有機エレクトロニクス研究室のMani-LATA Chitladaさん(博士後期課程2年)が「2024博士キャリアメッセKYOTO」において企業賞「SCREEN賞」を受賞

受賞概要

京都クオリアフォーラム主催 2024博士キャリアメッセKYOTO第2部 ~博士学生の今を知る&次世代の高度専門家たちにエールを!~は、博士に対する期待や現状を本音で語りあい、その存在を京都・奈良で盛り上げる場として、京都クオリアフォーラム・人材育成Gのもと、JST次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)に採択された京都・奈良の7大学が連携して企画運営しています。「博士学生を知る」「共に育てる」「交流」「スキルアップ」「社会を知る」の機会として、博士後期課程の学生が自分自身と研究活動をPRする場です。
博士学生のエレベーターピッチとポスター発表に対して、参加者全員がインパクトのあった発表に投票しベストインパクト賞を決定する他、各会員企業が学生1名を選出して企業賞の授与が行われました。

右が受賞者、左が谷口直也キャリア支援室UEA・特命助教(博士キャリアメッセKYOTO コーディネーター)

受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント

研究題目・論文タイトル

ナノスケール光電子機能計測に基づく有機薄膜太陽電池の動作機構解明

研究者・著者

Mani-LATA Chitlada(マニラタ チトラダ)

受賞対象となった研究の内容

本研究では、光を吸収して電気に変換する三種類の有機材料で構成された三元有機太陽電池について検討しました。しかし、これらの材料を光活性層内で混合すると、ナノスケールの構造が複雑化し、デバイス性能が制御不能になるという問題が生じます。その効果的なアプローチの一つが光照射型電流計測原子間力顕微鏡(PC-AFM)であり、この手法ではナノスケール表面形態と光電流を同時に取得できるため、形態とデバイス性能の関係を直接調査することができます。私の研究では、ドナーで生成された多数の正孔キャリアが、より有利なエネルギー準位のために、あるドナーから別のドナーに移動することを確認しました。その結果、デバイス性能は一つのドナーによって主に支配されることが分かりました。最終的に、デバイス性能を向上させるため、すべての材料を均等に強化するのではなく、材料間のエネルギー準位差が小さい組み合わせを選択することで、特定の材料による支配を避けるべきであると結論付けました。

受賞者コメント

このたびは、SCREEN賞を受賞させていただき、大変光栄に存じます。この貴重な経験は、私にとってとても謙虚な気持ちになると同時に、大きな励みになっています。半導体業界をリードするSCREENホールディングス様に、このような栄えある賞をいただき、本当に感謝しています。この賞は、私の研究への取り組みを評価していただいたことに加え、NAISTの指導教授やキャリア支援室の先生方からいただいた多大なご支援と温かいご指導の賜物であると感じております。このSCREEN賞の受賞をきっかけに、私の研究テーマである有機太陽電池において、さらなる性能向上を目指し、努力を重ねるとともに、近い将来、社会に貢献できるよう邁進してまいります。