量子物理工学研究室の遠藤 優介さん(博士前期課程2年)、山林 恵士さん(博士前期課程2年)さんが日本セラミックス協会 第37回秋季シンポジウムにおいてPoster Presentation Award for Characterization 及びPoster Presentation Incentive Awardを受賞
受賞概要
2024年9月10日~9月12日に名古屋大学東山キャンパスで開催された日本セラミックス協会 第37回秋季シンポジウムにおいて、量子物理工学研究室の遠藤 優介さん(博士前期課程2年)がPoster Presentation Award for Characterizationを、山林 恵士さん(博士前期課程2年)がPoster Presentation Incentive Awardを受賞しました。各賞は特定セッション「マテリアルデザインとプロセッシングデザイン」におけるポスター発表37件のうち上位10%の優秀な発表を行った学生に授与されました。
受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント
Poster Presentation Award for Characterization:遠藤 優介 (M2)
研究題目・論文タイトル
Tb添加Ca₁-xMgxHfO₃単結晶のフォトルミネッセンスおよびシンチレーション特性評価
研究者・著者
遠藤 優介 (M2)、市場 賢政 (D2)、中内 大介 (特任准教授)、渡辺 賢一 (九州大学 教授)、加藤 匠 (助教)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)
受賞対象となった研究の内容
シンチレータはX線などの電離放射線を吸収し、即発的に低エネルギー光子へ変換する蛍光材料です。本研究では、Hf酸化物系材料において12,000 photons/MeVの高い発光量を示すTb:CaHfO₃にMgを共添加したTb:Ca₁-xMgxHfO₃単結晶を作製し、そのフォトルミネッセンスおよびシンチレーション特性を評価しました。その結果、Mgを共添加することによって発光量が約1.5倍向上し、実用材料であるCdWO₄よりも高い発光量を示すことが明らかとなりました。
受賞者コメント
この度の栄誉を賜り、心より感謝申し上げます。本研究が結実したのは研究室の卓越した環境、柳田先生をはじめとする教員の皆様からのご指導、そして諸先輩方の叡智に触れる機会に恵まれたおかげです。この恩恵に深く感謝しつつ、探究の歩みを止めることなく、さらなる深淵を目指し研鑽を重ねてまいります。
Poster Presentation Incentive Award:山林 恵士 (M2)
研究題目・論文タイトル
高蛍光量子収率を示すK₂Cu(Cl,Br)₃混晶の作製および放射線誘起蛍光特性評価
研究者・著者
山林 恵士 (M2)、岡崎 魁 (D2)、中内 大介 (特任准教授)、加藤 匠 (助教)、河口 範明 (准教授)、柳田 健之 (教授)
受賞対象となった研究の内容
本研究では高い化学安定性と高い発光効率を両立する材料として、高い量子収率を示すK₂Cu(Cl,Br)₃混晶を温度降下法により作製し、放射線誘起蛍光特性の調査を行いました。結果、市販品であるBi₄Ge₃O₁₂に匹敵する良好な残光特性と高い発光量を有することが明らかになりました。
受賞者コメント
研究室各位のご指導とお力添えにより、このたび同賞を賜るに至りました。改めまして深く御礼申し上げます。今後も学術的価値の高い研究成果を追求し、当該領域のさらなる発展を支える一助となるよう尽力してまいります。