの生成観察で評価します。
 【C2】 Nビニルアミドがポリカチオン前駆体であることを利用して、まずノニオン性のゲルを調製し、その表面のみを加水分解することで、カチオン層を化学結合させたゲルを調製します。ここにアニオン性ネットワークを組み合わせると、pH刺激の応答するポリイオンコンプレックス相で包まれたpH応答性のゲル材料が調製できます。

(D)ナノ構造制御材料グループ

 ナノ構造を制御する技術を使って、機能性材料創出を目指します

ナノサイズの粒子やファイバーの構造化

 【D1】 疎水性で生分解せ高分子であるポリ乳酸の末端に、アルデヒド基を導入すると、アミノ基やジオールが、アルデヒドとpHによって可逆的なイミン結合やアセタール結合を形成します。これを利用して、まず新疎水ブロック構造を導入したナノ粒子を調製し、特定のpH環境下で親水性置換基が外れることによって凝集体(クモの巣状)へ変化するナノ材料を構築しました。pH応答性の薬物送達に期待しています。
 【D2】 水素結合を多く有するエリスリトールやマンニトールなどは、その高い融解熱から、蓄熱材として利用されています。熱エネルギーを出し入れするときには形態が固体から液体へ変わってしまい、特定の条件において利用が困難となります。これを微粒子としてナノレベルの薄膜(交互積層薄膜)で包み込むことで、利便性を向上させた蓄熱材としての利用を検討しています。



現在進行中の研究プロジェクト

  • 公益財団法人 旭硝子財団 「生体材料応用を目指したセンチピード型ポリウレタンの創製」(研究代表者:網代広治) <平成30年4月-平成32年3月>
  • 日本学術振興会 二国間交流事業(共同研究) [タイ―日本] 「皮膚の創傷治療を目指したキトサンと生体吸収性合成高分子の複合体」 (日本側研究代表者: 網代広治、タイ国側代表者: Chantiga Choochottiros, Kasetsart University) <平成30年4月-平成33年3月>
  • 奈良先端科学技術大学院大学 平成29年度 次世代融合領域研究推進プロジェクト 「免疫応答と生分解性高分子を融合させた機能性高分子の設計と合成」 (研究代表者:網代広治、研究分担者:河合太郎) <平成29年6月-平成32年3月>
  • 公益財団法人 東電記念財団 「高効率ガスハイドレート防止剤のための高分子合成」 (研究代表者:網代広治) <平成28年4月-平成31年3月>


過去の研究助成リスト


≪ 研究代表者として採択されたもの ≫

  • 日本学術振興会 科研 挑戦的萌芽研究 「ペプチドの構造異性体に着目した非分解性の安全な抗菌性高分子材料の創製」 (研究代表者:網代広治) <平成28年4月-平成30年3月>
  • 科学技術振興機構 さきがけ 「複機能性高分子による循環器治療バイオマテリアルの創出」 (研究代表者:網代広治) <平成26年10月-平成30年3月>
  • 日本学術振興会 科研 挑戦的萌芽研究 「ステレオコンプレックスに関わるファンデルワールス力測定と界面接合による接着材料」 (平成26年4月-平成28年3月)
  • 小笠原科学技術振興財団「キトサンとスルホン含有架橋剤による新規スキャホールドの創製」 (平成26年1月-平成27年3月)
  • 積水インテグレーテッドリサーチ「DNA複製メカニズムを模倣したメタクリル酸誘導体の立体特異性テンプレート重合とその反応機構」 (平成24年10月-平成25年9月)
  • 日本学術振興会 科研 若手研究(B)「表面カチオン化ポリ(N-ビニルアミド)ゲルを利用した新規薬物徐放制御材料の創製」 (平成24年4月-平成26年3月)
  • 新井科学技術振興財団「N-ビニルアミド誘導体を用いた石油パイプライン用安定剤の開発」 (平成24年4月-平成26年3月)
  • 松籟科学技術振興財団「残留農薬物を除去できる保水剤の開発」 (平成23年3月-平成24年3月)
  • 大阪大学MEIセンターgCOE「医・工・情報学の融合による予測医学基盤創製」平成22年度若手研究プロジェクト研究助成「造影剤に用いるナノ粒子表面へ高い生体適合性を付与させるための高分子合成と反応機構の構築」 (平成22年7月-平成23年3月)
  • 昭和報公会「立体規則性を有する両親媒性ブロック共重合体を用いたナノ構造体の構築」 (平成22年4月-平成23年4月)
  • 徳山科学技術振興財団「高分子間相互作用を利用した立体規則性ポリスチレンによる新規ナノ反応場創製」 (平成22年5月-平成23年4月)
  • クリタ水・環境科学振興財団「リサイクル可能な有機溶剤回収用機能性ゲルの創製」 (平成21年10月-平成22年9月)
  • 近畿地方発明センター「立体規則性ポリビニルアミンの合成」 (平成21年4月-平成22年3月)
  • 文部科学省 科研 若手研究(B)「交互浸漬法を用いたポリイオンコンプレックス相形成によるインテリジェントゲルの創製」 (平成21年4月-平成24年3月)
  • 日本学術振興会 科研 若手研究(スタートアップ)「N-ビニルアルキルアミドを成分とする高強度ゲルと経皮吸収製剤用基剤の開発」 (平成19年10月-平成21年3月)

≪ 研究分担者として参画したもの ≫

  • 公益財団法人 日本科学協会 平成29年度笹川科学研究助成 「動的形態変化を指向したバイオベース高分子の合成とソフト界面への展開」 (研究代表者:カン凱) <平成29年4月-平成30年3月>)
  • 日本学術振興会 科研 基盤研究(S) 「高分子の自己集合を用いる機能材料の創製と生医学領域への応用」 (平成23年4月-平成28年3月:研究代表者:明石満)
  • 日本学術振興会 科研 基盤研究(A)「交互積層を用いる高分子超薄膜ナノマテリアルの創製に関する研究」 (平成23年4月-平成28年3月:※平成23年6月、基盤研究(S)採択のために廃止: 研究代表者 明石満)
  • 日本学術振興会 科研 萌芽研究 「オイル中の残留性有機汚染物質を高効率的に分離回収できる革新的吸着材の開発」 (平成20年4月-平成22年3月: 研究代表者 木田敏之)
  • 新エネルギー・産業技術総合開発機構 産業技術研究助成事業 「三重らせん形成を駆動力とするコラーゲン選択的な生体適合性架橋剤とエキシマーレーザー技術の融合による革新的角膜治療技術の開発」 (平成22年4月-平成23年3月:研究代表者: 西田幸二)
  • 文部科学省 科研 萌芽研究 「新規な刺激応答性インテリジェントナノカプセルを用いた薬物放出の完全制御」 (平成19年4月-平成21年3月: 研究代表者 明石満)
  • 文部科学省 科研 基盤研究(B) 「ヒト・トロンボモジュリンの高分子超薄膜への固定化と医療材料への応用」 (平成16年4月-平成19年3月: 研究代表者 明石満)

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