量子物理工学研究室の山林 恵士さん(博士前期課程2年)、高橋 遼成さん(博士前期課程1年)、本條 悟史さん(博士前期課程1年)が応用物理学会 量子エネルギー変換研究会 第1回研究会 兼 第34回次世代先端光科学研究会において講演奨励賞および若手奨励賞を受賞

受賞概要

2025年1月21日~1月23日に和歌山で開催された応用物理学会 量子エネルギー変換研究会 第1回研究会において、量子物理工学研究室の高橋 遼成さん(博士前期課程1年)が応用物理学会 量子エネルギー変換研究会 講演奨励賞を受賞しました。同賞は42件の発表から3件の特に優秀な発表に対して表彰されました。

量子エネルギー変換研究会

また山林 恵士さん(博士前期課程2年)、本條 悟史さん(博士前期課程1年)が次世代先端光科学研究会 若手奨励賞を受賞しました。同賞は42件の発表の中から3件の優秀な発表に対して表彰されました。

【写真左から山林さん、河口准教授、高橋さん、本條さん】

受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント

講演奨励賞:高橋 遼成

研究題目・論文タイトル

高線量場計測を企図したEr添加Ca₃TaGa₃Si₂O₁₄単結晶シンチレータの評価

研究者・著者

高橋 遼成 (M1)、岡崎 魁 (D2)、中内 大介 (特任准教授)、加藤 匠 (助教)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)

受賞対象となった研究の内容

シンチレータは電離放射線のエネルギーを吸収して即座に発光を示す蛍光体であり、光検出器と組み合わせることで医療イメージングやセキュリティ分野をはじめ、多岐にわたる放射線検出用途に利用されています。近年、近赤外光を利用したシンチレータが注目を集めており、高線量場におけるリモートモニタリングシステムへの応用が期待されています。本研究では、近赤外発光中心としてEr³⁺に着目し、重元素Taを含むランガサイト型Ca₃TaGa₃Si₂O₁₄単結晶に導入したところ、良好な線量率測定下限を達成しました。

受賞者コメント

このたびは栄えある賞を賜り、光栄に思います。日頃より温かいご指導とお力添えを賜っております柳田教授をはじめ、諸先生方に心より感謝申し上げます。この受賞を糧に、これからも研究活動に誠心誠意取り組み、さらなる成果の追求に努めてまいります。

若手奨励賞:山林 恵士

研究題目・論文タイトル

溶媒蒸発法により作製した(18-crown-6)₂Na₂(H₂O)₃Cu₄I₆単結晶のシンチレーション特性

研究者・著者

山林 恵士 (M2)、岡崎 魁 (D2)、中内 大介 (特任准教授)、加藤 匠 (助教)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)

受賞対象となった研究の内容

近年、量子閉じ込め効果に基づく高効率な発光を示す0次元有機金属結晶がシンチレータの有望材料として注目されています。本研究は高い放射線感度と化学的安定性を有する(18-crown-6)₂Na₂(H₂O)₃Cu₄I₆単結晶を溶媒蒸発法により作製し、シンチレータとしての性能を評価しました。結果、市販品相当の高い発光量と良好な残光特性が見出されました。

受賞者コメント

研究成果が高く評価され嬉しく思います。ご助力くださった研究室の皆様に深く感謝いたします。

若手奨励賞:本條 悟史

研究題目・論文タイトル

異なる材料形態のZnAl₂O₄におけるドシメータ特性評価

研究者・著者

本條 悟史 (M1)、市場 賢政 (D2)、加藤 匠 (助教)、竹渕 優馬 (宇都宮大学 助教)、遠藤 優介 (M2)、中内 大介 (特任准教授)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)

受賞対象となった研究の内容

ドシメータ材料は放射線のエネルギーを一時的に蓄積し、光や熱などの外部刺激を加えることで発光を呈する物質です。この特性から個人被ばく線量計やイメージングプレートなどが応用例として挙げられます。本研究では、ZnAl₂O₄透明セラミックス、単結晶、不透明セラミックスを作製し、そのドシメータ特性の評価を行った結果、透明セラミックスが最も強度が高く、0.1 mGy以上の線量に感度を有することを明らかにしました。

受賞者コメント

この度は、次世代先端光研究会若手奨励賞を頂くことができて誠に光栄に思います。このたびの受賞にあたり、多大なるご指導とご支援を賜りました教員の皆さま、先輩の皆さまに心より感謝申し上げます。この経験を糧に、今後も研究に一層励んでまいります。