情報機能素子科学研究室の博士後期課程学生 Mark D. Ilasin さんが ISAT-24 にて「Best Oral Presentation Award」を受賞
受賞概要
第24回 International Symposium on Advanced Technology(ISAT-24)が、2024年11月22日〜23日に東京都八王子市の工学院大学にて開催されました。
情報機能素子科学研究室の博士後期課程学生である Mark D. Ilasin さんが、Best Oral Presentation Award を受賞しました。
ISAT-24 は、「持続可能で包括的な未来のための工学イノベーション」をテーマとし、幅広い科学技術分野における学術交流および共同研究の推進を目的とした国際シンポジウムです。

受賞対象となった研究タイトル・研究者・研究の内容・受賞者コメント
研究題目・論文タイトル
Advancing Argon Plasma Treatment Towards Sustainable Fabrication of Rare-Metal-Free Amorphous Oxide Source-Gated Transistors
研究者・著者
Mark D. Ilasin, Juan Paolo S. Bermundo, Pongsakorn Sihapitak, Candell Grace P. Quino,
Bryndell J. Alcantara, Magdaleno R. Vasquez, Jr., Senku Tanaka, Hidenori Kawanishi,
Kosuke O. Hara, and Yukiharu Uraoka
受賞対象となった研究の内容
本研究では、希少金属を使用しない溶液プロセス酸化物薄膜を用いて、アルゴンプラズマ処理によりソースゲートトランジスタを作製しました。通常は専用のショットキーソース金属が必要となりますが、プラズマ処理によって半導体—金属界面を制御することで、標準的なオーミック電極を使用することが可能になります。
また、様々なプラズマ源に適用できる界面制御技術であるため、将来的な大面積・低消費電力エレクトロニクスへの応用が期待されます。低電圧動作を実現するだけでなく、持続可能かつ装置負担の少ないデバイスエンジニアリング手法としても有望です。
受賞者コメント
このような栄誉ある賞を頂き、大変光栄に思います。本賞は、プラズマを用いた酸化物半導体デバイス研究に携わる私たちにとって、大きな励みとなるものです。
本研究を進めるにあたり、多大なご指導をいただいた NAIST の Juan Paolo S. Bermundo 准教授、浦岡行治 教授、そしてフィリピン大学の Magdaleno R. Vasquez Jr. 准教授に、心より感謝申し上げます。
また、共同研究者の皆様、研究室メンバー、そして情報機能素子科学研究室のスタッフの皆様にも厚く御礼申し上げます。
今回の受賞を励みに、薄膜トランジスタおよびソースゲートトランジスタの研究、とりわけ将来の低消費電力・超低消費電力エレクトロニクス応用に向けた持続可能な材料・プロセス開発に、より一層取り組んでいきたいと考えています。