物性情報物理学研究室の山田侑矢さん(博士前期課程2年)、吉田桃子さん(博士前期課程2年)が日本物理学会第79回年次大会(2024年)において学生優秀発表賞を受賞

受賞概要

2024年9月16-19日に北海道大学で開催された日本物理学会第79回年次大会において、物性情報物理学研究室 博士前期課程2年の山田侑矢さんと吉田桃子さんが学生優秀発表賞を受賞しました。
同賞は、物理学会大会における若手の優秀な発表を奨励し、大会をより活性化することを目的として、授与されるものです。

【写真左から松下教授、山田さん、吉田さん、橋本助教】

受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント

学生優秀発表賞:山田侑矢

研究題目・論文タイトル

リバースモンテカルロ法によるMnドープBiFeO₃単結晶薄膜の光電子ホログラムからの原子配列の推定

研究者・著者

山田侑矢(M2)、有馬知希(兵庫県立大)、橋本由介(助教)、富田広人(D2)、孫澤旭(D2)、盛喜琢也(卒業生)、多田村充(卒業生)、中嶋誠二(兵庫県立大)、藤澤浩訓(兵庫県立大)、松下智裕(教授)

受賞対象となった研究の内容

強誘電体材料として注目されているBiFeO₃はMnをドープすると、試料内に存在する酸素空孔がMn近傍に固定されることが理論計算で示されている。様々な手法でMn-doped BiFeO₃は観測されてきたがMn周りの詳細な評価は行われていなかった。受賞者らは、Mn-doped BiFeO₃単結晶薄膜について、大型放射光施設SPring-8に設置されている阻止電場型分析器を用いた光電⼦ホログラフィー測定をすることで、Mn近傍の原⼦配列の観測を行った。

受賞者コメント

この度は名誉ある日本物理学会にて学生優秀発表賞を授与していただき、大変光栄に思います。先生方のご指導や研究室メンバーの協力なくては成し得ることはできなかったと思います。この受賞に際し、ご指導を賜りました松下智裕教授、橋本由介助教をはじめとする物性情報物理学研究室の先生方、兵庫県立大学の藤澤浩訓教授、中嶋誠二准教授、有馬君、そして学生の皆様に心より感謝申し上げます。これからも研究活動に精進してまいります。

学生優秀発表賞:吉田 桃子

研究題目・論文タイトル

リバースモンテカルロ法によるSi結晶中のAsxBクラスターの原子位置の評価

研究者・著者

吉田桃子(M2)、橋本由介(助教)、孫澤旭(D2)、盛喜琢也(卒業生)、星井拓也(東京科学大:旧 東工大)、筒井一生(東京科学大:旧 東工大)、松下智裕(教授)

受賞対象となった研究の内容

Si半導体にAsなどの不純物を高濃度にドーピングすると、電気的に不活性な不純物クラスターを生じるが、As, Bを共ドープすることで、活性なAsxB (x=2~4)クラスターが形成されることが理論計算で示されている。受賞者らは、As, B共ドープSiについて、大型放射光施設SPring-8に設置されている阻止電場型分析器を用いた光電⼦ホログラフィー測定をすることで、As₂Bクラスター構造の観測を行い、それらの原子位置の評価を行った。

受賞者コメント

この度は名誉ある日本物理学会にて学生優秀発表賞を授与していただき、大変光栄に思います。日々ご指導を仰いでおります指導教官の松下智裕教授、橋本由介助教をはじめとする物性情報物理学研究室の諸先生方、東京科学大学(旧 東京工業大学)の筒井一生教授、日々議論していただいた研究員及び学生の皆様に厚く御礼申し上げます。今後もより一層、研究活動に精進してまいります。