
薄膜半導体素子科学のKrittin Auewattanapunさんが第10回有機・無機電子材料および関連ナノテクノロジー国際シンポジウム(EM-NANO2025)にて「学生賞」を受賞
受賞概要
第10回有機・無機電子材料および関連ナノテクノロジー国際シンポジウム(EM-NANO2025)が、2025年6月11日から14日にかけて福井県民ホール(福井県)にて開催されました。薄膜半導体素子科学(受賞した研究は情報機能素子科学研究室に所属時の研究)のKrittin Auewattanapunさんが本シンポジウムにて「学生賞」を受賞しました。EM-NANO2025は、有機および無機電子材料、ナノテクノロジー、関連デバイスに関する最先端の研究に焦点を当て、次世代のエレクトロニクスおよびエネルギーソリューションのための学際的な連携を促進するシンポジウムです。

受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント
研究題目・論文タイトル
シンクロトロン分光による酸素空孔制御の洞察:自己整合型・溶液プロセス酸化物TFTへの応用
研究者・著者
Krittin Auewattanapun、Juan Paolo S. Bermundo、Umu Hanifah、Hideki Nakajima、Wanwisa Limphirat、Ratchatee Techapiesancharoenkij、Yukiharu Uraoka
受賞対象となった研究の内容
本研究では、溶液プロセスにより作製されたアモルファスInZnO薄膜における酸素空孔を、アルゴンプラズマ処理およびアニール処理によって制御する手法を提案しました。酸素空孔は導電性を高め、加熱処理により可逆的に変化させることができます。シンクロトロンを用いた分析により、原子レベルの構造変化とデバイス性能との関連性が明らかとなり、次世代のフレキシブルかつ透明な酸化物エレクトロニクスに向けた電子特性の調整に新たな道を開くものです。
受賞者コメント
この度、EM-NANO 2025にてこのような栄誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。本賞は、溶液プロセスを活用した酸化物半導体における酸素空孔エンジニアリングの進展に向けた取り組みが評価された結果であり、非常に意義深いものです。指導いただいたBermundo准教授、浦岡行治教授、Ratchatee Techapiesancharoenkij准教授に心より感謝申し上げます。また、情報機能素子科学研究室の皆様、スタッフの方々、そしてシンクロトロン分光解析を支援してくださったタイ国シンクロトロン光研究所の皆様にも深く感謝いたします。この受賞を励みに、今後も材料イノベーションを通じて、フレキシブルかつ透明な電子デバイスの発展に貢献していきたいと考えております。