生体プロセス工学研究室について

細川陽一郎教授が主催する当研究室では、最先端レーザー技術と顕微鏡技術を駆使した、細胞やタンパク質などのバイオ試料の超微細・超高速操作技術の開発と研究を推進しています。特に、超短パルスレーザー(フェムト秒レーザー)を利用した細胞の操作・加工技術では、世界最高レベルの研究施設と研究実績を有しています。

レーザーが拓くナノバイオ  増原宏、細川陽一郎 著

コラム

もし地球をわしづかみにできるくらいの巨人がいたとすると、ナノ・マイクロの世界の微細加工・操作技術とは、その巨人が私たちに料理を振うくらいの繊細な技術といえるでしょう。
もちろんその巨人の指先だけでも日本列島より大きいでしょうから、その巨人にしてみれば、にんじんやたまねぎはおろか、東京タワーをつかむことすら難しいでしょう。
もし、料理を作れたとして、それが美味しいかどうか分からなければ巨人も料理を満足に振る舞えないでしょう。私たちが、ナノ・マイクロの世界において、まさにこの巨人に似た苦悩をあじあわなければなりません。
原子や分子、蛋白質を単純に一つずつ並べられてもナノテクノロジーとは言えません、それを私たちが見えたり使えたりするサイズに反映し、付加価値の高い物にしてこそ初めてナノ・マイクロの世界の微細加工・操作技術が達成されたと言えるでしょう。