量子物理工学研究室の國方 俊彰さん(博士後期課程2年)、尾竹 祥太さん(博士前期期課程2年)、林 志勇さん(博士前期期課程2年)、藤井 愛朗さん(博士前期課程1年)が応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ第16回研究会 兼 第32回次世代先端光科学研究会において講演奨励賞及び若手奨励賞を受賞

受賞概要

2024年7月15日~17日に福井県鯖江市 ラポーゼかわだ、およびオンラインにてハイブリッド開催された応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ第16回研究会 兼 第32回次世代先端光科学研究会において、量子物理工学研究室の林 志勇さん(博士前期期課程2年)が応用物理学会 極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ 講演奨励賞を受賞しました。同賞は59件の発表から3件の優秀な発表に対し表彰されました。

極限的励起状態の形成と量子エネルギー変換研究グループ (jsap.or.jp)

また國方 俊彰さん(博士後期課程2年)、尾竹 祥太さん(博士前期期課程2年)、藤井 愛朗さん(博士前期課程1年)が次世代先端光科学研究会 若手奨励賞を受賞しました。同賞は59件の発表の中から8名の優秀者に授与されました。

【写真左から國方さん(D2)、林さん(M2)、河口准教授、尾竹さん(M2)、藤井さん(M1)】

受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント

講演奨励賞:林 志勇 (M2)

研究題目・論文タイトル

Tb添加Na₂O-B₂O₃-SiO₂ガラスの母材組成比によるドシメータ特性への影響

研究者・著者

林 志勇 (M2)、西川 晃弘 (D1)、加藤 匠 (助教)、中内 大介 (特任准教授)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)

受賞対象となった研究の内容

Na₂O-B₂O₃-SiO₂ガラスは内部に存在する単位構造の種類や非架橋酸素の有無を予測できるモデルが報告されています。そこでTb添加Na₂O-B₂O₃-SiO₂ガラスを作製、そのドシメータ特性を調査し予測モデルより算出したガラス内部の各単位構造の数と非架橋酸素数を比較することで、内部構造の違いが与えるドシメータ特性への影響を検討しました。ガラスネットワークにおける非架橋酸素や四面体を形成するBユニットの数が発光強度や刺激温度に相関性を示すことが明らかになりました。

受賞者コメント

この度は講演奨励賞という栄誉ある賞を頂き、大変光栄に思っております。この場を借りて柳田先生をはじめとする教員の皆様や先輩方に深く感謝を申し上げます。本受賞を励みに今後も研究に精進して参ります。

若手奨励賞:國方 俊彰 (D2)

研究題目・論文タイトル

チタンサファイア単結晶のシンチレーション及びドシメータ特性の評価

研究者・著者

國方 俊彰 (D2)、木村 大海 (産総研)、江澤 喜朗 (M2)、加藤 匠 (助教)、中内 大介 (特任准教授)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)

受賞対象となった研究の内容

シンチレータおよびドシメータ材料は放射線計測用途に用いられています。本研究ではTi濃度の異なるα-Al₂O₃単結晶を作製し、これらの性能評価を行いました。Ti濃度1.0 %サンプルが最も高い熱刺激蛍光強度を示し、1 mGyの下限線量まで計測可能であることを見出しました。

受賞者コメント

このたび若手奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。日頃より格別のご指導とご助力を賜りました共著者の皆様ならびに研究室の皆様に心より感謝申し上げます。この賞を励みとして、 今後とも研究活動に尽力していく所存でございます。

若手奨励賞:尾竹 祥太 (M2)

研究題目・論文タイトル

透光性を有するEu:BaFCl多結晶シンチレータの開発

研究者・著者

尾竹 祥太 (M2)、加藤 匠 (助教)、中内 大介 (特任准教授)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)

受賞対象となった研究の内容

シンチレータとは放射線検出に用いられる蛍光体の一種であり、検出感度の良さから医療やセキュリティ等の幅広い分野で利用されています。本研究ではX線検出を想定してEu:BaFCl多結晶シンチレータを作製したところ、当該分野の実用シンチレータに匹敵する高発光量と低残光を有することが明らかになりました。

受賞者コメント

この度は若手奨励賞を頂戴し、大変光栄に思います。普段から親身にご指導してくださる先生、また先輩方に深く感謝申し上げます。これからも初心を忘れずに、精一杯努力して研究に励んでまいります。

若手奨励賞:藤井 愛朗 (M1)

研究題目・論文タイトル

Tb添加CaSiO₃単結晶の線量応答特性評価

研究者・著者

藤井 愛朗 (M1)、宮﨑 慧一郎 (D1)、加藤 匠 (助教)、中内 大介 (特任准教授)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)

受賞対象となった研究の内容

ドシメータ材料は個人被ばく線量の測定に使用され、求められる特性として生体等価性の観点から小さい実効原子番号や線量に対して発光強度が比例関係にあることなどが挙げられます。そこで本研究ではTb添加CaSiO₃単結晶を作製し、線量応答特性の調査を行いました。その結果、1mGyから1000mGyの範囲で良好な比例関係を示すことが明らかになりました。

受賞者コメント

この度は次世代先端光研究会若手奨励賞を頂き、大変光栄に思います。日頃よりご指導していただきました先生方に深く御礼申し上げます。本受賞を励みに今後も一層、研究に精進してまいります。