光機能素子科学研究室の野村修平さん(博士後期課程3年)が、Sensors and Materials (S&M) Young Researcher Paper Award 2023を受賞

受賞概要

2024年2月27日、光機能素子科学研究室の野村修平さんが、Sensors and Materials (S&M) Young Researcher Paper Award 2023を受賞しました。同賞は、センサーとその関連材料および技術分野における若手研究者の投稿促進を目的として、S&M誌に優れた論文を投稿した若手研究者を表彰する賞です。

受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント

研究題目・論文タイトル

Effects of Long-Term In vivo Stimulation on the Electrochemical Properties of a Porous Stimulation Electrode for a Suprachoroidal–Transretinal Stimulation (STS) Retinal Prosthesis

研究者・著者

Shuhei Nomura1–3, Hiroyuki Tashiro2,3, Yasuo Terasawa2–4, Yukari Nakano4, Makito Haruta3,5, Kiyotaka Sasagawa3, Hironari Takehara3, Takeshi Morimoto6, Takashi Fujikado6, Jun Ohta3

1 帝京大学福岡医療技術学部
2 九州大学
3 奈良先端科学技術大学院大学
4 株式会社ニデック
5 千歳科学技術大学
6 大阪大学

受賞対象となった研究の内容

人工視覚システムは、網膜を電気刺激することで、失明患者の視覚機能を再建する埋植デバイスです。網膜の高密度刺激を安全に行える高性能刺激電極(多孔性白金電極)が開発されています。しかし、その複雑な表面構造のため、電極界面でどのような物理化学現象が生じるのか、十分には解明されていません。本研究では、刺激電極の電気化学特性に着目し、電気化学インピーダンス法と等価回路解析により評価しました。その結果、電極界面で生じる複雑な現象は、Randles型等価回路モデルの4要素(溶液抵抗、拡散抵抗、電荷移動抵抗、電気二重層容量)に分離して解釈できることが明らかとなりました。本研究で得られた知見は、神経インターフェースを利用する埋植デバイスの開発に広く貢献するものです。

受賞者コメント

このような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に存じます。ご指導いただきました太田淳教授をはじめとする光機能素子科学研究室の皆様に深く感謝申し上げます。加えて、本研究の遂行をご支援いただきました大阪大学、九州大学、千歳科学技術大学、株式会社ニデックの皆様に深く御礼申し上げます。この度の受賞を励みとし、今後の科学技術の発展に貢献できるよう、より一層精進してまいります。