https://mswebs.naist.jp/ETC/techstaff/kiki2020/online/
2020年度の機器・分析技術研究会ではより実践的な「交流」をしたいと考えており、交流企画として装置実演の見学会をご用意しました。これは短時間で複数台の装置を巡回していく通常の装置見学とは違い、一つの装置を少人数で最長半日かけて見学します。実演内容はコースにより異なりますが、サンプル調整や測定・解析・メンテナンス等も含めます。
この企画では同機種、又は同分野の装置を管理している担当者同士での問題点や「工夫」の共有を期待するもので、参加者からの活発な意見やコメントを通じて議論に繋げられればと思っています。細かすぎて教科書に記載されていない技術や、今更人に聞けないような知識についても相談し合える場を目指しており、参加者が本会を通して少しでも技術を「向上」できれば幸いです。
※本企画は参加希望者のみでの開催となります。
令和2年9月9日(水)13:00 ~ 17:00(コースにより若干前後します)
※本企画は機器分析技術研究会の前日に行います。
物質創成領域棟 E207・E208演習室
(学内図は受付開始時に公開)
本研究会の参加登録開始後に公開いたします。
※おひとり様1コースまでのご案内とさせて頂きます。
TEM担当技術職員交流会
担当者:宮家 和宏
< 内容 >
透過電子顕微鏡に携わる技術職員にお集まりいただき、日頃の業務や、身につけておられる観察・試料作製技術、装置の維持等についての情報交換の場とするとともに、参加者同士のつながりを作る場とします。
< 参加可能人数 >
3名以上で開催。
< その他連絡事項 >
特になし
核磁気共鳴装置/電子スピン共鳴装置
日本電子(株)
JNM-ECA600 / JES-FA100
担当者:淺野間 文夫
< 内容 >
NMRについては、構造が既知である物質に対してNMR測定および分子軌道計算(GAMESS,NWChem等)による化学シフト予測を行い、得られた結果に対して比較検討を行います。ESRについては、液体窒素ヂュワを用いたベースラインが歪んだ測定結果に対して、スピン数の定量性向上のための検討を行います。
< 参加可能人数 >
おおよそ3名。
< その他連絡事項 >
特になし
微小結晶X線構造解析装置
(株)リガク
VariMax RAPID RA-Micro7HFM
担当者:片尾 昇平
< 内容 >
X線装置の輝度が上がり、検出器も進化してきている中、0.1㎜各以下の結晶でも構造解析な可能となってきています。より微小な結晶をカットしマウントすることが必要となっています。結晶のカッティング、マウントに関する技術を共有し、装置の進化に負けないようにより良い結果を出せるよう切磋琢磨したいと考えています。X線装置を使った測定は行いません。低温窒素気流下にマウントするまでになります。
その他参加者のご希望により人数・内容を個別に少し変更することも可能です。
< 参加可能人数 >
おおよそ4名。
< その他連絡事項 >
可能でしたら結晶のカット、マウントに関する自前の道具をお持ちください。基本個別での操作。1人30~50分程度。
MALDI飛行時間型質量分析計
(株)日本電子
JMS-S3000
担当者:西川 嘉子
< 内容 >
近年、MALDI法を利用したイメージングMS測定の報告が多く上がってきています。主流は医学系サンプルですが、最近は工業材料でも報告を見かけるようになりました。
本研究領域は表面分析を行う研究者が多く、イメージングと言えばナノオーダーを求められますが、MALDI法を使ってのイメージングではまだマイクロオーダーのため、失望させてしまうことが多いように感じます。しかし、MALDI法は有機物を測定することが得意とされていますので、今後、要望が上がってくるのではないかと考えています。そこで、現状の装置でどこまでできるかを一緒に考えてみましょう。
< 参加可能人数 >
おおよそ4~5名。
< その他連絡事項 >
ざっくばらんに話しながら交流を深めたいと思っています。
多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)
アルバック・ファイ(株)
PHI 5000 VersaProbe II
担当者:岡島 康雄
< 内容 >
参加者から興味あるテーマを募ってデモンストレーションを行います。情報交換の場としてご活用ください。
X線源は単色化Al Kα線(収束型:スポット径10 µm, 20 µm, 50 µm, 100 µm, 200 µmから選択; 1 mm x 1 mm程度の範囲で走査可),非単色Mg K線(非収束型),非単色Zr L線(非収束型)の3種類から選択できます。静電半球型分光器を使用し、Pass Energy一定のモードで測定します。分光器前段の加減速電圧を掃引してスペクトルを取得する伝統的なモード(Scan mode)と、掃引を停止して16チャンネルの検出器でスナップショットのように測定点16点の簡易なスペクトルを高速に取得するモード(Unscan mode)があります。後者はマッピングに適しています。電子銃,Ar+イオンビーム,ガスクラスターイオンビーム(GCIB: (Arn)+, n~2,500)のオプションがあります。5軸ステージで脱出角度の調整やZalar回転ができます。加熱冷却機構により約-150℃から+500℃の範囲で試料の温度を変えることができます。
< 参加可能人数 >
最大5名程度。(一度に入室可能な人数まで)
< その他連絡事項 >
詳細は参加者に個別にご連絡します。
超短波誘導プラズマ元素分析装置
(株)日立ハイテク
P-6000
担当者:藤原 正裕
< 内容 >
本装置はMIP(Microwave induced plasma)-MSと呼ばれており、ICP-MSとほぼ同機種となります。本デモではプラスチック内に含まれた金属イオンを定量します。本装置は有機溶剤を直接噴霧することができるため、有機溶剤ベースで調整した試料と、抽出操作を施した水溶液試料の測定を検討しています。希望があれば当日使う試料を事前に郵送することも可能で、その場合は装置間での定量結果のデータの比較なども行えればと思います。また今回はサンプルを調整するところから実施する予定で、調整方法や使用する器具等の違いなども議論出来ればと思います。
< 参加可能人数 >
おおよそ5名。
< その他連絡事項 >
途中15分程度の談話時間を予定。
お持ちの方は防塵衣(クラス1000対応)をご用意ください。