光機能素子科学研究室の岡田竜馬 助教が2025年電子情報通信学会 総合大会において学術奨励賞を受賞

受賞概要

2025年 3月24日~28日に東京都市⼤学世⽥⾕キャンパスにて開催された2025年電子情報通信学会 総合大会において、光機能素子科学研究室の岡田竜馬 助教が学術奨励賞を受賞しました。本賞は、2024年総合大会および2024年ソサエティ大会において優秀な内容の講演を行った33歳以下の若手登壇者に授与される賞です。

【写真左から:岡田竜馬助教、笹川清隆教授】

受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント

研究題目・論文タイトル

1. 微弱偏光イメージングシステムを用いたミリ波電界の高速撮像
2. 観察対象波源の周波数に追従する高周波電界撮像システムの検討

研究者・著者

岡田 竜馬¹、水野 麻弥²、 竹原 浩成¹、春田 牧人¹、 田代 洋行¹、 太田 淳¹、 笹川 清隆¹
¹奈良先端科学技術大学院大学 ² 国立研究開発法人情報通信研究機構

受賞対象となった研究の内容

1. 本研究では、電気光学(EO)効果を用いた電界イメージングシステムの感度改善を行いました。EO結晶で生じる微弱な偏光変化を検出するために、画素上偏光子を搭載した偏光イメージセンサに一様偏光子を重ねた2重偏光子構造を用いています。この構造では、EO結晶に大きな入射光を照射することによる信号増強とイメージセンサによる検出を両立することができます。この電界イメージングシステムに入射する光強度を大幅に増加させるために、インライン型とテーパー型の半導体光増幅器を組み合わせた2段増幅を行いました。これによって、30 GHzの電界撮像を5 FPSで成功し、0.1 Hzで変化するパッチアンテナ上の電界変化を撮像することに成功しました。
2. 本研究では、光ヘテロダイン検波のための変調光生成システムにおいて、観察対象の電界の周波数に追従するシステムの開発を行いました。観察対象の電界周波数はイメージセンサの動作周波数に対して非常に高いため、EO結晶に照射する光を予め変調して、EO結晶と偏光子を光学ミキサとして用いて周波数変換を行います。この変調光は観察対象の周波数に対して一定の周波数ずれた周波数である必要があります。本研究では、観察対象の電界周波数をアンテナで検出し、フィードバックを行うことで、観察対象波源に自動的に追従する局部発信変調光生成システムを作製しました。これによって、様々な波源に対応する電界イメージングシステムが構築されます。

受賞者コメント

この度、2025年電子情報通信学会 総合大会において学術奨励賞を頂き大変光栄に思います。ご指導いただいた笹川清隆教授、太田淳特定教授をはじめとする光機能素子科学研究室の先生方に、深く御礼申し上げます。また、研究室のメンバー各位との議論を通じて研究内容をより洗練されたものとすることができました。今回の受賞を励みとして今後の研究活動により一層の精進を重ねてまいる所存です。