当研究室を志望する学生の皆さんへ
当研究室では、分子複合系に見られる様々な現象の解明、科学的知見に基づいた新規分子複合系材料の開発を行っています。分子複合系は学際領域研究であり、特定の学術分野に特化したものではありません。分野の垣根を越えて、研究遂行に必要な様々な学術分野に興味を持ち、新しい学術分野の創成を切り開く熱意のある大学院生を募集しています。研究室見学は随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
分子複合系科学研究室の指導方針
各学生には独立した研究テーマを設定し、責任を持って遂行に当たってもらいます。当研究室で扱う分子複合系の研究では、化学、物理、生物物理、蛋白質科学等、様々な分野の知識が役に立ちます。自分の強みを生かしつつ、新しい分野に興味を持ち実践的で役にたつ科学的素養を身につけるトレーニングの場として活用してください。実験についても、不慣れなものが多いかもしれませんが、私たちが日常的に行っている実験操作(遺伝子工学的実験技術、蛋白質試料調製技術、各種分光学的実験技術、構造評価実験技術等)については、配属後、実習の中で習熟してもらいます。この期間を利用し、研究室のメンバーと話しをする時間を十分に取り、少しでも興味の持てるテーマを自ら考えて(あるいは、選んで)もらいます。
研究開始後は、研究遂行時に生じる問題を研究室メンバーと共有し、議論の過程で得た多種多様なアドバイスやアイディアを生かし、最終的には自らの判断によって解決できる能力を身につけてもらいます。研究室における研究報告会、学会発表、投稿論文作成、学位論文作成など研究進展の各段階で結果を取りまとめ、自ら考察し、その成果を発表することで、自ら考え判断できる自立した社会人になれるように、グループメンバー全員でバックアップします。
修士学位取得条件
以下の各項目が達成し、論理的思考によって自ら判断する能力を身につけ、社会人として自立してやっていけることを示すこと。
- 研究を遂行する意欲を持つこと
- 一般的な実験操作を自分自身で実施できるようになること
- 研究テーマの意義を自分なりに理解し説明できるようになること
- 問題点を自らの言葉で説明し、研究協力者と問題を共有できるようになること
- 問題点を自らの工夫で解決できるようになること
- 成果をまとめ、自らの言葉で表現できるようになること(学会発表最低1回)
博士学位取得条件
修士学位取得条件に加え、以下の各項目の達成し、実験研究者として自立してやっていけることを示すこと。
- 自らが有する実験技術を完全に理解し、原理的な部分から初学者に指導できるようになること
- 学術的/社会的意義を理解し、新たな研究テーマを提案できるようになること
- 新たな研究テーマ遂行に必要な実験技術を自ら調査し、実施できる能力を身につけること
- 学術的に高い意義のある新しい結果を得る、社会的意義が認められる新材料の開発に貢献する、あるいは、新しい測定・解析手法を考案すること
- 成果を取りまとめ、年に最低1回の学会発表と、在学期間内に少なくとも1度の国際学会での発表すること、かつ、英文学術誌に論文を出版すること
参考書
初学者
- 化学・生命科学系のための物理化学(東京化学同人)
- タンパク質の構造と機構(原著者 Alan Fersht)
- Essential細胞生物学(原著者 Alberts. B. et al.)他
中級
- 物理化学 分子論的アプローチ (原著者D. A. McQuarrie, J. D. Simon)
- Biophysics -SEARCHING FOR PRINCIPLES- (William Bialek) 他